ドルの上値展望拡大か、米指標に本日も注目
〇本日のドル円、緩やかな右肩下がりで日中安値151.95を付けた後、152.80前後まで回復
〇日銀は金利据え置き、米国は利下げ実施が有力視されるが、引き続き米指標の内容に注目
〇本日は米11月生産者物価指数、新規失業保険申請件数、ECB政策金利の発表予定
〇ドル高・円安方向、昨日高値152.85が最初の抵抗、超えると153円台乗せも
〇ドル安・円高方向、200日線も近い本日東京安値151.95レベルをめぐる攻防にまず注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.70-153.00
<< 東京市場の動き >>
東京市場は行って来い。一時ドル安が進行するも、元のレベルへと持ち直している。
ドル/円は152.45円レベルで寄り付いたのち、ドルは緩やかな右肩下がり。152円を割り込み、日中安値である151.95円レベルまで一時値を下げた。しかし、目先安値を付けたのちは持ち直しの動きになると、Vの字型の回復。寄り付きを超える152.80円前後まで値を上げ、16時現在ではやや小緩んだ152.50円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、終値ベースでは維持できなかったが、日経平均はザラ場で10月中旬以来となる4万円台を回復する場面も。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「韓国情勢」について。
前者は、昨11日の東京引け後に報じられた日銀会合をめぐる観測報道をめぐり、相場は大荒れとなった。実際、ドル/円は151.01円まで下落したのち、152.80円レベルまでと実に2円近い反発をたどっている。そんな乱高下を演出したニュースは、ブルームバーグ発のもの。当初は「一部の政策委員は12月会合で利上げに反対しない見通し」とのヘッドラインが英文で伝わり、これが円買いのトリガーとなったが、そののち「日銀、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識」と伝えられたことで流れが一変した。ドルが急速に買い戻されている。いずれにしても、金利スワップ市場の動きをみると、前述報道もあってか12月の日銀利上げ観測は急速に萎んだ感を否めない。
後者は、韓国政治情勢が依然として混迷を深めるなか、社会や経済状況も冴えない。そのため、崔企画財政相からは「景気の下振れリスクが強まりつつある」との警戒感が示されたうえで、「混乱が通貨に及ぼす影響を軽減すべく努めている」とした決意表明が聞かれていた。一方、肝心の政治情勢はというと、「野党が12日にも尹大統領の弾劾案再提出へ」と伝えられるなか、当の尹大統領は「戒厳令は民主主義守るためだった」と正当性を主張。さらに自身の任期を与党側に一任するとしていた方針を翻して「最後まで闘う」と述べ、辞任に応じない姿勢を示していた。政治的な混乱はまだしばらく続く可能性がある。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日欧米時間に予想以上のドル高進行。152.85円まで値を上げたほか、本日東京でも152.80円レベルを一時示現している。テクニカルに見た場合には、移動平均の200日線が位置する152円レベルをしっかりと上回った格好だ。次なる上値メドは152.60円台に位置するが緩やかな下降が見込まれる21日線で、それを超えるといよいよ153円台乗せがみえてくる。
市場の関心を集める12月の日米金融政策だが、先で取り上げたブルームバーグ報道と、発表された11月の米消費者物価指数を受け、少しずつ形になってきたようだ。つまり「日銀は金利据え置き」で、「米国は利下げ実施」との見方が取り敢えずは有力視され始めてきた。ただ、とくに後者についてはまだ予断を許さない面もあり、本日も引き続き発表される米指標の内容を見極めたい。昨日は無風だったが、数字如何では荒っぽい変動をたどる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円はドルの抵抗になっていた152円レベルに位置する200日線を昨日しっかりと上抜けてきた。また視点を変えた場合には、11月高値156.76円を起点とした短期下げ幅の半値戻し152.70円も、ザラ場ベースでは一時上回っている。ドルはさらなる戻りをたどる可能性も。短期的に見て上昇スピードが少し早いところは気掛かりだが、ドルの続伸に要注意だろう。
本日は米経済指標として、11月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。昨日発表された米消費者物価指数は事前予想通りの内容で結果ノーインパクトだったが、本日は果たしてどうなるか。また、ECBによる政策金利発表にも要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.70-153.00円。ドル高・円安方向は、昨日高値152.85円が最初の抵抗。超えるといよいよ153円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、200日線も近い本日東京安値151.95円レベルをめぐる攻防にまず注目。底堅いイメージだが、ポジションの偏りを勘案すると意外なレベルまで下押しの入る可能性もないではない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.12
東京市場のドルは152円台半ばまで値を戻す、日銀利上げ観測後退で円安推移か(24/12/12)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本銀行による12月の金融政策決定会合での利上げ観測が後退したことからドルは152円台半ばまで値を戻した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.12
ドル円152円台前半、151円台は買い支えられ底堅い動き (12/12午前)
12日午前の東京市場でドル円は下落後に小幅反発。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.12
ドル円見通し 日銀会合への思惑で夕刻に乱高下、米COI発表後の下落も買われる(24/12/12)
ドル円は、12日早朝には152.71円へ戻し、12日午前序盤は152.50円を挟んだ揉み合いで推移しつつ、昨夕からの一段高状態を維持している。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。