ドル円の失速を見て4.38円へ上昇後に反落、足場固めの時間帯
〇トルコ円、ドル円の下落に合わせ4.34まで下げ、4.37まで戻すも伸びず10/16午前序盤は4.35近辺
〇9/16安値4.11から9/27石破ショックによる反落乗り越え、二段目の上昇期だが足踏み
〇対ドル、10/15は概ね34.30から33.93の取引レンジ、中勢の下落基調は継続
〇トルコ中銀調査、年末為替レート予想は1ドル36.6347リラ、若干リラ高へ修正
〇政策金利の週間レポレート、3か月後に46.26%、12か月後は31.64%へ低下と見込む
〇10/17トルコ中銀金融政策、政策金利は50.0%で据え置かれるとの予想で一致
〇4.34割れからは下落継続とし4.32前後への下落想定、4.32前後は買われやすい
〇4.38超えからは4.39、4.40順次試す上昇想定、4.39以上は反落注意
【概況】
トルコリラ円の10月15日は概ね4.37円から4.34円の取引レンジ、16日早朝の終値は4.36円で前日終値の4.37円から0.01円の円高リラ安だった。
ドル円が9月27日の石破ショックによる急落を解消して一段高に入った流れを追いかけて、トルコリラ円は9月30日午後安値4.14円から反騰入りしてきたが、ドル円が15日早朝に149.97円へ続伸してから失速したため、トルコリラ円も15日早朝高値4.38円から下落し、15日夕刻にドル円が149円を割り込んだところで4.34円まで下げ、ドル円が149円台前半中心の揉み合いで下げ渋ったために一時4.37円まで戻したものの、その後は伸びずに16日午前序盤は4.35円近辺に付けている。
ドル円は10月15日早朝に149.97円を付けて9月16日安値139.57円以降の高値を更新したが、150円乗せには手がかり不足として下落した。15日夕刻に148.84円まで下げた後は下げ渋りだが、米長期債利回りが15日に低下したこともあり、16日午前序盤に再び149円割れを試して持ち高調整的な動きを続けている。
米国の連続大幅利下げ見通しがほぼ解消して11月利下げ見送りの可能性も出始めていることにより米長期債利回りが大幅上昇してドル円を押し上げてきたが、連休明けの15日に米長期債利回りが低下したことでドル円の上昇にも一服感が出ている。
トルコリラ円も9月16日安値4.11円から9月27日の石破ショックによる反落を乗り越えて二段目の上昇期にあるが、4.40円台へ乗せるには力不足としてドル円の上昇一服を見ながら足踏みしている印象だ。
【ドル/トルコリラは11日安値から持ち直し気味の推移】
ドル/トルコリラの10月15日は概ね34.30リラから33.93リラの取引レンジ、16日早朝の終値は34.17リラで前日終値の34.26リラから0.09リラのドル安リラ高だった。
9月16日高値33.56リラからリラ安基調に入り、10月11日に34.35リラへ下落して8月28日に付けた取引時間中の史上最安値34.41リラ以来の安値とし、終値34.26リラで終値ベースの史上最安値としたが、15日は下落一服で買い戻し優勢となった。
3営業日続落していたイスタンブール100株価指数が15日に前日比1.85%高と上昇したことや、対ドルでユーロが一段安したもののポンドや円が反騰するなどまちまちの動きとなったことでトルコリラ等の新興国通貨への売り圧力がやや緩んだと思われる。しかし、15日はNYダウが大幅下落しており、イスタンブール100株価指数が反落するようだとリラ売り圧力も再開しやすくなる。
16日早朝には一時33.71リラへ反騰する場面も見られたものの早々に34.20リラ台へ反落しているため、リラ安に一服感があるものの中勢の下落基調は継続していると思われる。
【トルコ中銀調査、年末予想は1ドル36.6347リラ】
10月14日にトルコ中銀が公表した月次のビジネス・サーベイ(エコノミストや企業トップに対する市況予想調査集計)では、2024年末のCPI前年比が44.11%(前月は43.14%)、12か月後CPI前年比が27.44%(前月は27.49%)とされ、年末時点については若干上方修正されたものの順調にインフレ低下が進むとの予想が示された。
2024年のGDP予想は3.1%で前月の3.2%から下方修正されており、実体景気の低迷感はまだ続きそうだ。
2024年末の為替レート予想は1ドル36.6347リラとされて前月の37.1599リラから若干リラ高へ修正された。年初には1ドル40リラとされていたところからはかなりリラ高へ修正されてきているものの、現状の34リラ台からさらにリラ安が進むとのコンセンサスは変わらない。中長期的なスタンスなら1ドル36リラ台がリラの買い下がりポイントと考えることもできるだろう。
政策金利の週間レポレートについては現状の50.0%から3か月後に46.26%(前月は46.48%)、12か月後は31.64%(前月は31.66%)へ低下してゆくと見込まれている。
10月17日にトルコ中銀金融政策委員会があり、政策金利は50.0%で据え置かれるとの予想で一致している。市場は10-12月期に利下げ開始と期待しているところだが、遅すぎる利下げは景気悪化を長引かせかねないものの、早すぎる利下げはリラ安とインフレ再燃を招きかねないため、中銀は慎重な姿勢を続けている。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月10日夜に4.32ドルまで下落してから15日早朝へ一段高したため、15日午前時点では10日午後高値を直近のサイクルトップ、10日夜安値を同サイクルボトムとした強気サイクル入りとして15日の日中から17日午後にかけての間への上昇を想定し、4.34円割れからは弱気転換注意として10日夜安値4.32円試しとした。
15日夕に4.34円まで下げ、いったん戻してから失速しているため、15日早朝高値を上抜く場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて15日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は15日夕安値を含めて17日夜にかけての間とするが、15日夕安値を直近のサイクルボトムとしてボトム形成期が18日午後から22日夕にかけての間へ延びる可能性もあると注意する。
15日早朝高値超えからは強気サイクル入りとして18日早朝から22日早朝にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では15日夕刻への下落で遅行スパンが悪化したが先行スパンからの転落はぎりぎり回避している。先行スパンから転落して続落する場合は下落が長引く可能性ありとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返して続伸する場合は上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
60分足の相対力指数は15日未明に70ポイントへ到達してから15日夕に30ポイントまで低下し、その後に50ポイントを超えてから失速しているため、次に55ポイントを超えるところからは上昇再開とみて60ポイント台後半への上昇を想定し、次の40ポイント割れからは下落継続として20ポイント台への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.34円を下値支持線、4.38円を上値抵抗線とする。
(2)4.34円割れからは下落継続として4.32円前後への下落を想定する。4.32円前後は買われやすいとみるが、4.34円を割り込んだ後も4.35円を下回っての推移なら17日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.38円超えからは4.39円、4.40円を順次試す上昇を想定する。4.39円以上は反落注意とするが、4.36円を上回っての推移なら17日も高値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
10月17日
20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 50.0%)
20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月11日時点 (10月4日時点 927.6億ドル)
20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月11日時点 (10月4日時点 560.9億ドル)
10月21日
23:00 9月 トルコ中央政府債務 (8月 8兆3390億リラ)
10月23日
16:00 10月 消費者信頼感指数 (9月 78.2)
注:ポイント要約は編集部
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