先の見えないブレグジット
ユーロドルが1.06を挟んで方向感がハッキリしない中、ポンドが昨年10月の安値1.2081以来の安値1.2106
まで下押しています。先週末に1.2430まで上昇していた水準からは300bp以上の下落です。
これは英メイ首相が8日に移民流入を管理する政策を英国の主権に基づき優先する旨の発言をしたからです。
このポイントは昨年6月の英国国民投票の論点であったので、その意味では驚きではないのですが、3月にEUとの離脱通知期限を控えた今、メイ首相が改めて、「欧州単一市場へのアクセスを失う事になっても」と強調した事で、市場は英国経済への先行き不安からポンド売りで反応した格好です。
実はこの発言、メイ首相は決して唐突に発言を発表したわけではなく、メデイアのインタビューに答えたもので、メイ首相としては従前の姿勢を繰り返し述べたにすぎないと解釈すべきでしょう。
大切なのは、英国がEUを離脱後、EUとの貿易関係がどうなるのか、英国経済がどう影響を受けるのかです。これらの数字は数カ月の時間を待たねば実際にはデータが出てきません。離脱での悪影響を織り込む市場の動きはそれまで続くのかと言えば、あまりに先が長いので、3月の期限が一旦の目途と想定します。
ブレグジットの動きは、トレンプ次期米大統領の掲げる米国第一主義と通じる面があると考えます。
なので早晩市場は一転好感するようになるのではと判断しています。
離脱後の英国経済指標が順次出て来るに従って、昨年6月の1.50台から売り込んできた市場は、ポンドの買戻しに転じるものと想定します。今は不透明な状況を不安、つまりリスクと解釈してのリスク・オフの動きなのですが、実際に経済指標が出てくれば、悪いなら悪いとして、その後のシナリオを立てる事が出来るようになるので、リスク・オフは収束してくるでしょう。先が見えて来れば市場の不透明感への不安は払しょくされるからです。出て来る経済指標は悪くて当たり前なのです。
その証左に英国FTSE100株式は、足元のポンド安は企業業績にとっては良いニューとの見方から、昨年6月の5700水準から安値を切り上げ7275まで上げてきています。
ユーロドル:1月11日のテクニカル分析
ポイント: ユーロドルは昨日一時1.06台を回復するも、1.06台は維持できず、9日のNY 引けとほぼ同じ水準尾1.0560での引けです。引き続き今は待ちに努めるべきと判断します。依然として、ユーロ自身にはっきりとした方向感が見られず、ドル主導による波乱含みの展開には変わりがありません。
テクニカルは、先週後半以降、上値は1.06台前半と、下値は1.05までの間で行ったり来たりのもみ合いを継続している中で、日足の一目均衡表・転換線1.0497を上回っている内は、まだ上値へ高値更新を試す可能性があります。
上値の日足の一目均衡表・基準線1.0608を上抜けて上昇してゆく場合には買い優先で臨むべきと判断します。
一方で下値は、転換線1.0497を下抜けてくる場合には、3日の安値の1.0339を目指す流れでしょう。
今日のレンジは、1.0500~1.0600と見ます。
オーダー/ポジション状況
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