トルコリラ円見通し ドル円の反落継続で4.42円割れへ失速、安値の落ち着き処を探る(24/10/25)

トルコリラ円の10月24日は概ね4.46円から4.42円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.43円で前日終値の4.45円から0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反落継続で4.42円割れへ失速、安値の落ち着き処を探る(24/10/25)

ドル円の反落継続で4.42円割れへ失速、安値の落ち着き処を探る

〇トルコ円、ドル円失速と共に本日未明安値4.42へ下落
〇対ドル、10/24は概ね34.29から34.04の取引レンジ
〇4日ぶりのドル安リラ高だったが、8月後半からの持ち合い範囲
〇トルコ外貨準備高増加傾向続く
〇4.45以下での推移中は一段安余地ありとして4.40前後への下落を想定
〇4.45超えからは上昇再開とみて4.46、4.47を順次試す上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の10月24日は概ね4.46円から4.42円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.43円で前日終値の4.45円から0.02円の円高リラ安だった。
ドル円が9月16日安値139.57円を起点とした上昇を継続して23日夜に153.18円へ上昇した流れを追いかけて、トルコリラ円も23日夜に4.47円へ上昇して9月16日の史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.05円や4.10円など)以降の高値を更新したが、ドル円が153円台到達後に下落へ転じて25日未明に151.53円へ失速したため、トルコリラ円も25日未明安値4.42円へ下落した。

ドル円は10月23日高値153.18円への上昇で9月16日安値139.57円からの戻り幅を13.61円とし、7月3日高値161.94円からの下落幅22.37円に対する半値戻し150.76円を超えて3分の2戻し154.48円に迫る勢いだったが、7月31日(高値153.87円)の日銀追加利上げをきっかけとした下落幅をほぼ解消したことで上昇一服感が出ている。
G20財務相・中銀総裁会合での会見で植田日銀総裁は利上げ判断には時間的余裕があるとし、米国経済の先行きや金融市場の動向はまだ不安定だとの認識を示した。8月5日への世界連鎖株安時に内田副総裁らが金融市場が不安定な時の利上げはないとし、石破ショック後の石破首相・植田総裁会談で利上げへの否定姿勢を示したことを踏まえれば、10月30-31日の日銀金融政策決定会合は現状維持とされ、利上げを急ぐ姿勢を示さないと思われる。
当面は日銀が利上げを急がず米FRBが利下げペースを緩めることによるドル円の中期的な上昇トレンドは継続すると思われ、トルコリラ円もドル円の調整安を見極めながら上昇再開のきっかけを探るところと考える。

【ドル/トルコリラは4日ぶりのドル安リラ高だったが、8月後半からの持ち合い範囲】

ドル/トルコリラの10月24日は概ね34.29リラから34.04リラの取引レンジ、25日早朝の終値は34.22リラで前日終値の34.25リラから0.03リラのドル安リラ高だった。
10月21日から23日にかけて3営業日連続のドル高リラ安だったものの、24日はドル高が緩んだことやトルコの週次外貨準備高の増加等でリラ買いがやや優勢となり4日ぶりのドル安リラ高となった。
8月28日に取引時間中の史上最安値を34.41リラへ更新してから9月16日高値33.58リラへ戻した後は、この高安レンジ内の持ち合いを続けており、23日終値34.25リラで終値ベースの史上最安値である10月14日終値34.26リラへ迫った後も安値圏にとどまっている。

【トルコ外貨準備高増加傾向続く】

24日夜にトルコ中銀が発表した週次の外貨準備高は10月18日時点のグロスで937.9億ドルとなり10月11日時点の936.4億ドルから微増だったが、ネットでは606.6億ドルとなり10月11日時点の583.1億ドルから大幅に増加した。
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したものの再び増加に転じている。
ネットでは8月2日時点で514.5億ドルとして2023年6月のマイナス57億ドル以降の最高とし、その後も増加傾向を続けて10月18日時点で600億ドルを超えて公式発表のある2002年以降で最大とした。
トルコ中銀の金融政策正常化継続とインフレ抑制のための適切な金融引き締め姿勢の維持、外貨準備高増強が海外からの信用度向上のために重要だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月21日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして23日未明から25日早朝にかけての間への上昇を想定してきたが、23日夜へ続伸しから反落したために24日午前時点では23日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして24日午前から28日午前にかけての間への下落を想定した。
25日午前へ続落しているため引き続きボトム形成中とみるが、前回ボトムから4目に入るため、4.45円超えからは強気サイクル入りとして28日夜から30日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では23日夜高値からの下落が続いて遅行スパンが悪化し、先行スパンからも転落した。遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は23日夕の80ポイント台から25日早朝への下落で30ポイント台へ低下した。その後も50ポイント以下にとどまっているのでまだ低下余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がるかフラットとなる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、55ポイント超えからは上昇再開とみて60ポイント台後半への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.40円を下値支持線、4.45円を上値抵抗線とする。
(2)4.45円以下での推移中は一段安余地ありとして4.40円前後への下落を想定する。4.40円前後では買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.39円前後へ下値目途を引き下げ、4.43円以下での推移か直前安値から0.03円を超える反騰がみられないうちは週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.45円手前は売られやすいとみるが、4.45円超えからは上昇再開とみて4.46円、4.47円を順次試して行く上昇を想定し、4.44円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月25日
 16:00 10月 製造業信頼感指数 (9月 98.8)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 74.9)
10月30日
 16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95)
10月31日
 16:00 9月 貿易収支確報 (8月 -50億ドル、予想 -37億ドル)
 16:00 7-9月 海外観光客収入 (4‐6月 148.8億ドル)
 16:30 トルコ中銀 四半期インフレ報告 年末インフレ率 (前期 38.0%)
 17:00 9月 海外観光客数 前年同月比 (8月 2.47%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月25日時点 (10月18日時点 937.9億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月25日時点 (10月18日時点 606.6億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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