トルコリラ円週報:『約1ヵ月半ぶり高値を更新。来週はトルコ中銀会合に注目』(10/12朝)

トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週半ばにかけて、約1カ月半ぶり高値となる4.37円まで上昇しました。

トルコリラ円週報:『約1ヵ月半ぶり高値を更新。来週はトルコ中銀会合に注目』(10/12朝)

『約1ヵ月半ぶり高値を更新。来週はトルコ中銀会合に注目』

〇今週のトルコ円、中東情勢緊迫化、トルコ株の不調等に週央にかけ4.29まで下落
〇売り一巡後は、中国の財政出動期待、ドル円上昇等に4.37まで上昇、その後も堅調推移
〇テクニカルには、地合いの好転を強く印象づけるチャート形状
〇ファンダメンタルズもトルコへの資金流入期待、ドル円先高観、トルコ利下げ観測後退等がサポート
〇引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.25ー4.55

今週のレビュー(10/7−10/11)

今週のトルコリラ円相場は、週初4.34円で寄り付いた後、(1)中国国家発展改革委員会による期待外れの景気対策(国慶節明けの大型景気対策期待後退→株式市場の失望売り→リスク回避の新興国通貨売り)や、(2)中東情勢を巡る地政学的リスク、(3)トルコ株の冴えない動き(イスタンブール100株価指数が半年ぶり安値圏で推移)が重石となり、翌10/8にかけて、週間安値4.29円まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)中国財政省による「財政政策調整の強化に関して10/12に記者会見を行う」との発表(中国政府による財政出動期待→リスクオン再開)や、(4)ドル円相場の堅調推移(ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)が支えとなり、週央にかけて、週間高値4.37円(8/20以来となる約1カ月半ぶり高値圏)まで上昇しました。その後も、(5)トルコ8月失業率(結果8.5%、前回8.8%)の大幅改善や、(6)トルコ中銀による早期利下げ観測後退などが支えとなり、本稿執筆時点(日本時間10/12午前1時00分現在)においても、4.35円前後での底堅い動きが続いています。尚、今週発表されたトルコ8月鉱工業生産(結果▲5.3%、予想▲2.0%)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。

来週の見通し(10/14−10/18)

トルコリラの対円相場は9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週半ばにかけて、約1カ月半ぶり高値となる4.37円まで上昇しました。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表基準線、転換線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する「強気のバンドウォーク」「下降チャネルのレジスタンスライン突破」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの好転を強く印象づけるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)外国人投資家による資金流入期待(トルコ政府・トルコ中銀による正常化政策を好感する形で大手格付会社が相次いで格上げ実施→PIMCOなどの大手運用会社がトルコへの積極投資を継続)や、(2)日銀による過度な利上げ期待の剥落(海外勢による円キャリートレードの再開期待→ドル円上昇→トルコリラ円連れ高)、(3)経済的な結びつきの強い中国経済の回復期待(中国人民銀行による金融緩和に加えて、中国政府が大型財政出動に踏み切るとの期待感)、(4)トルコ中銀による年内利下げ観測の後退(先週発表されたトルコCPIが市場予想を上回った他、トルコ中銀カラハン総裁からも「トルコのインフレ上昇リスクは明らか」「利下げの主な条件である月次インフレ率の恒常的かつ大幅な低下と、予想物価上昇率の中銀予想レンジへの収れんが満たされるまでにある程度の距離が残っている」との発言あり)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。

来週10/17に予定されているトルコ中銀会合にて、早期利下げに慎重な見解が強調されれば、トルコリラにもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.25ー4.55

注:ポイント要約は編集部

『約1ヵ月半ぶり高値を更新。来週はトルコ中銀会合に注目』

トルコリラ円日足

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