トルコリラ円見通し ドル円の150円突破でトルコリラ円は4.40円台に到達(24/10/18)

トルコリラ円の10月17日は概ね4.40円から4.35円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.40円で前日終値の4.38円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の150円突破でトルコリラ円は4.40円台に到達(24/10/18)

ドル円の150円突破でトルコリラ円は4.40円台に到達

〇昨日のトルコ円、ドル円上昇と共に4.40へ高値切り上げる
〇対ドル、10/17は概ね34.23から33.95の取引レンジ、3営業日連続でリラ高
〇トルコ中銀、予想通りに政策金利を50.0%で据え置き
〇トルコ外貨準備高増加傾向続く
〇4.41超えからは4.42、4.43を順次試す上昇を想定
〇4.37割れを弱気転換注意とし、4.36割れからは4.35、4.34を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の10月17日は概ね4.40円から4.35円の取引レンジ、18日早朝の終値は4.40円で前日終値の4.38円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル円が9月16日安値139.57円を起点とした上昇を継続し、9月27日の石破ショック安を超えて15日早朝に149.97円まで高値を伸ばしたため、トルコリラ円も9月16日安値4.11円を起点とした上昇を継続して16日には4.39円まで高値を切り上げた。
17日は米国の小売売上高が予想を上回り新規失業保険申請件数が予想外に改善したことで米長期債利回りが上昇したため、ドル円は150円台へ乗せて9月16日以降の高値を更新し、トルコリラ円も4.40円へ高値を切り上げた。

NYダウが17日も史上最高値を更新しており、株高によるリスク選好感が米長期債利回りの上昇とともにドル円を押し上げているが、150円手前の壁を超えたことで円安基調がさらに続く可能性も高まったと思われ、トルコリラ円もドル/トルコリラでのリラ安が緩む中でドル円の上昇を追いかける展開を続けやすい状況とし、当面は8月15日安値4.44円を試す流れと考える。

【ドル/トルコリラは3営業日連続でリラ高】

ドル/トルコリラの10月17日は概ね34.23リラから33.95リラの取引レンジ、18日早朝の終値は34.12リラで前日終値の34.16リラから0.04リラのドル安リラ高だった。
16日の英インフレ率鈍化によるポンドドルの急落や、17日夜のECB利下げでユーロドルが下落し、ドル円が150円超えへ一段高するなどドル高圧力が高まったものの、トルコリラは10月11日に終値ベースの史上最安値を更新した後のリラ買い戻しの流れを続け、17日夜のトルコ中銀政策金利据え置きや週次の外貨準備高増加により3営業日連続でドル安リラ高となった。しかし33リラ台へ上昇したところは繰り返し売られており、最安値近辺での推移は変わらない印象だ。
※ベンダーによっては8月28日安値を34.41リラとし、10月15日安値34.54リラで取引時間中の史上安値を更新しているとするものもある。

【トルコ中銀、予想通りに政策金利を据え置き】

トルコ中銀は17日の金融政策委員会で政策金利の週間レポレートを50.0%で据え置いた。今年3月に50.0%へ利上げした後は4月以降7会合連続での据え置きとなった。
中銀は声明で「第3四半期の経済活動についてのデータは内需が引き続き減速してディスインフレ水準に近づいていることを示唆している」としたが、「9月はインフレの基調的なトレンドがわずかに上向いた」、「インフレの改善ペースに関する不確実性が高まっている」とし、年内の利下げ判断についての慎重な姿勢を覗かせた。
8月時点では年内の利下げ期待が高まっていたが、9月CPI前月比が2.97%となり8月の2.47%から鈍化したものの、コアCPIの前月比が3.6%となり8月の3.0%から上昇したことでインフレ鈍化傾向が鈍っていると受け止められており、利下げ開始は2025年第1四半期にずれ込むとの見方が優勢となってきている。

【外貨準備高増加傾向続く】

10月17日夜に発表された週次の外貨準備高は10月11日時点のグロスで936.4億ドルとなり10月4日時点の927.6億ドルから増加し、ネットでは583.1億ドルとなり10月4日時点の560.9億ドルから増加した。
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したものの再び増加に転じ、7月後半に947億ドルまで回復した後も高水準を維持している。
ネットでは2023年6月のマイナス57億ドルから増加に転じてきたが、9月20日時点で517.8億ドルとなりこの間の最大を更新し、その後も増加傾向を継続している。
トルコ中銀の金融政策正常化継続とインフレ抑制のための適切な金融引き締め姿勢の維持、外貨準備高増強が海外からの信用度向上のために重要だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月15日早朝高値をサイクルトップとして高値更新からは新たな強気サイクル入りとしていたが、17日早朝に15日早朝高値を上抜いたために17日午前時点では15日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして18日早朝から22日早朝にかけての間への上昇を想定した。
18日早朝へ続伸しているのでまだ上昇余地ありとするが、前回サイクルトップから3日を経過したので4.37円割れを弱気転換注意とし、4.36円割れからは弱気サイクル入りとして18日夕から22日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では17日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は15日夕に30ポイントまで低下してから反騰入りして18日早朝には70ポイントに迫り、その後も50ポイント以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとするが、相場が小反落後の一段高する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、45ポイント割れからは下落継続とみて30ポイント台前半への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.37円を下値支持線、4.41円を上値抵抗線とする。
(2)4.37円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.41円超えからは4.42円、4.43円を順次試して行く上昇を想定する。4.42円以上は反落注意とするが、4.37円を上回って週を終える場合は週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.37円割れを弱気転換注意とし、4.36円割れからは4.35円、4.34円を順次試して行く下落を想定する。4.34円以下は反騰注意とするが、4.36円以下で週を終える場合はの推移が続く場合は週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月21日
 23:00 9月 トルコ中央政府債務 (8月 8兆3390億リラ)
10月23日
 16:00 10月 消費者信頼感指数 (9月 78.2)
10月24日
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月18日時点 (10月11日時点 936.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月18日時点 (10月11日時点 583.1億ドル)
10月25日
 16:00 10月 製造業信頼感指数 (9月 98.8)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 74.9)


注:ポイント要約は編集部

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