ユーロの下値堅そう
ユーロドルは、週前半は1.06を挟んでの動きの後、ドルの動きに従う展開で一時1.0715まで上戻しました。19日のECB を無事乗り切りその後は1.06台で推移しました。
16日は、前週末の引けの1.0642からギャップダウンの1.0595で始まり、東京時間に1.0578へ下落、その後は海外時間に入り横ばい推移した後、1.0602で引けました。メイ英首相が17日の演説で、移民流入制限を優先、EU単一市場からの撤退を表明との英紙報道に地合いは神経質でした。
17日は、前日引けの1.0602で始まり、東京時間は朝から上昇を続け、NY時間に入り、17日の高値の1.0719をつけました。その後はもみ合いの後1.0712で引けました。トランプ次期大統領によるドル高牽制発言が影響しました。
18日は、前日引けの1.0711で始まり、東京時間は1.0655へ下降の後、一旦1.0703へ上戻すも、NY時間に入り、売り再開で18日安値の1.0628で引けました。本年3回の米利上げに前向きのFRB 高官発言、改善を示すベージュブック、ハト派のイエレン議長のタカ派的発言と終日ドル買い材料ばかりでした。
19日は、前日引けの1.0628で始まり、じりじりと上昇を続け欧州時間に入り、19日高値の1.0676をつけました。この日はECB理事会の日で、予想通り金融政策は据え置き。ただその後の記者会見でドラギ総裁が、インフレ上昇基調が見られず、景気のリスクも依然下向き、現下のQE維持の必要ありと強調、テーパリング観測が後退してユーロ売りが加速し、19日安値の1.0588
をつけましたが、売り一巡後は1.0669まで上戻し、1.0664で引けました。
20日は、前日引けの1.0662で始まり、東京時間に20日安値の1.0625まで下げ、NY時間のトランプ次期米大統領の就任式を待つ展開でした。注目されたトランプ米大統領の就任演説は問題なく乗り切りましたが、直後に、以前からの公約通り、TPPからの離脱を宣言、20日安値の1.0625から1.0709まで上戻しし、リスク・オフでそのまま高値圏で引けました。
ユーロ・ドル:1月23日からの今週
ポイント:イタリアリスクからユーロの上値は重たいものの、米大統領就任演説でトランプ米大統領は、引続き 対米貿易黒字の話をしている事から、ドルは弱含みと想定され、その影響でユーロの下値も堅そうです。
CME通貨先物ポジション状況:1月17日時点
(1月17日)(1月10日)(1月3日)
円 ▲77830 ▲79838 ▲86764
ユーロ ▲66500▲65823▲70056
ポンド ▲66242▲65831▲64742
シカゴIMM: 短期投機・投資家によるユーロのネットポジション、売り持ち高は前週からやや増加。
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.18(-0.60)VIX指数は下落しての引け。
ユーロドルは、大きな流れはユーロ安の方向との見方は変わりないのですが
引き続き今週もドルの動向次第という色彩が非常に強く、トランプ相場の調整ドル売りの中、下値も堅そうです。
ドルの動きを眺めての展開と想定します。
そんな中、特にイタリアリスクに注目です、今のイタリア暫定政権が2月にも解散・総選挙の可能性を示唆しているからです。昨年からのポピュリズムの流れで、英国、米国、に続いてのイタリアでの五つ星運動政権の誕生となれば、今後のオランダ、フランス、ドイツの各国の選挙への影響は避けられず、ユーロ圏の政治的不安定というリスクへと繋がり、ユーロ売りの再開となるのではないかと想定されます。
選手のECB理事会の後の記者会見でドラギ総裁は、早期のテーパリングには否定的であったことからも、やはりユーロは売り優先でしょう。
先週は週初想定した予想レンジ1.0500~1.0700の中で方向模索でした、
1月16日の 1.0578 〜 1.0636
1月17日の 1.0597 〜 1.0719
1月18日の 1.0628 〜 1.0715
1月19日の 1.0588 〜 1.0676
1月20日の 1.0624 〜 1.0709
テクニカルにみると、日足の一目均衡表で
先行スパン2が 1.0898 で横ばい
先行スパン1が 1.0792 で横ばい
実勢値 1.0696 20日引け
転換線が 1.0587 で横ばい
基準線が 1.0531 で横ばい
という位置関係で
大きくは、昨年5月3日の1.1616からの下げのトレンドの中なので
下方向への流れの可能性が依然高いと想定しますが
足元は、ドルがトランプ相場の調整ドル売りの最中なので
ユーロが底固く、先週も一時1.07台を回復しました。
予想レンジは、引き続き1.0500~1.0700 と見ます。
上値は、先行スパン1が明日にでも1.0650水準へ下降すると予想され、実勢値は先行スパン1と2の間に突入してい舞います。
下値は先週、転換線が基準線を上抜けてきたものの、そのまま上値方向への展開の勢いがありません。
これだけの材料でははっきりとした方向英は見えず、今週の展開を待って、見極める事になります。
オーダー/ポジション状況
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