強い地合い継続か、国慶節明けの中国株次第では乱高下の可能性も
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、日銀による早期の利上げ観測が後退し円が主要通貨に対して全面安となったことや、良好な経済指標などが材料視されて上昇基調が強まった。
週初は「石破ショック」に伴う日本株急落でリスク回避の円買いが強まって、8.19円台まで下落したが、石破首相が植田日銀総裁との会談において「(個人的な見解として)追加利上げの環境にない」と発言したことで、日銀による早期の利上げ観測が後退。円はドルのほか主要通貨に対して売り優勢となったことで、ランドも上昇した。
8月貿易収支は悪化したものの、9月製造業PMIは前回8月を大幅に上回る結果となったことで南アフリカ経済に対する強気なムードも強まった。週末には、米雇用統計の結果を受けてドル高が加速。円が引き続き全面安となったことも影響し、ランドは9月27日戻り高値を突破し7月23日以来の8.51円台まで買われた。
ランド・円(東京時間:9月30日―10月4日)
※Investing.comの日足を参照
始値:8.3145円
高値:8.5184円
安値:8.1976円
終値:8.5065円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
9月30日
15時00分、8月マネーサプライM3、前回:5.88%、結果:6.11%
21時00分、8月貿易収支、前回:171億ランド、結果:56億ランド
10月1日
18時00分、9月製造業PMI、前回:43.6、結果:52.8
10月10日
20時00分、8月製造業生産高(前月比)、前回:2.1%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、戻りを試す展開が強まると想定する。国内では目立った経済指標の発表が予定されていないことから、引き続き円やドル、そして、国慶節明けの中国株式市場の動向などに振らされる展開となりそうだ。
南アフリカと経済的なつながりが深い中国では、9月24日に中国人民銀行が大規模な景気刺激策を発表。上海総合指数、香港ハンセン指数ともに大商いで急騰しており、垂直に近い角度で上昇している。国慶節前の上海総合指数は9月23日の終値から21%ほど上昇した。一方、一足先に10月2日から取引を再開した香港ハンセン指数は4日時点で24%ほど上昇。先週の香港ハンセン指数は上値がやや重くなったが、東京市場では「IF中国GBA100」「IF中国科創板50」「中国A株(パンダ)」など中国関連ETFが急騰するなど投資家の関心は非常に高まっている。
「ONE・CSI500」は4日に115%上昇しており、国慶節明けの上海総合指数の上昇を見越した買いが入ったようだ。短期的な過熱感が意識されて乱高下する可能性は十分あるが、追加の経済対策がまだ実施される公算が大きいことから、中国株の動向には関心が向かおう。ランドだけではなく、オセアニア通貨など中国と経済的なつながりが強い国の通貨は荒い値動きを見せる可能性はある。
日足の一目均衡表では雲上限を上放れ、切り上がる転換線に沿った強い動きが見られる。雲上限水準でのもみ合いを想定していたが、思わぬ円安加速でランド上昇の強い相場展開となった。週明けの東京市場では日本株の大幅高が見込まれていることから、円のキャリートレードが活発化する地合いとなれば、ランドはもう一段高の可能性もあろう。ターゲットとしては8.6円水準が意識されると考える。
南アフリカランド円日足
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