ドル円の続騰で4.30円台に到達
〇昨日のトルコ円、深夜に対ドルでリラ高推移したため、4.31まで高値を伸ばす
〇本日午前は上昇一服感で4.28近辺へやや下げる
〇対ドル、10/3は概ね34.26から33.90の取引レンジ
〇ドル/トルコリラ、トルコCPIを受け利下げ先送り感からいったん上昇するも、本日午前序盤へ反落
〇本日は米米雇用統計後の波乱に要注意
〇4.31超えからは4.32、4.33を順次試す上昇を想定
〇4.26割れからは下落期入りとみて4.24前後への下落を想定
【概況】
トルコリラ円の10月3日は概ね4.31円から4.26円の取引レンジ、4日早朝の終値は4.31円で前日終値の4.28円から0.03円の円安リラ高だった。
自民党総裁選での石破ショックによる急激な円高でトルコリラ円は9月27日午後高値4.29円から30日午後安値4.14円へ大幅下落し、過剰反応に対する修正で1日午後に4.23円へ戻してから小康状態に入っていたが、2日夕刻に石破首相と植田日銀総裁が会談後に揃って早期の追加利下げへの否定的姿勢を示したことでドル円が急騰しため、トルコリラ円は3日午前に4.30円へ上昇した。ドル円は3日午前高値の後を上げ渋ったものの、ドル/トルコリラが深夜にかけてリラ高で推移したためにトルコリラ円は4.31円まで高値を伸ばした。4日午前は上昇一服感で4.28円近辺へやや下げている。
ドル円は石破・植田会談後の急伸で3日午前に147.23円を付けて9月27日午後高値146.47円を超えて9月16日安値139.57円以降の高値を更新して上昇は二段目に入った。3日午前序盤にかけては147円を超えるところを売られて上値が重くなっているものの3日夕刻に146.29円まで下げたところを買われて146円台後半中心の持ち合いとして高止まりしている。
日銀が年内追加利上げ見送り姿勢とする一方、米FRBは利下げを継続するものの9月の0.50%大幅利下げ後は0.25%ずつの緩やかな利下げペースとしているため、日米金融政策姿勢の差による円高感が後退している。中東情勢悪化による原油高等で米長期債利回りが上昇していること、直近の米経済指標がさほど悪くないこと、英中銀やECBのハト派姿勢でポンドやユーロが大幅下落して9月後半までのドル安からドル高へ風向きが変わってきたため、今夜の米雇用統計次第ではドル円の一段高もあり得ると思われる。
トルコリラ円は米国市場時間での波乱に注意しつつ、ドル円を追いかける姿勢で臨みたい。
【ドル/トルコリラは利下げ先送り感でいったん上昇したが4日午前序盤へ反落】
ドル/トルコリラの10月3日は概ね34.26リラから33.90リラの取引レンジ、4日早朝の終値は34.11リラで前日終値の34.18リラからは0.07リラのドル安リラ高だった。
10月3日16時発表のトルコ9月CPI統計で全体の前月比が8月から再加速して前年比が鈍化したものの予想を上回り、コア指数の前月比も8月から再加速したためにトルコ中銀の利下げ開始が遅れるとの見方が強まったこと、20時半発表の週次外貨準備高がネットで前週から大幅に増加したことにより午前の34.26リラ近辺から4日早朝にかけてリラ買いドル売り優勢となって33.90リラへ上昇したが、リラ買い一巡後で再び売られて34リラ台へ下落し、4日午前序盤には34.26リラまで切り返されている。
8月28日に34.41リラを付けて取引時間中の史上最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続けているが、9月16日高値33.58リラ以降はジリ安の推移で10月1日終値34.21リラで終値ベースの史上最安値を更新している。10月3日は9月16日以降の取引時間中最安値を更新し、4日午前序盤も同値としているため、持ち合い範囲にありながらも9月16日以降の下落基調が続いている印象だ。
イスタンブール100株価指数は10月3日に前日比1.27%安と下落して9月25日か7営業日続落となり7月18日の年初来高値以降の最安値を更新している。イランによるイスラエルへの大規模ミサイル攻撃に対してイスラエルがイラン石油施設への報復攻撃を示唆し、米大統領もこれを容認する発言をしていることで両国の全面戦争化への懸念が高まっていることで地政学的リスク拡大への回避感で売られている印象であり、トルコ株安がリラ高を抑圧する状況と思われる。
【トルコ9月CPIは前月比で再加速、利下げ先送り感】
トルコ統計局が3日に発表した9月消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比49.38%となり8月の51.97%から鈍化して2021年以降初めて政策金利を下回ったが予想の48.30%を上回り、前月比は2.97%で8月の2.47%から再加速して市場予想の2.20%への鈍化期待を裏切った。コア指数は前年同月比49.1%で8月の51.6%から鈍化したものの前月比3.6%で8月の3.0%から再加速した。
9月の生産者物価指数(PPI)は前月比が1.37%で8月の1.68%を下回り、前年同月比は33.09%で8月の35.75%から鈍化した。
トルコ中銀のカラハン総裁はCPI発表後の議会で、物価目標達成にはまだある程度の距離が残っているとし、早期利下げに足しては消極姿勢を見せた。大手金融機関等は利下げ開始時期予想を従来の11月から来年1月へ先送りしている。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月30日午後へ続落してから4.20円超えへ反騰したために1日午前時点では30日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして2日午後から4日午後にかけての間への上昇を想定した。
3日深夜へ続伸した後も4.28円近辺までにとどまっているので4日夜から週明けにかけての上昇余地ありとするが、大幅高後の持ち高調整も入りやすいところとみて4.27円割れを弱気転換注意とし、4.26円割れからは弱気サイクル入りとして4日午後から7日午後にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では3日深夜以降の上げ渋りで遅行スパンが悪化しつつあるため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、先行スパンへ潜り込む場合はその下限を試すとみるが、3日深夜高値超えからは上昇がさらに勢い付くとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
60分足の相対力指数は3日早朝に80ポイントへ迫ったものの3日深夜へ続伸した場面では指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるためいったん修正安に入りやすいところとし、60ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント割れからは下向きとし、45ポイント割れからは下落期入りとして20ポイント台への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.26円を下値支持線、4.31円を上値抵抗線とする。
(2)4.27円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.31円超えからは4.32円、4.33円を順次試す上昇を想定する。4.31円以上は反落注意とするが、4.28円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.27円割れを弱気転換注意とし、4.26円割れからは下落期入りとみて4.24円前後への下落を想定する。4.24円前後は買われやすいとみるが、4.26円割れが続く場合は週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。ドル円が急落する場合は4.23円から4.22円前後へ下値目途を引き下げる。
【当面の主な予定】
10月10日
16:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 0.4%)
16:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 -3.9%)
16:00 8月 失業率 (7月 8.8%)
20:30 週次 外貨準備高・グロス 10月4日時点 (9月27日時点 938.2億ドル)
20:30 週次 外貨準備高・ネット 10月4日時点 (9月27日時点 541.2億ドル)
10月11日
16:00 8月 経常収支 (7月 5.66億ドル)
16:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 0.8%)
16:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 5.4%)
注:ポイント要約は編集部
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