ドル円の急伸で9月16日以降の高値を更新して4.50円へ迫る
〇昨日のトルコ円、ドル円追いかけ4.49へ上昇後4.44まで下げるも、本日早朝に4.46まで戻す
〇ドル円と共に9/16以降の上昇トレンド継続し、短期的な調整を消化しながら4.50超えを目指すか
〇今週の米重要指標、FOMCでの政策金利を受けたドル円の動向に要注目
〇対ドル、10/28は概ね34.33から34.02の取引レンジ
〇4.49超えからは4.50、4.51を順次試す上昇を想定
〇4.45割れを弱気転換注意とし、4.44割れからは4.42前後への下落を想定
【概況】
トルコリラ円の10月28日は概ね4.49円から4.44円の取引レンジ、29日早朝の終値は4.46円で先週末終値4.44円から0.02円の円安リラ高だった。
26日の衆院選で連立与党が大敗したことによる政局不安と日銀の追加利上げが先送りされるとの思惑からドル円は28日朝の急伸で153円を超え、午前に153.87円へ上昇して23日夜高値153.18円を上抜いて9月16日安値139.57円以降の最高値を更新した。当初のドル買い円売り一巡と米長期債利回りが一時低下したことで28日夜安値152.40円までいったん下げたが、28日深夜にかけて米長期債利回りが上昇を再開したことで153円台前半へ戻した。
トルコリラ円はドル円の急伸により28日午前に4.49円へ上昇し、9月16日の史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.05円や4.10円など)以降の最高値を更新し、ドル円の反落時に4.44円までいったん下げたものの29日早朝に4.46円まで戻している。
衆院選の結果を受け、28日の日経平均は当初下落したものの先週末比691.61円高と上昇しており、政局不安よりも日銀の追加利上げ先送り感を優先した印象だ。米長期債利回りも30年債利回りや2年債利回りが9月後半以降の最高を更新し、指標の10年債利回りも日足終値ベースでこの間の最高を更新して上昇基調を維持しているため、ドル円は株高円安の連動と米長期債利回りの上昇基調を背景として9月16日以降の上昇トレンドを継続しやすい状況にあると思われる。
ドル/トルコリラが8月後半から持ち合い相場に入っているため、トルコリラ円はドル円の騰落を追いかけやすい状況にあるため、ドル円と共に9月16日以降の上昇トレンドを継続し、短期的な調整を消化しながら4.50円超えを目指して行くのではないかと思われる。
今夜は9月米 JOLTS(雇用動態調査)求人件数、 コンファレンス・ボード10月消費者信頼感指数の発表があるが、30日の米7‐9月期GDP速報、31日の日銀金融政策決定会合、9月米PCEデフレーター、11月1日の米10月雇用統計と重要イベントが続き、来週も11月5日の米大統領選挙、11月6-7日のFOMCが控えている。それら内容次第では波乱に注意がいるが、米経済指標が比較的堅調な内容ならFRBは緩やかな利下げペースとし、11月ないし12月会合での利下げ見送りの可能性も浮上するためドル円及びクロス円全般の上昇が勢いを増すきっかけとなるかもしれない。
【ドル/トルコリラは終値の史上最安値近辺】
ドル/トルコリラの10月28日は概ね34.33リラから34.02リラの取引レンジ、29日早朝の終値は34.28リラで先週末終値と同値とした。
8月28日の取引時間中史上最安値34.41リラから9月16日高値33.58リラへ戻した後は、この高安レンジ内の持ち合いを続けているが、10月25日終値34.28リラで終値ベースの史上最安値を更新し28日も同値水準にとどまっており、持ち合い放れから取引時間中の最安値更新を試す可能性が警戒される水準に来ている。
イスラエルがイランへの報復攻撃で石油関連施設を外して軍事施設関連への攻撃に限定し、イランが被害は軽微だったとしたことで両国の全面戦争化は回避されているとの見方から原油相場が急落したが、トルコにとっても近隣における地政学的リスクの悪化が避けられるとしてリラには若干のプラス要因と思われるが、積極的にリラ買いへ進む手がかりに欠けており、年末にかけて1ドル36リラ台へ下落するとの見方は変わらないようだ。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、23日夜高値をサイクルトップとして24日午前から28日午前にかけての間への下落を想定していたが、25日午前時点では4.45円超えから強気サイクル入りとし、28日朝に4.47円へ急伸したために25日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして28日夜から30日夜にかけての間への上昇を想定した。
28日夜へいったん下げてから持ち直したためまだ一段高余地ありとするが、28日夜安値割れからは弱気サイクル入りとして30日午後から11月1日午後にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では28日午前の急伸で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、28日夜の反落時も先行スパンを上回る状況を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は28日午前の急伸時に70ポイントを超えてから夜の反落時に40ポイント台へ低下したものの、その後は50ポイント台を維持しているので、次の60ポイント超えからは70ポイント前後への上昇を想定するが、45ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.45円を下値支持線、4.49円を上値抵抗線とする。
(2)4.45円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.49円超えからは4.50円、4.51円を順次試す上昇を想定する。4.50円以上は反落警戒とするが、4.46円を上回っての推移なら30日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.45円割れを弱気転換注意とし、4.44円割れからは4.42円前後への下落を想定する。4.42円前後は反騰注意とするが、4.45円を下回っての推移なら30日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
10月30日
16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95)
10月31日
16:00 9月 貿易収支確報 (8月 -49.9億ドル、予想 -37億ドル)
16:00 7-9月 海外観光客収入 (4‐6月 148.8億ドル)
16:30 トルコ中銀 四半期インフレ報告 年末インフレ率 (前期 38.0%)
17:00 9月 海外観光客数 前年同月比 (8月 2.47%)
20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月25日時点 (10月18日時点 937.9億ドル)
20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月25日時点 (10月18日時点 606.6億ドル)
11月1日
16:00 10月 イスタンブール製造業PMI (9月 44.3)
11月2日
17:00 10月 貿易省・貿易収支速報 (9月 -51.2億ドル)
11月4日
16:00 10月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (9月 2.97%)
16:00 10月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (9月 49.38%)
16:00 10月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (9月 3.6%)
16:00 10月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (9月 49.1%)
16:00 10月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (9月 1.37%)
16:00 10月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (9月 33.09%)
注:ポイント要約は編集部
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