トルコリラ円見通し ドル円急落で5日ぶり反落、8月28日からの上昇幅の半値近くを削る(24/9/4)

トルコリラ円の9月3日は概ね4.34円から4.27円の取引レンジ、4日早朝の終値は4.27円で前日終値の4.34円から0.07円の円高リラ安となった。

トルコリラ円見通し ドル円急落で5日ぶり反落、8月28日からの上昇幅の半値近くを削る(24/9/4)

ドル円急落で5日ぶり反落、8月28日からの上昇幅の半値近くを削る

〇トルコリラ円、ドル円急落に連れて9/4午前序盤4.26まで安値切り下げる
〇リスク回避的な円高が再燃、クロス円全般の下落と共にトルコ円にも押し下げ圧力かかり始めた印象
〇対ドル、9/3は概ね34.05から33.66の取引レンジ、中長期的なリラ安基調続く
〇トルコCPI前年同月比51.97%、順調に鈍化し2023年7月以来の低水準
〇4.29から4.30手前は戻り売り有利、4.30超えからは4.31、4.32順次試す上昇想定
〇4.25割れからは4.23前後への下落想定、下げ足が速まる場合は4.22、4.21順次試して行く流れ

【概況】

トルコリラ円の9月3日は概ね4.34円から4.27円の取引レンジ、4日早朝の終値は4.27円で前日終値の4.34円から0.07円の円高リラ安となった。
ドル円が8月26日安値143.45円を起点として戻しに入り8月28日から9月2日にかけて4連騰とし、9月3日午前には147.20円まで高値を伸ばしたため、トルコリラ円は8月28日にドル/トルコリラが史上最安値を更新した際に4.16円(ベンダーによっては4.18円や4.05円等の極端な安値も見られた)を付けて取引時間中の史上最安値を更新してからドル円の上昇を追いかけて4連騰とし、9月3日にドル円が一段高したところで4.34円まで高値を伸ばしていた。

しかしドル円が急落に転じて3日深夜に145円に迫ったためにトルコリラ円も4.27円へ急落し、4日未明に4.29円まで戻してから再び失速し、4日午前序盤には4.26円まで安値を切り下げている。トルコリラ円の8月28日安値4.16円から9月3日高値4.34円までの上昇幅は0.18円だったが、4日午前序盤安値4.26円まで0.08円の下落幅なり上昇幅の44%を削っている。
今週末の米雇用統計へ向けて米重要指標の発表も相次ぐが、3日夜は米ISM製造業景況指数が5か月連続で50を割り込み、建設支出の落ち込みが顕著となったためにNYダウが大幅下落しており、中国景気低迷と欧米の景気も鈍化傾向を見せ始めていることで株式市場も再び高値警戒感が強まっている印象であり、リスク回避的な円高が再燃してクロス円全般の下落と共にトルコリラ円にも押し下げ圧力がかかり始めた印象だ。

【ドル/トルコリラはリラ安一服だが再び1ドル34リラを試す】

ドル/トルコリラの9月3日は概ね34.05リラから33.66リラの取引レンジ、4日早朝の終値は33.97リラで前日終値の33.88リラから0.09リラのドル高リラ安だった。
8月23日に1ドル34リラ台に到達して8月28日には34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新し、その後は取引時間中の最安値更新を回避したものの終値ベースでは8月27日から30日まで1ドル34リラ台で推移して8月30日終値34.07リラを終値としての最安値とした。
週明けはリラ売り一服感からリラ買い戻し優勢の流れとなり9月2日は一時33.62リラへ上昇してから33.88リラへ下落し、3日も一時33.66リラへ上昇したものの高値で34リラ台を付けるなど上げ渋りの様相であり、再び終値ベースでの34リラ台を試しつつある印象だ。先週まで週間足は5週連続のドル高リラ安で推移して毎週史上最安値を更新してきたため、目先はリラ売り一服感がみられるものの中長期的なリラ安基調はまだ続くと思われる。

【トルコCPIは順調に鈍化するもまだ高水準】

9月3日16時にトルコ統計局が発表した8月のCPI(消費者物価指数)上昇率は前月比で2.47%となり7月の3.23%から鈍化して市場予想の2.64%を下回り、前年同月比は51.97%で7月の61.78%から鈍化して市場予想の52.2%を下回った。
食品エネルギー等除くコアCPI上昇率は前月比3.0%となり7月の2.4%から伸びが加速したが、前年同月比は51.6%となり7月の60.2%から鈍化した。
8月のPPI(生産者物価指数)上昇率は前月比1.68%となり7月の1.94%から鈍化して前年同月比は35.75%となり7月の41.37%から鈍化した。

CPIの前年同月比は今年5月の75.45%をピークとして3か月連続で低下しており、2023年7月の47.83%以来の低水準となり、PPIの前年同月比も5月の57.68%をピークとして低下して2022年10月の157.69%以降の最低としており、トルコ中銀の金融引き締め効果で順調に鈍化している。市場では年末にも利下げがあるのではとの期待も高まっているが、8月CPIの内訳では教育費が前年比121%上昇、住宅価格が101%上昇と高水準であり、トルコの実勢インフレ率を調査している民間団体のENAグループによる8月のトルコCPI上昇率は前月比3.47%、前年同月比90.35%とされ、高インフレと高金利・増税によるトルコ景気への圧迫感が続いている印象だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月26日午前と28日午前に一時的な急落で4.16円を付けてから8月29日夜高値へ切り返したために30日午前時点では28日午前安値を起点とした強気サイクルとして30日の日中から9月3日への上昇を想定したが、9月3日午前時点では連騰後の反動安も警戒されるので4.30円割れからは弱気サイクル入りとした。
9月3日午前に高値を伸ばしてから夜へ急落して4.30円を割り込んだため、3日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして5日の日中から9日昼にかけての間への下落を想定する。強気転換には4.30円を超えてさらに続伸する必要があると思われる。

60分足の一目均衡表では9月3日夜への急落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したため遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下げ再開とする。先行スパンへ潜り込み始めるところからは反騰注意とし、先行スパン突破からは上昇期入りとして遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月2日午前から3日早朝へ一段高した際に指数のピークがほぼフラットとなる弱気逆行気配がみられたために3日午前時点では60ポイント割れからは下向きとしたが、3日夜に30ポイントへ低下してからも50ポイント以下での推移に留まっているので20ポイント前後への低下余地ありとみる。強気転換には50ポイント超えからさらに続騰する上昇が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.25円を下値支持線、4.30円を上値抵抗線とする。
(2)4.29円から4.30円手前は戻り売り有利とみる。4.30円超えからは4.31円、4.32円を順次試す上昇を想定するが、4.32円を超えずに4.29円を割り込むところからは下落再開とみる。
(3)4.25円割れからは4.23円前後への下落を想定する。4.23円前後は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.22円、4.21円を順次試して行く流れとみる。

【当面の主な予定】

9月5日
 20:30 週次 外貨準備高 8月30日時点 グロス (8月23日時点 907.2億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月30日時点 ネット (8月23日時点 436.9億ドル)
9月10日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 -2.1%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 -4.7%)
 16:00 7月 失業率 (6月 9.2%)
9月11日
 16:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 1.7%)
 16:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 8.6%)
9月12日
 16:00 7月 経常収支 (6月 +4.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点



注:ポイント要約は編集部

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