ドル円 ドル上値依然重く、目先は強保ち合いか(10/16夕)

東京市場は一進一退。途中、下値をうかがうような展開も見られたが、結局レンジから脱却出来なかった。

ドル円 ドル上値依然重く、目先は強保ち合いか(10/16夕)

ドル上値依然重く、目先は強保ち合いか

〇東京市場のドル円、日中安値148.90レベルまで値を崩すも目先底入れ後は再び上値試す動き
〇150円前に上げ渋り上値重い、149円割れ、148円後半では底堅く148.50-150.00のレンジ取引続く
〇安達日銀委員「極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」と発言
〇MBA住宅ローン申請指数や9月輸出入物価指数等の米経済指標、MSなど米金融大手の決算が発表予定
〇ドル高円安方向、149円半ばが最初の抵抗、抜ければ直近高値149.98が視界内
〇ドル安円高方向148.80-90の攻防に注目、下回れば148.30-40目指すが底堅そう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:148.70-149.80

<< 東京市場の動き >>

東京市場は一進一退。途中、下値をうかがうような展開も見られたが、結局レンジから脱却出来なかった。

ドル/円は149.20円レベルで寄り付いたものの、ドルの上値は引き続き重い。そうしたなか、日銀の安達審議委員発言が報じられ、それを材料に149円割れ。日中安値の148.90円レベルまで値を崩している。しかし底割れするようなことには至らず、逆に目先底入れ後は再び上値を試す動きに。結果的に「行って来い」、149円前半まで値を戻し、16時現在では寄り付きとほほ同レベルで推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治情勢」と「トランプ発言」について。
前者は、27日投開票の総選挙を控えた与野党党首などの発言が引き続き思惑を呼ぶ。14日に野党第一党・立憲民主党の野田代表が「もうちょっとマーケットが落ち着いたような段階で、金融所得課税を20%から25%ぐらいを含めて税率を高めることはありえる」と発言したことに続き、昨日は石破首相が年内にも「防衛増税」を決着させることを示唆していた。それを受け、総選挙で与野党どちらが勝ったとしても、「増税不可避」などといった嘆きの声も聞かれていたようだ。なお、そうしたなか本日は日銀の安達日銀委員が香川で経済の懇談会に参加、「正常化プロセスに入る条件満たす」、「極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」といった発言が聞かれていた。

後者は、ブルームバーグが行ったトランプ米大統領候補のインタビューがそこここで話題に。ある種の言いたい放題で、たとえば「日鉄のUSスチール買収計画を阻止する」、「再選すれば中国は台湾を包囲しない」、「大統領が金利の変更について中銀トップに意見を述べるのは妥当」、「辞書でもっとも美しい言葉は関税」−−などといったものになる。ただ、その一方で格付け会社フィッチは「トランプ氏再選なら、中韓などのGDPは1%低下する可能性がある」との分析を公表。またブルームバーグは「米大統領選、どちらの候補が勝利してもインフレ率や成長率は同程度のリスク」などと報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場の基本的なリスクはドル高方向だが、やはり150円を前に上げ渋り。昨日のドル高値は149.83円で、2日続けて150円にはとどいていない。油断は禁物だが、依然として150円が近くて遠い存在である状況に変化はないようだ。そうしたなか、足もと150円半ばで推移している移動平均の90日線が緩やかな右肩下がり。来週にかけ150円を割り込むことが見込まれている。一連の過程のなか、超えていくのか逆に上値を阻まれ反落に転じるのかを注視する向きも少なくない。
市場の関心は、依然として日米金融政策。そのなかでも、意見がなかなか一本化されない米金融政策が注目を集めているが、前述したように本日東京では日銀の金融政策に言及した安達委員の発言が話題となっていた。予想より「やや強気だった」との声も聞かれるが、大枠としては「予想の範囲内」か。いずれにしても、同発言を受けて市場の関心は再び米金融政策へと移行。発表される米指標や要人発言に、一喜一憂する展開をたどりそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は150円を視界内に捉えつつとどかない状況だ。ドルの上値が重い状況に変化は依然としてみられない。しかし、一方で下値も堅く、足もとでいえば149円割れ、148円後半ではかなりの底堅さがうかがえる。それからすると、目先はおおよそ148.50-150.00円といったレンジ取引か。次の方向性を探る展開がしばらく続く可能性もある。

本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数や9月の輸出入物価指数が発表されるほか、前日に続きモルガン・スタンレーなど米金融大手の決算発表が実施される予定だ。重ねて注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.70-149.80円。ドル高・円安方向は149円半ばが最初の抵抗で、抜ければ直近高値149.98円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースで目先下げ止まっている148.80-90円の攻防にまずは注目。下回れば148.30-40円を目指すが、それでも基本は底堅そうだ。

ドル上値依然重く、目先は強保ち合いか

ドル円


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る