トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服で4.40円到達後に反落、底上げ基調維持を試す(24/10/21)

トルコリラ円の10月18日は概ね4.40円から4.35円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.35円で前日終値の4.40円から0.05円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服で4.40円到達後に反落、底上げ基調維持を試す(24/10/21)

ドル円の上昇一服で4.40円到達後に反落、底上げ基調維持を試す

〇トルコ円、ドル円追いかけ10/18早朝に4.40をつけた後、10/19未明4.35まで安値切り下げる
〇4.40の節目到達で先高期待の反面、ジグザグ上昇後の修正安にも注意
〇対ドル、10/18は概ね34.31から33.89の取引レンジ、4営業日連続でリラ高
〇短期的にはややリラ買い戻し優勢だが、当面はリラ安進行が市場コンセンサス
〇4.35割れからは4.34、4.33を順次試して行く下落を想定
〇4.39超えからは上昇再開とみて4.40、4.41を順次試す上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の10月18日は概ね4.40円から4.35円の取引レンジ、19日早朝の終値は4.35円で前日終値の4.40円から0.05円の円高リラ安だった。週間では10月11日終値と変わらず、10月18日までの月間では9月末終値4.20円から0.15円の円安リラ高となっている。
ドル円が18日早朝に150.32円を付けて9月16日安値139.57円以降の最高値を更新したため、トルコリラ円も18日早朝に4.40円を付けて9月16日安値4.11円以降の最高値としたが、ドル円が150円台到達による高値警戒感や18日の三村財務官らによる円安けん制発言、一部メディアによる日銀の追加利上げ模索姿勢報道、18日夜の米住宅着工関連統計が冴えなかったことで反落したため、トルコリラ円も19日未明に4.35円まで安値を切り下げた。

【ジグザグ上昇後の修正安にも注意】

ドル円は7月3日高値161.94円から9月16日安値139.57円まで22.37円の下落幅としてから10月17日高値150.32円まで戻り幅を10.75円とし、徐々に底上げをしつつ高値も切り上げてきたため、底上げ基調を維持する内は7月3日以降の下げ幅に対する半値戻し150.76円や3分の2戻し154.48円等を目指すことも考えられる。しかし、今年7月からの下落規模に近い2022年10月21日高値151.94円から2023年1月16日安値127.22円へ下落(下げ幅24.72円)してから3月8日高値137.91円まで10.69円の上昇幅とした後に3月24日安値128.63円へ9.28円の下落に見舞われている。

トルコリラ円も9月16日の史上最安値4.11円(ベンダーによっては4.09円や4.05円等)から二段上げ型で戻してきたが、ドル円の150円到達と同様に4.40円の節目に到達したことでさらに先高期待が増長する可能性がある反面、いったん修正安期に入りやすい局面ともいえるため、底上げ基調が崩れる=10月15日安値4.34円を割り込む場合には4.30円台序盤(4.32円から4.30円)を試す下落期に入る可能性もあると注意したい。

【ドル/トルコリラは4営業日連続でリラ高、9月16日以来の終値33リラ台】

ドル/トルコリラの10月18日は概ね34.31リラから33.89リラの取引レンジ、19日早朝の終値は33.99リラで前日終値の34.12リラからは0.13リラのドル安リラ高だった。
10月11日には安値で34.35リラを付けて8月28日以来の安値とし、14日終値34.26リラで終値ベースの史上最安値としたが、トルコ中銀の年内利下げ期待が後退する中でリラ安にブレーキがかかり、15日から18日まで4営業日連続のドル安リラ高で推移し、18日終値は9月16日以来の33リラ台とした。
週間では10月11日終値34.24リラから0.25リラのドル安リラ高、10月18日時点までの月間では9月30日終値34.16リラから0.17リラのドル安リラ高となった。

短期的にはややリラの買い戻しが優勢で推移しているものの、8月28日の史上最安値と9月16日の戻り高値までのレンジ内での持ち合い相場であり、年末の予想水準は今年序盤の1ドル40リラから直近では1ドル36リラ台へ切り下がっているものの、当面はリラ安が進行するとの市場コンセンサスは変わりないと思われる。
直近のリラ高材料としては、@中銀の金融引き締め継続と年内利下げ開始見通しの後退、A外貨準備高増加基調、B海外観光客収入増による3か月連続の経常黒字等が挙げられるが、C高インフレ・高金利状態の継続と増税や緊縮財政の悪影響による景気低迷、D中東情勢混迷による地政学的リスクの拡大、Eイスタンブール100株価指数の下落基調継続の圧迫要因も払拭されていない印象だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月15日早朝高値をサイクルトップとして高値更新からは新たな強気サイクル入りとし、17日早朝に15日早朝高値を上抜いたために17日午前時点では15日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして18日早朝から22日早朝にかけての間への上昇を想定した。
18日午前時点では前回サイクルトップから3日を経過したので4.36円割れから弱気サイクル入りとしたが、19日未明への下落で4.35円へ下落したため、18日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。
ボトム形成期は19日未明から22日夕にかけての間とし、4.39円を超えないうちは一段安余地ありとするが、4.39円超えからは新たな強気サイクル入りとして23日未明から25日早朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では19日未明への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したため、遅行スパン悪化中は安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は19日未明30ポイントまで低下し、その後も50ポイント以下での推移にとどまっているのでまだ一段安余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行がみられる場合は反騰注意とし、50ポイント超えからは60ポイント台への上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.35円を下値支持線、4.39円を上値抵抗線とする。
(2)4.35円割れからは4.34円、4.33円を順次試して行く下落を想定する。4.33円以下は反騰注意とするが、4.37円以下での推移に留まるうちは22日も安値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)4.39円超えからは上昇再開とみて4.40円、4.41円を順次試す上昇を想定する。4.41円以上は反落注意とするが、4.39円を超えた後も4.38円以上での推移なら22日も高値試しへ進みやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月21日
 23:00 9月 トルコ中央政府債務 (8月 8兆3390億リラ)
10月23日
 16:00 10月 消費者信頼感指数 (9月 78.2)
10月24日
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月18日時点 (10月11日時点 936.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月18日時点 (10月11日時点 583.1億ドル)
10月25日
 16:00 10月 製造業信頼感指数 (9月 98.8)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 74.9)
10月30日
 16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 95)


注:ポイント要約は編集部

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