8.3円水準まで値を戻す、日銀関係者による「地ならし」発言などに警戒
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、7−9月期GDPが市場予想を大幅に下回るマイナス成長となったことが嫌気されて8.1円台まで下落したのち、8.3円水準まで値を戻した。
南アフリカ統計局が3日に公表した7−9月期実質GDPは、前期比0.3%減と市場予想の同0.5%増を大幅に下回る結果となった。農林水産業が前期比28.8%減と大幅に落ち込み、南アフリカ統計局は経済成長率を0.7ポイント押し下げたと分析している。市場予想を大幅に下振れたことでランドは9月20日以来の8.18円台まで下落。売り一巡後は買戻しが入り8.3円水準で推移した。
日銀が12月に開催される金融政策決定会合にて利上げを実施するとの観測も強いことで、円が主要通貨に対して買われやすくなっていたことも影響した。
ランド・円(東京時間:12月2日―12月6日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.2927円
高値:8.3675円
安値:8.1885円
終値:8.3151円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
12月3日
18時30分、第3四半期実質GDP(前年比)、前回:0.3%、市場予想:1.1%、結果:0.3%
18時30分、第3四半期実質GDP(前期比)、前回:0.3%、市場予想:0.5%、結果:−0.3%
12月4日
17時00分、第4四半期消費者信頼感指数、前回:−5、結果:−6
12月5日
18時00分、第3四半期経常収支、前回:−750億ランド、結果:−710億ランド
12月9日
未定、11月SACCI景況感指数、前回:110.2
12月10日
18時30分、11月生産者物価指数(前月比)、前回:−0.7%
18時30分、11月生産者物価指数(前年比)、前回:−0.7%
20時00分、10月製造業生産高(前月比)、前回:0.0%
12月11日
17時00分、11月消費者物価指数(前月比)、前回:−0.1%
17時00分、11月消費者物価指数(前年比)、前回:2.8%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、引き続き南アフリカ経済情勢と日銀による利上げ観測を睨んだ展開となりそうだ。8.3円水準まで値を戻したが一段安に警戒したい。
今週発表される11月生産者物価指数や消費者物価指数が前月同様マイナスとなった場合、景気減速に伴う大幅利下げが意識されて、先週安値8.18円を下振れる可能性がある。日銀会合が18−19日に控えていることもあり、日銀関係者による「地ならし」発言で利上げ観測が強まる可能性もあり、ランド売り円買いのバイアスは強まりやすい地合いと言えよう。
日足の一目均衡表では、雲下限水準を回復。100日移動平均線も回復したことで下げ一服と捉えることはできる。ただ、転換線に頭を押さえられていることから、雲下限を再度下回る可能性はあろう。南ア経済指標の結果や日銀による利上げ観測などを材料にランド一段安に警戒したい。
南アフリカランド円日足
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