ユーロドル:1月5日のファンダメンタル分析
年明けは中国の12月財新製造業PMIが上振れたことを好感し、上海総合指数が上昇、そして、12月の米ISM製造業景気指数が強い内容であったことからNYダウが119ドル高でスタート、また、米国10年債利回りが下げ止まりの様相なのでドル買いで始まりました。
その中で今週から来週にかけ、米経済指標に注目です。
昨年11月以降は良好な経済指標が相次いでいますが、先週は12月シカゴPMIが悪化に転じる等、年末商戦のピークアウト、金利急上昇やドル高、ガソリン反発といった複合の悪影響が懸念され始めています。
もっとも12月のISM製造業景況指数では「雇用」が53.1となり、前月の52.3から改善、2015年6月以来の高水準を回復しています。
新政権での政策期待や原油反発による資源エネルギー業界のリストラ一服で、米経済指標は今後も底堅さを示しそうです。賃金に関しても、専門職の人手不足や新政権による賃上げ要請圧力などもあり、緩やかな改善を示す余地があると判断します。
先行きの米のインフレ圧力にも注目です。
WTI原油先物でみた場合、昨年2月の1バレル=26ドルで底入れ反転したものの、昨年1月から4月にかけては26ドルから46ドルでの安値レンジでの低迷が続いていました。
今年は、1月3日から55ドルと1年半ぶりの高値を更新。これから今年4月にかけては50ドル〜55ドルのレンジで横這いしたとしても、「前年同月比」で見た場合には物価上昇圧力となります。
結果、米物価指標も同じ理屈で「前年同月比」で上振れが想定され、物価上昇からのドル買いとなり、インフレを加速するドル安政策をトランプ次期米大統領はとりにくいのではと見ます。
ユーロドルはこれからも暫くはドルの方向性に依存した展開と想定され、であればこれらのドル高を背景に低下傾向をたどり、下値目途は1.00を意識した展開を想定します。
ユーロドル:1月5日のテクニカル分析
ポイント:昨日の上昇で1.0499まで上昇し、その後も節目の1.0450水準を上回っている為、まだ高値更新への上昇余地ありと見ます。但し1.0450割れの場合にはトップアウトを注意し、1.040割れからは、新たな安値更新への下押しと、1.030を試す流れでしょう。
ユーロドルは材料のない中、相場はユーロ主導の展開ではなく、ドルの動向に振り回されている状況で、引き続きレンジでのもみ合いを想定します。ユーロドルは年末にかけて一時1.0653まで上昇しましたが、あくまでもドルの調整売りに過ぎず、その後のドル売りに押される格好で1.0339まで下落基調を強めています。引き続き戻り売り優先の展開に変化なしです。
テクニカルは、日足の一目均衡表・基準線と転換線を下回り、三役逆転の状態が継続、短期、中期、長期の移動平均線も低下傾向にあることで、パリティー(1ユーロ=1ドル)に向けた下落トレンド継続と想定します。
12月20日の安値1.0352と1月3日の安値1.0339でダブルボトムを形成する可能性はあるものの、売りスタンスで臨み、新安値を更新した場合はブレイクアウトの売りと判断します。
2003年1月安値の1.0330が支持線となっていますが、日足終値がここを割り込めば弱気シグナルです。
中期トレンドは下向きで変わらないのですが、短期的には足元で自律反発の様相です。
12月FOMC議事要旨がかなりタカ派的だったにもかかわらず、ドルは守りを強いられています。
抵抗線は12月30日の1.0653から1月3日の1.0339への下落の61.8%戻しに当たる1.0562。
オーダー/ポジション状況
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