トルコリラ円見通し ドル円の大幅続落で終値ベースの史上最安値を更新(24/9/5)

トルコリラ円の9月4日は概ね4.28円から4.21円の取引レンジ、5日早朝の終値は4.22円で前日終値の4.27円から0.05円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の大幅続落で終値ベースの史上最安値を更新(24/9/5)

ドル円の大幅続落で終値ベースの史上最安値を更新

〇トルコ円、急激な円高再燃で9/5早朝に4.22をつけ、終値ベースの史上最安値更新
〇当面はドル円下落を追いかけつつ史上最安値更新を試す流れか
〇対ドル、9/4は概ね34.09から33.77の取引レンジ
〇リラ安一服だが33リラ台前半へは進めず、1ドル34リラへの回帰を試す
〇4.23超えからは4.25を試す上昇を想定するが、その後に4.22を割り込むところからは下落再開か
〇4.19割れからは4.17前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の9月4日は概ね4.28円から4.21円の取引レンジ、5日早朝の終値は4.22円で前日終値の4.27円から0.05円の円高リラ安だった。8月28日の一時的な急落で付けた取引時間中の史上最安値4.16円には届いていないものの8月27日終値4.23円を割り込んで終値ベースの史上最安値を更新した。

ドル円は9月4日夜の米7月JOLTS求人件数が予想を下回り3年半ぶり低水準となった事で米長期債利回りが大幅低下して為替市場がドル全面安となる中で5日未明に144円を割り込んだが、5日8時台には143.10円台へ続落して8月26日安値143.45円を割り込み8月15日高値149.38円以降の安値を更新し、日足終値ベースでは7月3日以降の最安値とした。
9月3日夜の米ISM製造業景況指数の悪化もあり、今夜の米ADP民間雇用やISMサービス業景況指数、明日夜の米8月雇用統計で悪化が続く場合は円高がさらに加速する可能性もあると警戒したい。
ユーロドルやポンドドルが反騰したもののユーロ円やポンド円は円高により大幅下落しており、クロス円全般はドルストレートでのドル高よりも円高圧力が勝る状況にあり、ドル円が下落すればクロス円も同調する流れとなっている。

トルコリラ円はドル/トルコリラにおけるリラ安にやや一服感がみられるものの急激な円高が再燃したことで大幅続落しており、当面はドル円の下落を追いかけつつ史上最安値更新を試して行く流れと思われる。

【ドル/トルコリラはリラ安一服だが1ドル34リラへの回帰を試す】

ドル/トルコリラの9月4日は概ね34.09リラから33.77リラの取引レンジ、5日早朝の終値は33.99リラで前日終値の33.97リラから0.02リラのドル高リラ安だった。
8月28日には34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新し、その後は取引時間中の最安値更新を回避したものの終値ベースでは8月27日から30日まで1ドル34リラ台で推移して8月30日終値34.07リラを終値としての最安値としたが、週明けからはリラ売り一服感で終値での1ドル34リラ以下での推移に留まっている。しかし9月2日高値33.62リラや9月3日高値33.66リラ、4日高値33.77リラから売られて33リラ台前半へは進めず、9月5日午前序盤も34.05リラを付けて終値での34リラ台復帰を伺う位置に留まっている。

9月3日の米ISM製造業景況指数が50を下回る状況を続けて4日の7月JOLTS求人件数も予想を大幅に下回る悪化となり、米FOMC(9月17-18日)では0.25%の通常利下げとの声がまだ主流ではあるものの0.50%利下げの可能性も高まっている。
米長期債利回りが大幅低下し、8月後半から下落していたユーロドルが反騰するなどドルストレートでのドル安感が強まっていることがドル/トルコリラを支えている印象もあるが、9月2日発表のトルコ4-6月期GDPが前年同期比2.5%増にとどまって1-3月期の5.3%増から大幅に鈍化したことや直近の製造業関連統計が冴えないこと、イスタンブール株価指数も8月5日の暴落後も安値圏での持ち合い程度にとどまっていることでリラ買いへの積極的な動きは乏しい印象だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月3日午前へ続伸してからの反落で4.30円を割り込んだため、4日午前時点では3日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして5日の日中から9日昼にかけての間への下落を想定した。
9月5日午前へ続落しているので引き続きボトム形成中とみる。急落後の反動高や米経済指標の内容次第で波乱となる可能性もあるため4.23円超えからは強気サイクル入りとして6日午前から10日午前にかけての間への上昇を想定するが、戻りは短命の可能性もあるため直前安値からの反騰幅の半値以上を解消するところからは下落再開とみて9月3日以降の安値更新へ向かうと考える。

60分足の一目均衡表では9月3日夜への急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したが、その後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻りを試すとみるが、先行スパンの下限に届かないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下落再開とする。

60分足の相対力指数は9月5日午前に20ポイント台へ低下してからも30ポイント以下にとどまっているためまだ下落余地ありとみる。40ポイント超えからはいったん戻しに入るとみて50ポイント台を試す上昇を想定するが、戻りは短命の可能性もあるのでその後に40ポイント割れへ低下するところからは下落再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.19円を下値支持線、4.23円を上値抵抗線とする。
(2)4.21円から4.23円手前は戻り売り有利とみる。4.23円超えからは4.25円を試す上昇を想定するがその後に4.22円を割り込むところからは下落再開を疑う。
(3)4.19円割れからは4.17円前後への下落を想定する。4.17円前後は買われやすいとみるが、4.22円以下での推移か直前安値から0.03円を超える反騰がみられないうちは6日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月5日
 20:30 週次 外貨準備高 8月30日時点 グロス (8月23日時点 907.2億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月30日時点 ネット (8月23日時点 436.9億ドル)
9月10日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 -2.1%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 -4.7%)
 16:00 7月 失業率 (6月 9.2%)
9月11日
 16:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 1.7%)
 16:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 8.6%)
9月12日
 16:00 7月 経常収支 (6月 +4.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点
9月13日
 16:00 9月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ予想集計)


注:ポイント要約は編集部

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