トルコリラ円週報:『約2ヵ月ぶり高値圏へ続伸。上昇トレンドの本格再開に期待』(10/19朝)

トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週後半にかけて、約2カ月ぶり高値となる4.41円(8/16以来の高値圏)まで上昇しました。

トルコリラ円週報:『約2ヵ月ぶり高値圏へ続伸。上昇トレンドの本格再開に期待』(10/19朝)

『約2ヵ月ぶり高値圏へ続伸。上昇トレンドの本格再開に期待』

〇今週のトルコ円、ドル円上昇、トルコ中銀の金利据え置き等に週後半に4.41まで上昇、4.36前後で越週
〇テクニカルには、地合いの好転を強く印象づけるチャート形状
〇ファンダメンタルズもトルコへの資金流入期待、ドル円先高観、中国の景気回復期待等がサポート
〇トルコ中銀、インフレリスクに高度の注意払い続けるスタンス示し、年内利下げ観測後退
〇引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.25ー4.55

今週のレビュー(10/14−10/18)

今週のトルコリラ円相場は、週初4.34円で寄り付いた後、翌10/15にかけて、週間安値4.32円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)中国経済の回復期待(中国政府・当局は国慶節前に金融緩和政策を発表した他、国慶節後には藍仏安財政相より「国債発行を大幅に増やす」との発言あり)や、(2)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)日銀による過度な利上げ期待の後退とそれに伴う円キャリートレードの再開期待(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)、

(4)トルコ9月住宅販売(結果+37.3%、前回+9.9%)の良好な結果、(5)トルコ中銀会合のタカ派的な内容(トルコ中銀は政策金利を現行の50.0%に据え置くことを決定すると共に、声明文で「月次インフレ基調に顕著かつ持続的な低下が確認され、インフレ期待が予想された範囲内に収束するまで金融引き締めスタンスを維持する」との文言あり)が支えとなり、週後半にかけて、週間高値4.41円(8/16以来の高値圏)まで上昇しました。週末にかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/19午前6時00分現在)では、4.36円前後で推移しております。

来週の見通し(10/21−10/25)

トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週後半にかけて、約2カ月ぶり高値となる4.41円(8/16以来の高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表基準線、転換線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けしていることや、下降トレンドのレジスタンスライン突破も成功するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象づけるチャート形状となりつつあります(9/2に記録した高値4.35円を突破したことで、ダウ理論の下落トレンドが明確に崩壊→市場センチメント改善)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)外国人投資家によるトルコアセットへの資金流入期待(外国人投資家がトルコ政府・中銀による金融・財政両面の正常化政策を好感→大手格付け会社が格上げに踏み切る中、PIMCOなどの大手資産運用会社がトルコアセットへの積極投資を再開)や、(2)日銀による過度な利上げ期待の後退(円キャリートレード再開期待→ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)、(3)経済的な結びつきの強い中国の景気回復期待(金融緩和+財政出動の組み合わせ)、

(4)トルコ中銀による年内利下げ観測の後退(先日発表されたトルコCPIが市場予想を上回ったことで、トルコ中銀カラハン総裁は「トルコのインフレ上昇リスクは明らか」「利下げの主な条件である月次インフレ率の恒常的かつ大幅な低下と、予想物価上昇率の中銀予想レンジへの収れんが満たされるまでにある程度の距離が残っている」と発言→今週のトルコ中銀会合でも「インフレリスクに対して高度に注意を払い続けることを再確認」との文言あり→年内利下げ見送り観測再浮上)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週はトルコ10月消費者信頼感指数や、トルコ10月設備稼働率が予定されております。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.25ー4.55

注:ポイント要約は編集部

『約2ヵ月ぶり高値圏へ続伸。上昇トレンドの本格再開に期待』

トルコリラ円日足

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