ユーロドルは理事会後に下げやすい流れへ
〇先週のユーロドル、ドルの動きも鈍く、週を通してレンジが97pipsにとどまり連日動意薄の状態続く
〇今週もドルが底堅く、ユーロドルは上値が重くなりやすい地合いを続け大きな値幅には繋がりにくいか
〇ECB理事会、前回9月に引き続き0.25%の利下げ確実視で市場への影響は限定的
〇12月の追加利下げ明言ならば、更なるユーロ下げにつながる可能性も
〇先週、安値1.0900レベルと年初来安値と高値の半値押し1.0906達成、次のターゲット1.0870、1.0834
〇今週は1.0850レベルをサポート、1.0980レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルはドル円の値幅が比較的狭くドルとしての動きが鈍かったこともあるのですが、週を通してのレンジが97pipsにとどまり連日動意薄といった状態が続きました。ユーロ円もドル円ほどの動きにはならず、こちらも今週のECB理事会を控えて様子見といったところだったようです。
今週はECB理事会を除くと欧州関連の材料も多くはありませんし、だからと言って米国材料もインパクトが出そうなものは少ない一週間です。予想から大きくずれることが無ければ引き続きドルが底堅い、ユーロドルは上値が重くなりやすい地合いを続けながらも大きな値幅にはつながりにくいといったところでしょう。
ECB理事会については前回9月に続いて0.25%の利下げが確実視されています。これは市場参加者だけでなく、これまでのECB関係者の発言からも間違いないところだと思われ、そうだとするとこの点での市場に与える影響は限定的となります。今月に入ってから発表された主要国のCPIは2%を下回っていることも今回の利下げを正当化する材料ですが、年内最後のECB理事会となる12月に追加利下げがあるのかに何らかの言及があるかどうかが総裁会見では注目されます。
米国以上に景気後退懸念がある中でインフレが落ち着いていれば12月の利下げも想定内ということになりますが、もし年内の追加利下げに否定的なコメントが出てくると、これまでのユーロの下げに対して調整の買い戻しが入るというイメージです。具体的に追加利下げという表現は出て来ないかもしれませんが、明言するようであれば更なるユーロの下げにつながる可能性は十分にあります。
テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
先週は一瞬ではあったものの安値1.0900レベルと年初来安値と高値との半値押しが1.0906(赤のターゲット)を達成、次のターゲットとなる1.0870、1.0834をECB後のターゲットとして視野に入れ始めました。逆に買われた場合にはダブルトップのネックラインが大台1.10と重なり、同水準が当面の強いレジスタンスとなってきます。
先週が動かなかったこと、ECB理事会でハト派なコメントが出る可能性が高そうなことを併せて考え、今週は1.0850レベルをサポートに1.0980レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週もユーロ円の日足チャートを見ておきましょう。
ユーロドルとは逆のチャートパターンとなっていることは先週も書きましたが、ドル円が高止まりしているいっぽうでユーロドルが下値を試しやすい動きとなっていることからユーロ円は高値圏でどちらにも動きにくい流れが続いています。8月高値も現行水準と重なるため、上抜けすれば上がりそうではあるものの、今週も先週同様に高値圏でのもみあいとなる可能性の方が高いように思えます。まずはECB理事会後の動きに注目と言えるでしょう。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
10月14日(月)
16:00 フランス中銀総裁講演 ☆
10月15日(火)
15:00 英国9月失業率
15:45 フランス9月CPI
18:00 ドイツ10月ZEW景況感
18:00 ユーロ圏10月ZEW景況感
18:00 ユーロ圏8月鉱工業生産
10月16日(水)
15:00 英国9月CPI ☆
10月17日(木)
18:00 ユーロ圏9月CPI
18:00 ユーロ圏8月貿易収支
21:15 ECB理事会 ☆
21:45 ラガルドECB総裁会見 ☆
10月18日(金)
15:00 英国9月小売売上高
18:00 ユーロ圏8月建設支出
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時―NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
10月7日(月)
ユーロドルはドル円でのドル安の動きもあり底堅い動きとはなったものの動意薄、一日の値幅もわずか32pipsにとどまりました。
10月8日(火)
ユーロドルはドルの動きとしてはドル円と同様で、ユーロ上昇後の下げとなりましたが、一日のレンジはわずか36pipsにとどまり連日の動意薄のまま終わりました。
10月9日(水)
ユーロドルはドル高の動きに追随して終日じり安の展開となりましたが、ユーロ円での上昇もあり、下げ幅は43pipsにとどまりました。
10月10日(木)
ユーロドルはNY市場まではほとんど動かずNY朝方の経済指標で一時的な振れは見られたものの、ドル円とともにユーロ円が下げた動きが影響し、1.0900レベルの安値をつけてからやや戻して引けました。
10月11日(金)
ユーロドルは終日小動き、1.09台前半でのもみあいに終止し、値幅もわずか27pipsにとどまりました。
注:ポイント要約は編集部
ディスクレーマー
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