トルコリラ円見通し ドル円の急伸で9月16日以降の高値を更新(24/10/24)

トルコリラ円の10月23日は概ね4.47円から4.40円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.45円で前日終値の4.41円から0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の急伸で9月16日以降の高値を更新(24/10/24)

ドル円の急伸で9月16日以降の高値を更新

〇トルコリラ円、ドル円の上昇を追いかけ10/23夜に4.47つけ、9/16以降の高値更新
〇ドル円と共に目先の調整を消化しながら騰勢を継続し、4.50超え目指すか
〇対ドル、10/23は概ね34.30から33.98の取引レンジ、3営業日連続のドル高リラ安
〇トルコ10月消費者信頼感指数は80.6、9月の78.2を上回り3か月連続で改善
〇インフレ鎮静化の傾向がみられることと、来年早々の利下げ開始への期待感から持ち直している印象
〇4.45から4.47手前は戻り売り有利、4.43割れからは4.42、4.41順次試す下落想定
〇4.47超えからは新たな上昇期入り、4.48、4.49を順次試し4.50目指す上昇想定

【概況】

トルコリラ円の10月23日は概ね4.47円から4.40円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.45円で前日終値の4.41円から0.04円の円安リラ高だった。
米10年債利回りの連騰によりドル円が23日夜に153.18円へ上昇して9月16日安値139.57円以降の高値を更新したため、トルコリラ円はドル円の上昇を追いかけて23日夜に4.47円を付けて9月16日に付けた史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.05円や4.10円など)以降の高値を更新した。
ドル円が153円台到達後に反落したためにトルコリラ円も24日午前序盤に4.36円台へ下落しているが、ドル円と共に目先の調整を消化しながら騰勢を継続するのではないかと思われる。

ドル円は7月3日高値161.94円から9月16日安値139.57円までの下げ幅22.37円に対する半値戻しラインの150.76円を超えており、7月31日の日銀追加利上げをきっかけとして急落する前日の7月30日高値155.21円へ迫っている。日銀の年内利上げ見送り感、米国の利下げペースが緩むとの見通しで米長期債利回りが上昇していること、欧州の景況感悪化によりユーロやポンドが9月後半から下落に転じていることでのドル高感がドル円を押し上げており、この流れはまだ続くのではないかと思われる。
トルコリラ円は、ドル/トルコリラが8月28日の史上最安値と9月16日の戻り高値までのレンジ内で持ち合い中のため、ドル円の騰落を追いかけやすい状況であり、ドル円と共に連騰後の反落を買い拾われながら4.50円超えを目指すのではないかと考える。

【ドル/トルコリラは3営業日連続でドル高リラ安】

ドル/トルコリラの10月23日は概ね34.30リラから33.98リラの取引レンジ、24日早朝の終値は34.25リラで前日終値の34.24リラから0.01リラのドル高リラ安だった。
トルコの首都アンカラ近郊で軍需企業「トルコ航空宇宙産業(TUSAS)」本社がテロ襲撃を受けて5人が死亡、22人が負傷した事件に対する大きな市場反応は見られなかったが、犯行声明が出ていないため連続的なテロ事件に発展する場合にはリラへの圧迫要因になりかねないと注意したい。
23日夕刻発表の10月消費者信頼感指数が3か月連続で改善したところでは一時リラ買いがみられたものの長続きしなかった。
8月28日に取引時間中の史上最安値を34.41リラへ更新してから9月16日高値33.58リラへ戻した後は、この高安レンジ内の持ち合いを続けているものの、21日から23日にかけて3営業日連続のドル高リラ安となり、23日終値34.25リラで終値ベースの史上最安値である10月14日終値34.26リラへ迫っている。

【トルコ消費者信頼感指数は3か月連続で改善】

23日夕に発表されたトルコ10月消費者信頼感指数は80.6となり9月の78.2を上回って3か月連続で改善した。
高インフレと高金利や増税により今年5月の80.5から7月の75.9へ悪化したが、高金利状態が続いているもののインフレ鎮静化の傾向がみられることと、来年早々の利下げ開始への期待感から持ち直している印象だ。
家計の現況は9月の64.8から10月の64.7へわずかに悪化して水準も低いままだが、12か月後の見通しは9月の48.0から48.8へ改善し、景気全般についての現況は9月の77.4から82.1へ改善し、12か月後の見通しも9月の74.5から75.3へ改善した。向こう12カ月の耐久財購買意欲についても9月の96.2から100.1へ改善した。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月21日午前へ続落してからの反騰で強気転換目安とした4.39円及び18日早朝高値4.40円を超えたため、22日午前時点では21日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして23日未明から25日早朝にかけての間への上昇を想定した。
23日夜へ続伸してから反落したため、23日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして24日午前から28日午前にかけての間への下落を想定するが、23日夜高値超えからは新たな強気サイクル入りとして28日夜から30日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では22日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているが、23日夜高値から反落したため目先は安値試し優先とし、遅行スパンが悪化するところからは先行スパンの上下限を試す下落を想定する。ただし、先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とする。

60分足の相対力指数は23日夕から夜への高値更新に際して指数のピークが毛抜き型のダブルトップに終わってから50ポイント近辺へ低下しているので、65ポイント以下での推移中は一段安余地ありとして45ポイント割れからは30ポイント台への低下を想定するが、65ポイント超えからは反騰開始とみて70ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.43円を下値支持線、23日夜高値4.47円を上値抵抗線とする。
(2)4.45円から4.47円手前は戻り売り有利とし、4.43円割れからは4.42円、4.41円を順次試す下落を想定する。4.42円以下は反騰注意とするが、4.44円を下回っての推移か直前安値から0.03円を超える反騰がみられないうちは25日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.47円超えからは新たな上昇期入りとして4.48円、4.49円を順次試して4.50円を目指して行く上昇を想定する。

【当面の主な予定】

10月24日
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月18日時点 (10月11日時点 936.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月18日時点 (10月11日時点 583.1億ドル)
10月25日
 16:00 10月 製造業信頼感指数 (9月 98.8)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 74.9)
10月30日
 16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95)
10月31日
 16:30 トルコ中銀 四半期インフレ報告 年末インフレ率 (前期 38.0%)



注:ポイント要約は編集部

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