トルコリラ円見通し ドル円と共に6連騰、対ドルでは7営業日連続で最安値更新(24/12/17)

トルコリラ円の12月16日は概ね4.42円から4.39円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.41円で先週末終値の4.39円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円と共に6連騰、対ドルでは7営業日連続で最安値更新(24/12/17)

ドル円と共に6連騰、対ドルでは7営業日連続で最安値更新

〇昨日のトルコ円、4.42まで高値を伸ばし12/9から6連騰
〇現状のドル高リラ安の勢いなら円安が勝ることでドル円の騰落を追いかけやすい状況
〇今週の日米金融政策を受けたドル円の動向に要注目
〇対ドル、12/16は概ね34.97から34.74の取引レンジ
〇シリア情勢による地政学的リスクが高まり、トランプ氏の発言に要注目
〇4.42超えからは4.43、4.44を順次試す上昇を想定
〇4.39割れからは4.37前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の12月16日は概ね4.42円から4.39円の取引レンジ、17日早朝の終値は4.41円で先週末終値の4.39円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラでは12月6日から16日まで7営業日連続で取引時間中及び終値ベースの史上最安値を更新してリラ売りが勢い付いているが、ドル円が12月9日から16日へ6営業日連続のドル高円安としたため、トルコリラ円はドル高リラ安にやや圧迫されつつも、円安効果が勝ることで12月9日から6連騰とし、4.42円まで高値を伸ばした。

ドル円はすでに26日移動平均や一目均衡表の26日基準線を超えて続伸しているが、トルコリラ円はドル高リラ安による圧迫もあるため16日に26日移動平均及び26日基準線に到達している。ドル円に対してはやや遅れを取っているものの、11月15日早朝の14日高値4.55円からの下落が12月3日夜安値4.28円で一巡して上昇期に入った流れは同じであり、現状のドル高リラ安の勢いなら円安が勝ることでドル円の騰落を追いかけやすいと思われる。
今週の米FOMC(12月17-18日開催、日本時間19日早朝に政策金利、2025年の利下げ想定回数等の予想発表、パウエルFRB議長会見)、日銀金融政策決定会合(19日昼頃に政策金利発表、午後に植田総裁会見)を通過して円安継続か、いったん円高へ揺れ返すのか試されるが、それらを見定めてドル円を追いかける構えとしたい。

【ドル/トルコリラは7営業日連続で取引時間中及び終値の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの12月16日は概ね34.97リラから34.74リラの取引レンジ、17日早朝の終値は34.95リラで先週末終値の34.92リラから0.03リラのドル高リラ安だった。
取引時間中の史上最安値を12月6日に34.81リラ、9日に34.84リラ、10日に34.89(34.8885)リラ、11日に34.89(34.8901)リラ、12日に34.90(34.8967)リラ、13日に34.96リラと6営業日連続で更新してきたが、週明けの16日も34.97リラを付けて35リラに迫り、7営業日連続で最安値更新とした。日足終値ベースでは12月3日終値34.71リラを6日終値34.74リラで超えてから9日、10日、11日、12日、13日、16日と7営業日連続で最安値更新とした。

11月後半からドル高リラ安が加速している。トルコGDP前期比が2四半期マイナス=リセッションに陥り10-12月期も3四半期連続マイナスに終わるのではないかとの懸念、高インフレが落ち着いてきたもののまだ高止まりの様相もあって中銀の利下げ再開が先延ばしされて景気回復も遅れることへの懸念がリラ売りを勢いつかせている印象だ。
1ドル35リラに迫ってきたが、11月時点のトルコ中銀による月次調査では、エコノミストや企業トップによる2024年末の為替レート予想値は1ドル=35.7205リラとされており、35リラ台へ突入する場合は35リラ台後半を目指して行くことも懸念される。
中銀の月次調査(ビジネスサーベイ)は12月20日、中銀の金融政策決定会合は12月26日に予定されている。

【シリア情勢】

トランプ次期米大統領は16日に、シリア情勢について「現在のシリアには多くの不確定要素がある。トルコがシリアの鍵を握るだろう」と述べた。「エルドアン氏と良好な関係を構築した。同氏は強力な軍隊を築き上げた」と語ったとも述べた。
トランプ次期大統領は就任後に米国第一の保護主義、関税強化、移民排斥、大型法人減税等を掲げており、特に関税強化や米中貿易戦争の再燃等への警戒感が高まるとともに、中国や欧州の景気低迷が長引く場合にはトルコ経済への影響も無視できなくなる。
トルコとしては米国との外交的協調を得てNATO内の発言力を増し、経済関係でも米国とうまく付き合うことができれば、現在の景気低迷から抜け出すことへの期待も生まれると思う。しかし、シリア情勢が混迷化してトルコを取り巻く地政学的リスクが高まることになると、海外からのトルコ投資が鈍ることにもなりかねない。暫くは米トランプ氏の発言、シリア情勢からも目が離せない。

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月6日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしてきたが、11日夕刻高値から持ち合いに入り、12日夜に4.34円へ下落してから戻したため、13日午前時点では11日夕高値を直近のサイクルトップ、12日夜安値を同サイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして16日午後から18日夕にかけての間への上昇を想定した。
14日未明へ一段高し、16日深夜へさらに高値を伸ばしているので引き続きトップ形成中とするが、16日夕の反落時安値4.39円割れからは弱気サイクル入りとして17日夜から19日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では13日の上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
遅行スパン悪化からは安値試し優先とし、16日夕安値割れ回避の内はその後に遅行スパンが好転するところから上昇再開とするが、16日夕安値割れからは下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は14日未明から16日深夜へ一段高する際に指数のピークが切り下がっているため、65ポイント超えからは上昇再開として70ポイント超えを試すとみるが、50ポイント割れを弱気転換注意とし、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.39円を下値支持線、4.42円を上値抵抗線とする。
(2)4.39円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.42円超えからは4.43円、4.44円を順次試す上昇を想定する。4.43円以上は売られやすいと注意するが、4.40円を上回っての推移なら18日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.39円割れからは4.37円前後への下落を想定する。4.37円前後は反騰注意とするが、4.39円を下回っての推移なら18日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月19日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 950.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 650.7億ドル)
12月20日
 16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 79.8)
 16:00 12月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末為替レート、CPI等予想値)
 23:30 11月 中央政府債務 (10月 8兆7960億リラ)
12月23日
 17:00 11月 海外観光客数 前年同月比 (10月 9.25%)
12月25日
 16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
 16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%)


注:ポイント要約は編集部

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