米FOMCに注目、荒れた値動きにも要注意
〇東京市場のドル円、FOMC前にレンジ内での一進一退に終始
〇FOMCは先行きの見通しによって相場が荒れる可能性に注意
〇153円レベル割り込むと下げが一時的に加速する危険性、21日線位置する152円前半がターゲット
〇ドル高円安方向、153.80レベルが最初の抵抗、超えると154円台回復、フィボナッチ154.85目指す
〇ドル安円高方向、昨日安値153.17めぐる攻防に注目、153円前後も強いサポートで下値は堅そう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:152.60-154.20
<< 東京市場の動き >>
東京市場は往来相場。このあとNY市場で注目の米FOMCによる結果発表が予定されていることで、レンジ内での一進一退に終始している。
ドル/円は153.45-50円で寄り付いたのち、当初はドル買い先行。日中高値の153.80円レベルへと小幅に値を上げた。しかし、振り落とされると一転して日中安値の153.35円レベルへと軟落している。目立った方向性がうかがえないまま、16時現在では安値圏の153.35-40円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「韓国情勢」について。
前者は、王外相から「次期米政権との協力に期待している」や「日本は福島処理水の義務・責任履行をするべき」といった上から目線の発言が聞かれるなか、興味深いニュースも幾つか飛び交っていた。うちひとつはロイターが報じた「来年の経済成長率目標を年5%前後に設定し、財政赤字目標については、対GDP比4%に引き上げる計画」との内容。また日本経済新聞が伝えている「中国の資産運用大手ノア・ホールディングスが日本に拠点を新設」なども思惑を呼んでいたようだ。
後者は、聯合ニュースが17日に「尹氏、出頭要請書を受け取り拒否し返送」と伝えていたが、本18日にも再び出頭要請に応じなかったと報じられている。2日続けての動きを受け、「正当な理由なく出頭要請に応じない場合、逮捕状を請求する方針も検討」などと追加で伝えられていた。早ければ明日か明後日にも、そうした状況に陥らないとも限らない。なお、尹大統領側の弁護士によると、内乱容疑での当局の捜査について「成立要件を満たしていない」と改めて主張。徹底抗戦の構えに変化はないもよう。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、米FOMCを前にしたポジション調整に押される格好で小安い。一時153.17円まで値を下げたが、下値も堅く大崩れするまでには至らなかった。このあともしばらくは153.00-154.50円程度のレンジ取引が続く見込みながら、問題はそのあと。もちろん米FOMCの結果次第ではあるものの、レンジの上抜けとともに155円を超えていく展開は果たしてどうか。それよりも底堅いながら、152円方向に動く可能性の方が高い気もしないではない。
市場の関心が高い12月の日米金融政策のうち、先行する格好で本日NY時間に米FOMCが会合結果を発表する予定だ。ちなみに、大方の予想は「利下げ実施」だが、昨日も報じたように「1月以降」についてはやや見解の分かれる状況となっている。よって、当月よりも、先行きの見通しによって相場が荒れる可能性もありそうだ。注意を払いたい。一方、それとは別に地政学リスクの高まりや欧州、韓国などの政治情勢にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的なリスクは引き続きドル高方向。しかし、日米の金融政策発表をにらみ155円を前に上げ渋り様相だ。昨日観測された調整的な下押しで、目先のポジションは幾らか軽くなっただけに、155円方向に向けた準備は出来ている気もするが、果たして如何に。
また下値は基本堅そうだが、153円レベルをしっかり割り込むと下げが一時的に加速する危険性も取り沙汰されている。移動平均の21日線などが位置する152円前半がターゲットだ。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数や11月の住宅着工件数などが発表される予定となっているものの、やはり最大の注目材料と言えば米FOMCだ。利下げを行うかどうかも重要だが、それより来月、1月にさらなる利下げを行うのか否かを警戒する向きも少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.60-154.20円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の153.80円レベルが最初の抵抗。超えると154円台回復から、フィボナッチポイント154.85円を目指す。
対するドル安・円高方向は昨日安値の153.17円をめぐる攻防に注目。その少し下、153円前後もなかなか強いサポートで基本的に下値は堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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