トランプ発言で売り優勢、雲下限で下げ止まるか注目
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、トランプ次期大統領が実施した関税に関するSNSが重しとなりじり安の展開となった。
トランプ次期大統領は、11月26日、自身のSNSにて「メキシコ、カナダに対する25%の関税、中国には新たに10%の関税を課す」ことを発信。来年1月20日の大統領就任時から実施するとのことで、為替市場は乱高下となった。対ドルではランドやトルコリラ、ブラジルレアルなど新興国通貨は下落した。
28日に発表された10月生産者物価指数も市場予想を下回ったことから、ランド安は続き、10月2日以来の8.2円台まで下落した。南アフリカ準備銀行が、半期に一度の金融安定報告で金融システムの安定性は見通しが改善している、と指摘したが影響は限定的となった。
ランド・円(東京時間:11月25日―11月29日)
※Investing.comの日足を参照
始値:8.5406円
高値:8.5916円
安値:8.2682円
終値:8.2852円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
11月28日
18時30分、10月生産者物価指数(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:−0.2%、結果:−0.7%
18時30分、10月生産者物価指数(前年比)、前回:1.0%、市場予想:−0.1%、結果:−0.7%
11月29日
15時00分、10月マネーサプライ、前回:7.25%、結果:7.79%
21時00分、10月貿易収支、前回:126億ランド、市場予想:35億ランド、結果:146億ランド
12月3日
18時30分、第3四半期実質GDP、前回:0.3%
12月4日
17時00分、第4四半期企業信頼感指数、前回:38
12月5日
18時00分、第3四半期経常収支、前回:−650億ランド
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、トランプ次期大統領の関税発言が重しとなりそうだが、南ア中銀による金融安定報告が下支えとなり下げ渋る展開を想定する。
金融安定報告では、総選挙で与党・アフリカ民族会議は30年ぶりに議席が過半数を割り込んだ一方、6月に連立政権が発足したことで投資家心理が改善。ランドはドルや円など主要通貨に対して堅調に推移し、新興市場国通貨としては今年唯一上昇していると指摘している。また、過去数年間にわたって頻発していた首都近郊を含めた広範囲の停電も、この8カ月間発生していないなど、経済停滞の原因だった停電が大幅に減少した。南ア中銀は利下げサイクルを進めており、11月21日も25bpの追加利下げを決定。今後も段階的な利下げが実施される見通しだ。
一方、依然として多くのリスクが存在し、その多くは構造的だと分析している。永続的なリスクとして低水準で格差が残るままの経済成長、気候変動が金融セクターに与える影響、システムにつきまとうサイバー事件の脅威などを列挙した。経済の回復傾向が明確になりつつある報告内容だったことで、ランドの下支えとなると考える。
日足の一目均衡表では、雲上限を下回り、雲下限での攻防を迎えている。100日移動平均線を下回ったことからトレンドは非常に弱いが、雲下限で下げ止まっていることで反発への期待感はある。100日移動平均線を早いタイミングで上回りたいところだ。
南アフリカランド円日足
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