ユーロ圏のリスクを抱えたまま、今はトランプ・リスクに翻弄されています。
下記に述べた様に31日、昨日と、ユーロドルが一時的にせよ1.08台を回復したのは、ナバロNTC委員長発言の影響です。この後もその発言が、トランプ大統領の通貨安批判の発言と共に、ユーロ相場を持ち上げ続けるかと言えば、非常に不透明です。
シカゴのポジションからすれば、一時の140000枚水準から、今は52000枚水準まで減少しているので、ここから一段のショートカバーも考えにくく、年初の年初来安値の1.0339から500bp近く上げている事から、テクニカルには上げトレンドが継続中なのですが、ファンダメンタルで見ると、今後のユーロ圏の抱える問題が気になります。
ユーロ圏はこの春から夏にかけ以下の様な政治日程を抱えています。
3月 オランダ総選挙
4月 フランス大統領選挙
6月 フランス国民議会選挙
8〜10月 ドイツ連邦議会選挙
加えての イタリア総選挙
この時期には、市場の注目点も米国から徐々に欧州へ移るのではと想定しています。
昨年のブレグジット、トランプ米次期大統領と、政治イベントが市場に与える影響は大きく、
昨年からの流れで、特にポピュリズムへの傾斜と、右傾化による保護主義貿易への動きがリスクです。
つまり、政治日程が多いだけ、欧州のポピュリズム化へのリスクが高いのです。
トランプ・リスクがドル売りならば、このユーロ圏の政治リスクはユーロ売りです。
この間に挟まれた格好で、ユーロドルは今は上値も下値も限られていますが、ひとたび市場がユーロ圏の政治リスクを一段と織り込み始めれば、下押しの動きが再開でしょう。
ユーロドル:2月2日のテクニカル分析
今日のレンジは、1.0700~1.0850
ポイント:著しく過小評価されたユーロを利用しドイツが他国に対して優位に立っているとした、
ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長のユーロ安批判を背景に、昨日も高値は1.0808と1.08台を回復するも、ユーロ自身買い材料には乏しく、31日高値の1.0812へは達せず、NY引けも1.08台は維持できていません。
先日以来の指摘通り、3日安値の1.0339から上戻している流れは継続中で、
引続き高値更新を試す中にあり、先行スパン2の1.0826の上抜けを試す展開との見方に変わりありません。
判断のポイントは、引き続き日足の一目均衡表・転換線なのですが
今日は1.0701へと上昇しています。
同線を上回っている内は、引続き高値更新を試す可能性が残っていると判断します。
同線を下回って行き、同線を回復できない場合は、
1.19日安値の1.0588を試す流れでしょう。
2. その下は横ばい推移で1.0577に位置する日足の一目均衡表・基準線
昨日、年初来高値の24日の1.0775を上抜けた今日の上値目途は
1. 日足の一目均衡表・先行スパン2の1.0826
2. 下降中の日足の200日線の1.1011
を試す流れでしょう。
今日のレンジは、1.0700~1.0850と見ます。
オーダー/ポジション状況
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