トルコリラ円週報:『約3カ月ぶり高値を更新するなど堅調推移が継続中』(10/26朝)

トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週半ばにかけて、約3カ月ぶり高値となる4.47円(8/2以来の高値圏)まで上昇しました。

トルコリラ円週報:『約3カ月ぶり高値を更新するなど堅調推移が継続中』(10/26朝)

『約3カ月ぶり高値を更新するなど堅調推移が継続中』

〇今週のトルコ円、ドル円急伸に週央にかけ高値4.47まで上昇
〇買い一巡後はドル円反落、アンカラでの航空宇宙産業本社での爆発等に4.43前後に反落
〇トルコ円、主要テクニカルポイント上抜け、短時間足での買いシグナルも成立、地合いは「強い」
〇引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.25ー4.55

今週のレビュー(10/21−10/25)

今週のトルコリラ円相場は、週初4.37円で寄り付いた後、早々に週間安値4.33円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)円キャリートレードの再開期待(ドル円急伸→トルコリラ円連れ高)や、(2)テクニカル的な地合いの好転(4時間足ベースで強い買いシグナルが点灯)、(3)直近高値突破に伴う仕掛け的なトルコリラ買い・円売り、(4)トルコ10月消費者信頼感指数(結果80.6、前回78.2)の良好な結果が支援材料となり、週央にかけて、週間高値4.47円(8/2以来の高値圏)まで上昇しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(5)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(6)加藤財務相による「投機的な動向も含め為替市場の動向を緊張感をさらに高めて注視する」との円安牽制発言(政府・日銀による為替介入警戒感)、(7)本邦衆議院議員総選挙を控えたポジション調整、(8)首都アンカラ近郊のトルコ航空宇宙産業本社で大規模な爆発が起きたとのヘッドライン(トルコ内務省はXに「テロ攻撃で死傷者が出た」と投稿)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間10/26午前1時20分現在)では、4.43円前後まで反落する動きとなっております。

来週の見通し(10/28−11/1)

トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週半ばにかけて、約3カ月ぶり高値となる4.47円(8/2以来の高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表基準線、転換線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けしたことや、4時間足ベースで強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「強い」と判断できます(目先は日足ベースの90日線や一目均衡表雲上限を試すシナリオを想定)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)外国人投資家によるトルコアセットへの資金流入期待(トルコ政府・トルコ中銀による経済・金融政策正常化を市場が好感)や、(2)トルコ経済の復調期待、(3)トルコ中銀による年内利下げ観測後退(先日発表されたトルコCPIが市場予想を上回った他、トルコ中銀カラハン総裁からも「利下げの主な条件である月次インフレ率の恒常的かつ大幅な低下と予想物価上昇率の中銀予想レンジへの収れんが満たされるまでにある程度の距離が残っている」との発言あり。また、先週開催されたトルコ中銀会合では「インフレリスクに対して高度に注意を払い続けることを再確認」とのタカ派的な文言あり)、(4)日銀による過度な利上げ期待の後退とそれに伴う円キャリートレードの再開期待)、(5)上記3、4を背景としたトルコと日本の金融政策の方向性の違いなど、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

『約3カ月ぶり高値を更新するなど堅調推移が継続中』

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ中銀による四半期インフレ報告や、トルコ10月製造業PMIが予定されているものの、いずれも相場を動かすような大きな材料にはなりにくいと考えられるため、今週同様、ドル円相場の動向に振らされる神経質な値動きとなりそうです。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.25ー4.55

注:ポイント要約は編集部

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