トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服でトルコリラ円も足踏み(24/10/11)

トルコリラ円の10月10日は概ね4.36円から4.32円の取引レンジ、11日早朝の終値は4.34円で前日終値の4.36円から0.02円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇一服でトルコリラ円も足踏み(24/10/11)

ドル円の上昇一服でトルコリラ円も足踏み

〇昨日のトルコ円、ドル円を追いかけ午後に4.36へ続伸
〇米指標発表後のドル円反落を受け一時4.32へ失速、10/11午前序盤は4.34を挟んだ揉み合い
〇対ドル、10/10は概ね34.28から33.99の取引レンジ
〇トルコ8月鉱工業生産は低調
〇4.35超えからは4.37、4.38を順次試す上昇を想定
〇4.32割れからは下落継続とみて4.30、4.29を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の10月10日は概ね4.36円から4.32円の取引レンジ、11日早朝の終値は4.34円で前日終値の4.36円から0.02円の円高リラ安だった。
ドル円が9月27日の石破ショックによる急落を解消して一段高に入り、10月4日の米雇用統計後のドル全面高により149円台へ乗せてきた流れで、トルコリラ円も9月27日午後高値4.29円から30日午後安値4.14円への急落を解消して10月7日午前に4.35円へ高値を伸ばした。
ドル円は10日午後に149.54円まで続伸したためにトルコリラ円も4.36円へ続伸したが、10日夜の米経済指標発表後にドル円が反落したためにトルコリラ円は一時4.32円へ失速し、その後の戻りも鈍く11日午前序盤は4.34円を挟んだ揉み合いにとどまっている。

ドル円は10月10日高値149.54円で8月15日高値149.38円を超えて9月16日への下落幅を解消したものの150円手前に抵抗感がみられる。米国の連続大幅利下げ見通しが後退して一部では11月利下げ見送りの可能性も指摘され始めたことで上昇にややブレーキがかかっている印象だが、日銀の年内追加利上げを回避する見通しのため、7月から9月16日にかけての過度な円高に対する修正は継続してゆくと思われ、トルコリラ円も調整安を消化しながらドル円の上昇基調を追いかける展開と考える。
週明けの10月14日が米国コロンブスデーで為替市場等が休場となるため、今夜の米PPIやミシガン大消費者信頼感指数、FRB高官らの講演等に対する市場の反応が大きくなる可能性もあると注意したい。

【ドル/トルコリラは10月4日の高安レンジ内で揉み合い続く】

ドル/トルコリラの10月10日は概ね34.28リラから33.99リラの取引レンジ、11日早朝の終値は34.15リラで前日終値の34.21リラから0.06リラのドル安リラ高だった。
8月28日に付けた取引時間中の史上最安値34.41リラから9月16日高値33.56リラへ上昇したものの、その後は徐々に日々の高安レンジを徐々に切り下げるリラ安基調に入ってきた。10月4日に34.33リラを付けて8月28日以来の安値水準とし、終値34.25リラで終値ベースの史上最安値を更新したが、その後は10日までの4日間を4日の高安レンジ内での小動きとしている。
最安値更新は時期尚早としてやや足踏みの状況だが、最安値近辺に留まった揉み合いであり、きっかけ次第で最安値更新へ進みかねない位置にある。

【トルコ8月鉱工業生産は低調】

10月10日夕刻に発表された8月のトルコ鉱工業生産は前月比で1.6%減となり7月の0.3%増(0.4%増から下方修正)から悪化した。前年同月比は5.3%減となり7月の4.0%減(3.9%減から下方修正)を下回った。前年同月比は3か月連続のマイナスであり、2024年2月の11.1%をピークとした悪化が続いている。
トルコの8月失業率は8.5%となり7月の8.8%から改善したが、労働参加率は7月の54.4%から54.3%へ低下した。

EBRD(欧州復興開発銀行)は最新の経済見通しでトルコの2024年成長率を2.7%として5月からの据え置きを続け、2025年についても3.0%として従来の見通しを据え置いた。ユーロ圏全体では2024年が2.8%、2025年が3.5%とされており、トルコは域内の平均値を下回る成長率とされている。高インフレと高金利による景気への圧迫感が高成長の回復を阻害しているということと、世界景気全般がこれまでの金融引き締めにより減速していることも影響していると思われる。

トルコ中銀による週次の外貨準備高は10月4日時点のグロスで927.6億ドルとなり9月27日時点の938.2億ドルから減少したが、ネットでは560.9億ドルとなり9月27日時点の541.2億ドルを上回った。ネットでは2023年6月のマイナス57億ドル以降の最高を9月20日時点の517.8億ドルで更新してから3週連続の拡大とした。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、10月4日午後安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして8日夜から10日夜にかけての間への上昇を想定してきたが、7日朝高値から8日夕安値へ反落してから一段高へ進んだため、10日午前時点では8日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、サイクルトップ形成期を10日朝から14日午前にかけての間とした。
10日午後へ続伸してから失速気味のためすでにサイクルトップを付けた可能性があると注意し、4.35円超えからは上昇継続とするが、4.32円割れからは弱気サイクル入りとして11日夕から15日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では10日午後高値からの下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落しつつあるため、先行スパンを上抜き返す場合は上昇継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンか転落からは下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10日朝に70ポイントを超えたものの10日午後へ高値を切り上げた際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられて40ポイント割れまで低下した。55ポイント超えからは上昇再開として60ポイント台後半を試す流れとみるが、次の40ポイント割れからは下落継続として20ポイント台への低下へ向かうとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.32円を下値支持線、4.35円を上値抵抗線とする。
(2)4.32円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.35円超えからは4.37円、4.38円を順次試す上昇を想定する。4.37円以上は反落注意とするが、4.34円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.32円割れからは下落継続とみて4.30円、4.29円を順次試す下落を想定する。4.30円以下は反騰注意とするが、4.33円を下回っての推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

10月11日
 16:00 8月 経常収支 (7月 5.66億ドル)
 16:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.8%)
 16:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 5.4%)
 16:00 トルコ中銀月次ビジネスサーベイ(年末CPI、金利、為替レート予想集計)
10月15日
 17:00 9月 財政収支 (8月 -1296億リラ)
10月17日
 20:00 トルコ中銀金融政策委員会 政策金利 (現行 50.0%)
 20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月11日時点 (10月4日時点 927.6億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月11日時点 (10月4日時点 560.9億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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