トルコリラ円見通し ドル円の反落で7日ぶり下落、対ドルでは8営業日連続で最安値更新(24/12/18)

トルコリラ円の12月17日は概ね4.41円から4.37円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.39円で前日終値の4.41円から0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反落で7日ぶり下落、対ドルでは8営業日連続で最安値更新(24/12/18)

ドル円の反落で7日ぶり下落、対ドルでは8営業日連続で最安値更新

〇トルコリラ円、ドル円の下落に合わせ12/18未明4.37まで失速
〇午前序盤に4.39近辺へ戻し、目先の調整一巡でいったん戻りを継続する可能性も
〇対ドル、12/17は概ね34.99から34.76の取引レンジ、8営業日連続で最安値更新
〇12/18午前序盤には35.0148をつけて初めて35リラ台に到達
〇4.40以下での推移中は一段安余地あり、4.37割れからは4.36、4.35順次試す下落を想定
〇4.40手前は反落注意、4.40超えからは上昇継続とみて4.42前後への上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の12月17日は概ね4.41円から4.37円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.39円で前日終値の4.41円から0.02円の円高リラ安だった。
ドル円が12月9日から16日へ6営業日連続のドル高円安としたため、トルコリラ円はドル高リラ安に圧迫されつつも円安効果が勝ったことで12月9日から16日へ6連騰とし、4.42円まで高値を伸ばしてきた。しかし、ドル円が16日深夜高値154.47円で12月3日安値148.64円以降の高値を更新してから154円を挟んだ揉み合いとし、FOMCと日銀会合を控えた持ち高調整で18日未明に153円台序盤へ下落したため、トルコリラ円も18日未明に4.37円まで失速した。

ドル円は18日午前序盤に154.70円近辺へ戻し、トルコリラ円も4.39円近辺へ戻しているため、目先の調整一巡でいったん戻りを継続する可能性もあるが、明朝のFOMC(4時声明発表、4時半パウエルFRB議長会見)、19日昼頃の日銀金融政策決定会合結果発表と午後の植田総裁会見と重要イベントが続くため、内容次第でドル円の急伸も急落もあり得るため、トルコリラ円としては慎重にドル円の動向を見定めて流れを追う構えとしたい。
FOMCでは0.25%利下げが織り込み済とされ、2025年の利下げペースがどれだけ鈍化するか注目される。日銀は今回会合で利上げを見送った上で1月にも利上げするタカ派姿勢を示すか、トランプ政権発足後の状況や春闘を見たいとするハト派姿勢を示すのか注目される。両会合を通過して円安の場合はそのまま年末から越年へ円安継続とみるが、円高へ進む場合は越年でいったん大きな円高局面に入る可能性が高まると思われる。

【ドル/トルコリラは8営業日連続で取引時間中及び終値の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの12月17日は概ね34.99リラから34.76リラの取引レンジ、18日早朝の終値は34.97リラで前日終値の34.95リラから0.02リラのドル高リラ安だった。
12月6日から16日へ取引時間中の史上最高値を7営業日連続で更新してきたが、17日も34.9990リラを付けて35リラに迫り、18日午前序盤には35.0148リラを付けて初めて35リラ台に到達した。
日足終値ベースでも12月6日から17日まで8営業日連続で最安値更新とした。

11月29日発表の7‐9月期GDPがマイナス0.2%となり4‐6月期のマイナス0.2%から2四半期連続のマイナス=リセッション入りとなり10-12月期も3四半期連続マイナスに陥るとの懸念からリラ売り優勢の流れが徐々に加速し、12月3日発表の11月CPI上昇率が前年比47.09%となり10月の48.58%から若干鈍化したものの市場予想の46.6%を上回る高止まりだったことで、トルコ中銀の利下げ再開が先延ばしされて景気回復も遅れるとの見方がリラ売りをさらに勢い付かせた印象だが、その後も11月貿易赤字が10月から拡大し、10月鉱工業生産が前年比3.1%減へ悪化し、小売販売も低調、16日発表の自動車生産が前年比15.4%減と悪い数字も目立っている。
17日は特に新たな材料はなかったものの、年末にかけてリラ安が続くとの見方で売られている印象だ。

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月12日夜に4.34円へ下落してからの反騰により、13日午前時点では11日夕高値を直近のサイクルトップ、12日夜安値を同サイクルボトムとした強気サイクル入りとして16日午後から18日夕にかけての間への上昇を想定したが、17日午前時点では16日夕の反落時安値4.39円割れからは弱気サイクル入りとした。
18日未明への下落で16日夕安値を割り込んだため、16日深夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は18日未明から19日夜にかけての間と想定されるのでまだ一段安余地ありとするが、早ければ18日未明安値でボトムを付けた可能性があると注意し、4.40円超えからは強気サイクル入りとして19日深夜から24日未明にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では18日未明への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後は先行スパンの下限に張り付いてやや戻している。遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンを上抜けないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下げ再開とするが、先行スパンを上抜き返すところからは一段高へ進むとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は18日未明への下落で30ポイントを割り込んでから40ポイント台へ戻している。50ポイント以下での推移か一時的に50ポイントを超えても維持できないうちは一段安警戒とする。ただし、相場が一段安したところで指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、55ポイント超えからは上昇継続とみて60ポイント台後半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.37円を下値支持線、4.40円を上値抵抗線とする。
(2)4.40円以下での推移中は一段安余地ありとし、4.37円割れからは4.36円、4.35円を順次試す下落を想定する。4.35円以下は反騰注意とするが、4.38円以下での推移なら19日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.40円手前は反落注意とするが、4.40円超えからは上昇継続とみて4.42円前後への上昇を想定する。4.42円以上は反落警戒とするが、4.40円を上回っての推移なら19日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月19日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 950.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 650.7億ドル)
12月20日
 16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 79.8)
 16:00 12月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末為替レート、CPI等予想値)
 23:30 11月 中央政府債務 (10月 8兆7960億リラ)
12月23日
 17:00 11月 海外観光客数 前年同月比 (10月 9.25%)
12月25日
 16:00 12月 製造業信頼感指数 (11月 100.4)
 16:00 12月 設備稼働率 (11月 76.1)
12月26日
 20:00 トルコ中銀 政策金利 週間レポレート (現行 50.0%)



注:ポイント要約は編集部

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