ドル円、下落後に反発するなど下値は堅い。本日はECB理事会と米経済指標に注目(10/17朝)

16日(水)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に反発するなど下値は堅い。本日はECB理事会と米経済指標に注目(10/17朝)

ドル円、下落後に反発するなど下値は堅い。本日はECB理事会と米経済指標に注目

〇ドル円、米長期金利の低下幅縮小、米主要株価指数の堅調推移に、米国時間午後にかけ149.84まで上昇
〇ユーロドル、中東の地政学リスク長期化懸念、欧州経済先行き不透明感等に1.08台後半で上値重い
〇ドル円、日足が主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測後退からの円キャリートレードの再開期待等がドル円を支持
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.00ー151.00

海外時間のレビュー

16日(水)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。(1)オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングスによる業績見通しの大幅下方修正(ASMLショック発生→半導体株急落)や、(2)上記1を背景とした日経平均株価の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)、(3)安達日銀審議委員による「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」との追加利上げを示唆する発言が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値148.89まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)安達日銀審議員による「基調的インフレ率は2%を下回っている」「追加利上げを急ぎすぎてデフレに戻るのは最も避けなければならない」との慎重な発言や、(5)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開期待、(6)米長期金利の低下幅縮小、(7)米主要株価指数の堅調推移が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値149.84まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/17午前6時45分現在)では、149.58前後で推移しております。尚、昨日発表された米9月輸出物価指数(結果▲0.7%、予想▲0.4%)および、同9月輸入物価指数(結果▲0.4%、予想▲0.3%)はいずれも市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。

16日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)中東を巡る地政学的リスクの長期化懸念や、(2)欧州経済の先行き不透明感、(3)ECBによる根強い利下げ観測(本日予定されている理事会での25bp利下げに加えて、次回12/12理事会での25bp利下げを織り込む動き。一部では本日の理事会で50bpの利下げもあり得るとの見方あり)、(4)米長期金利の低下幅縮小が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0854(8/2以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間10/17午前6時45分現在)では、1.0863前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は下落後に反発するなど下値の堅さを再確認する結果となりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、一目均衡表転換線、基準線、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、4時間足などの下位足で強い買いシグナル(強気のパーフェクトオーダー、一目均衡表三役好転)が複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(心理的節目150.00突破は時間の問題)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による過度な利上げ期待の後退(安達日銀審議委員は昨日「金融政策が正常化プロセスに入る条件は既に満たしている」と発言しつつも、一方で「基調的インフレ率は2%を下回っている」「追加利上げを急ぎすぎてデフレに戻るのは最も避けなければならない」と市場で燻る早期利上げ期待を牽制)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている米国の主要経済指標(米9月小売売上高、米10月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数、米9月鉱工業生産、米9月設備稼働率、米10月NAHB住宅市場指数)が良好な結果を示す場合には、米FRBによる早期利下げ期待の後退(11月FOMCでの利下げ見送り観測浮上→米長期金利急上昇)を通じて、ドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想いたします。

尚、本日はECB理事会にも注目が集まります。25bp の利下げは織り込み済みとなっていますが、一部で50bpの大幅利下げを期待する向きも出てきているため、声明文およびラガルドECB総裁記者会見がハト派的な内容となる場合には、対ユーロでの米ドル急騰(ユーロ売りの受け皿として米ドルが選好)→米ドル独歩高→ドル円上昇の波及経路にも念の為注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:149.00ー151.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に反発するなど下値は堅い。本日はECB理事会と米経済指標に注目

ドル円日足

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