トルコリラ円見通し 円安継続で9月16日以降の高値更新(24/10/15)

10月14日は概ね4.38円から4.33円の取引レンジ、15日早朝の終値は4.37円でせ先週末終値から0.03円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 円安継続で9月16日以降の高値更新(24/10/15)

円安継続で9月16日以降の高値更新

〇昨日のトルコ円、ドル円の上昇追いかけ4.38まで高値を伸ばし、9/16以降の高値更新
〇当面は、ドル円上昇継続と共に4.40台を目指す流れか
〇対ドル、10/14は概ね34.31から34.07の取引レンジ
〇トルコ経常収支改善だが、小売や自動車販売は低調
〇4.38超えからは4.39、4.40を順次試す上昇を想定
〇4.34割れからは4.32前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の10月11日は概ね4.35円から4.32円の取引レンジ、12日早朝の終値は4.34円で前日と変わらなかった。週間でも10月4日終値4.34円と同水準にとどまった。
10月14日は概ね4.38円から4.33円の取引レンジ、15日早朝の終値は4.37円でせ先週末終値から0.03円の円安リラ高だった。

ドル円が9月27日の石破ショックによる急落を解消して一段高に入り、10月4日の米雇用統計をきっかけとして急伸した流れを追いかけて、トルコリラ円は9月27日午後高値4.29円から30日午後安値4.14円への急落を解消して10月7日午前高値4.35円へ上昇し、ドル円の続伸により10月10日には4.36円まで高値を伸ばしてきた。
11日の米PPIやミシガン大消費者信頼感指数はドル円を一段高へ押し上げるきっかけにならなかったため、トルコリラ円は10日夜安値4.32円へ下げたところから持ち直したものの4.36円には届かなかった。しかし14日はドル円が150円に迫る上昇を見せたことで4.38円まで高値を伸ばして9月16日以降の高値を更新した。

ドル円は7月11日の政府・日銀による市場介入と米CPI鈍化、7月31日の日銀追加利上げ、8月2日から5日にかけて世界連鎖株安、日銀の追加利上げ姿勢と米国の大幅利下げ見通しで9月16日安値139.57円まで下落が続いてこの間の下げ幅は22.37円となったが、すでに3分の1戻し147.23円を超えて半値戻し150.76円に迫っている。9月16日からの上昇規模は昨年12月28日安値からの上昇時に近い動きであり、日銀の年内利上げ見通しの後退と米国の利下げペースが緩やかで景気の堅調さを維持するとの見方でNYダウやS&P500は11日と14日に2日連続で史上最高値を更新しており、ドル円は押し上げられやすい状況にある。
トルコリラ円も9月16日安値4.11円を起点として9月27日までを一段目とし、9月30日安値を起点とした二段目の上昇を発展させている最中であり、当面はドル円の上昇継続を追いかけて4.40円台を目指して行く流れと考える。

【ドル/トルコリラは8月28日の史上最安値へ迫る】

ドル/トルコリラの10月11日は概ね34.35リラから34.00リラの取引レンジ、12日早朝の終値は34.24リラで前日終値の34.15リラから0.09リラのドル高リラ安だった。週間では10月4日終値34.25リラから0.01リラのドル安リラ高、月間では10月11日時点で9月30日終値34.16リラから0.08リラのドル高リラ安だった。
10月14日は概ね34.31リラから34.07リラの取引レンジ、15日早朝の終値は34.26リラで前日終値から0.02リラのドル高リラ安だった。
8月28日に付けた取引時間中の史上最安値34.41リラからいったん戻したものの、9月16日高値33.56リラから徐々に日々の高安レンジを徐々に切り下げるリラ安基調に入り、10月4日に米雇用統計をきっかけとしたドル高により終値34.25リラで終値ベースの史上最安値を更新し、その後は終値ベースの最安値更新には至らずにいるものの、11日は34.35リラを付けて8月28日以来の安値とした。(ベンダーによっては8月28日の取引時間中史上最安値を34.4742リラ、10月11日安値を34.4724リラとしている。)

【トルコ経常収支改善だが、小売や自動車販売は低調】

トルコ中銀が11日に発表した8月の経常収支は43億2000万ドルの黒字となり、7月の7億7800万ドルから黒字幅が拡大した。夏期に最盛期となる海外観光客からの収入が寄与したことで3か月連続で黒字とした。昨年は8月と9月に、2021年は7月から10月まで経常黒字としたが、季節的な黒字にとどまらず構造的な赤字体質解消へ向かうのは難しいところだ。今後は観光シーズンが閑散期入りすること、欧州と中国の景気減速や中東紛争の影響で貿易収支の悪化が続くとこで再び赤字転換しかねないと思われる。
11日に発表されたトルコ8月小売売上高は前月比2.2%増と7月の0.9%増から改善し、前年比は13.3%増で7月の5.8%増から伸びたが、7月に2022年7月以来の低水準まで悪化したところからの持ち直しにとどまっている。
14日に発表された9月の自動車生産は前年比5.4%減(8月は26.7%減)、自動車販売は11.6%減(8月は0.8%増)と低調だった。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月7日朝高値から8日夕安値へ反落した後に一段高したため、10日午前時点では8日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、サイクルトップ形成期を10日朝から14日午前にかけての間としたが、10日午後へ続伸してから失速したために11日午前時点ではすでにサイクルトップを付けた可能性があるとした。
10日夜に4.32円まで下落してから15日早朝への上昇で一段高したため、10日午後高値を直近のサイクルトップ、10日夜安値を同サイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして15日の日中から17日午後にかけての間への上昇を想定する。ただし4.34円割れからは弱気転換注意として10日夜安値4.32円試しとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとする。

60分足の一目均衡表では15日早朝への上昇で遅行スパンが悪化して先行スパンも上抜いたが、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は15日未明に70ポイントへ到達してから50ポイント台へ低下したため、60ポイント超えからは上昇再開として70ポイン前後を試すとみるが、相場が高値を切り上げる際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落注意とし、45ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント台前半への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.34円を下値支持線、4.38円を上値抵抗線とする。
(2)4.34円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.38円超えからは4.39円、4.40円を順次試す上昇を想定する。4.39円以上は反落注意とするが、4.34円を上回っての推移なら16日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.34円割れからは4.32円前後への下落を想定する。4.32円前後は買われやすいとみるが、4.32円割れから続落の場合は9月30日以降の底上げ基調が崩れるために下落が長引く可能性があると注意する。

【当面の主な予定】

10月15日
 17:00 9月 財政収支 (8月 -1296億リラ)
10月17日
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月11日時点 (10月4日時点 927.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月11日時点 (10月4日時点 560.9億ドル)
10月21日
 23:00 9月 トルコ中央政府債務 (8月 8兆3390億リラ)
10月23日
 16:00 10月 消費者信頼感指数 (9月 78.2)


注:ポイント要約は編集部

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