『ファンダメンタルズ的にもテクニカル的にも上昇トレンド継続を示唆』
〇今週の南ア円、週初8.19まで下落後、週末にかけ8.50まで急伸
〇ドル円急伸、南ア9月PMIの良好な結果等が背景
〇テクニカルには、主要テクニカルポイントの上での推移、買いシグナルも継続、地合い強い
〇南ア経済復調期待、政治安定化期待、金・プラチナ価格の堅調、中国の景気対策等が南ア円をサポート
〇引き続き、南アランド円相場の上昇トレンド継続をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.35ー8.65
今週のレビュー(9/30−10/4)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は週初8.31円で寄り付いた後、(1)石破ショックに端を発したリスク回避の円買い圧力(先週末金曜日の自民党総裁選・決選投票で緊縮財政+金融政策正常化を掲げる石破茂元幹事長が新総裁に選出されたことで、週明けの日経平均株価が一時2000円超急落→ドル円急落→南アランド円連れ安)や、(2)南ア8月貿易収支(結果56億ZAR黒字、予想191億ZAR黒字)の市場予想を下回る結果、(3)中東情勢緊迫化に伴う地政学的リスクの高まりが重石となり、翌10/1にかけて、週間安値8.19円まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)石破首相による「現在は追加利上げをするような環境にはない」とのハト派的な発言(市場で燻る利上げ期待を牽制→対主要通貨での円売り再開→ドル円急伸→南アランド円連れ高)や、(5)南ア9月製造業PMI(結果52.8、前回43.6)の力強い結果、(6)南ア9月スタンダード銀行PMI(結果51.0、前回50.5)の良好な結果、(7)米9月雇用統計の力強い結果(ドル円急伸→南アランド円連れ高)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.50円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間10/5午前1時00分現在)では、8.49円前後で推移しております。
来週の見通し(10/7−10/11)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、週を通して堅調推移が継続しました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「21日線と200日線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南ア経済の復調期待(南アフリカのインフレ鈍化→南ア中銀による利下げサイクル開始→南ア経済の回復期待)や、(2)南ア政治の安定化期待(親ビジネス路線の連立政権が出来たことでグローバルマネーが南アフリカへ流入するとの期待感)、(3)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の堅調推移(交易条件改善期待)、(4)経済的な結びつきの強い中国の景気対策期待(国慶節明けに中国が追加的な景気刺激策を発表するとの期待感)、(5)日銀による過度な利上げ期待の剥落(円キャリートレード再開期待)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。
ゴールドマン・サックスのエコノミストが「改革を進むことで、南アフリカの信用格付けが6カ月以内に投資適格水準に近づき、財政問題の解消につながる可能性がある」と発言したこと等も南アランドを下支えすると見られることから、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南アフリカの経済イベントに乏しいことから、国慶節明けの中国政府の動向や、中東情勢を巡るヘッドライン、ドル円相場の動向(心理的節目150.00を試すか否か)に注目が集まりそうです。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.35ー8.65
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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