東京市場のドルは149円水準のもみ合い、日銀意見交換会の結果には一応注目
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株急落などが影響して149円を割り込む場面も見られたが、日本株は一段安を回避したことで安心感が強まり149円台で推移した。
昨晩の海外時間では、米10月NY連銀製造業景気指数が予想外のマイナスに落ち込み、ドル売りが優勢となり149円台を割り込む場面も見られた。ただ、米9月NY連銀調査で中長期インフレ期待率の上昇が確認できたことからドル売りは一巡。149円台まで値を戻した。
東京時間では、日本株急落や中国株への警戒などから148円台を付ける場面も見られたが、日本株一段安は回避されたことなどから149円台を回復した。朝方に発表された8月機械受注は市場予想を下回る内容となったが、為替への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円24銭
高値:149円34銭
安値:148円89銭
終値:149円36銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円51銭
高値:162円65銭
安値:162円13銭
終値:162円62銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円96銭
高値: 100円05銭
安値: 99円44銭
終値: 100円03銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:195円04銭
高値:195円29銭
安値:194円59銭
終値:195円27銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39362円63銭
高値:39362円63銭
安値:39062円85銭
終値:39180円30銭(前日比−730円25銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時30分、日、日銀「市場調節に関する意見交換会」開催
21時30分、米、9月輸入物価指数(前月比)、前回:−0.3%、市場予想:−0.3%
27時40分、欧、ラガルドECB総裁がイベント講演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、目立った売買材料が予定されていないことから、引き続き149円水準でのもみ合いが続きそうだ。
日銀の安達誠司審議委員は、本日開催された香川県の金融財政懇談会にて、物価情勢について、賃金と物価の好循環により「ここまでの道のりはオントラックである」と話した。財など価格改定の頻度が高い品目で構成した「伸縮的な消費者物価」と、サービスなど改定頻度が低い品目の「粘着的な消費者物価」が先行き上昇し、「物価が上振れする可能性が高まっている」とも語った。
一方、今後の物価動向については「注意を要する状況になる」との見解も示した。米国の利下げサイクル入りで円安是正の動きが強まると、輸入物価の下落要因となることから「結果として、財価格を中心とする伸縮的な消費者物価の低下圧力となる」とコメント。賃上げに関しては「あくまでも(企業の)業績拡大の範囲内で実施されている」を前提としたうえで、「来年以降の賃上げは企業の業績、ひいては経済状況に依存しているため来年以降の賃上げ動向には、相応の不確実性がある」と指摘した。
真新しい発言は観測されなかったことから、為替市場に対する影響は限定的となったが、本日17時30分から開催される「市場調節に関する意見交換会」の結果には念のため注意したい。債券市場に関する話がメインと推察するが、米金利上昇に伴い日本の10年債利回りが0.9%半ばまで上昇していることから、金利水準に関するコメントの有無は見極めたいところだ。
日足の一目均衡表では雲に突入しており、75日移動平均線をしっかりと上回った。150円水準にあると推測されるストップロスに絡んだ指値売買をこなした際、一気に雲上限が位置する151円84銭水準到達は意識されそうな状況ではある。
もっともそこまでドル買いが強まる地合いとなっていないため、今晩の海外時間は、149円水準でのもみ合い相場を想定する。上値メドは149円70銭、下値メドは148円70銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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