トルコリラ円見通し 4.20円割れを買われて下げ渋り、今夜の米雇用統計からのドル円を追いかける(24/9/6)

トルコリラ円の9月5日は概ね4.25円から4.19円の取引レンジ、6日早朝の終値は4.22円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し 4.20円割れを買われて下げ渋り、今夜の米雇用統計からのドル円を追いかける(24/9/6)

4.20円割れを買われて下げ渋り、今夜の米雇用統計からのドル円を追いかける

〇トルコ円、9/5午前4.19へ下落、ドル円反発時に4.25まで戻し9/6早朝4.20まで下げたが、安値更新回避
〇対ドル、9/5は概ね34.06から33.75の取引レンジ、リラ安一服続き終値は34リラ以下での推移
〇昨日発表の週次の外貨準備高は減少
〇4.23から4.25手前は戻り売り有利とみるが、4.25超えからは4.27前後への上昇を想定する
〇4.19割れからは、4.17、4.15を順次試して行く下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の9月5日は概ね4.25円から4.19円の取引レンジ、6日早朝の終値は4.22円で前日終値と変わらなかった。
ドル円が5日早朝に144円を割り込んだためにトルコリラ円は5日午前に4.19円へ下落したが、ドル円が5日夜に一段安してからいったん144円台序盤へ戻してその後の反落では安値更新を回避したために、トルコリラ円は5日夜の下落時に安値更新には至らず、ドル円の反発時に4.25円まで戻してから6日早朝に4.20円まで下げたものの安値更新を回避した。

ドル円は9月3日から5日にかけて3営業日続落となり、5日の米ADP8月全米雇用報告で非農業部門就業者数増減が3年半ぶりの低水準だったことで142.84円へ下落して9月3日高値147.20円及び8月15日高値149.38円以降の安値を更新した。
6日夜の米8月雇用統計を控えているために下落一服に入っているものの買い戻しの勢いは今のところ鈍い。8月5日の世界連鎖株安と同調して急落した時の安値141.69円割れには至っていないが、日足終値ベースでは7月以降の最安値を更新しており、7月3日高値を起点とした下落が8月5日までを一段目とすれば、8月15日高値から二段目の下落期に入っている印象であり、今夜の米雇用統計をきっかけに一段安する場合は円高期が長期化する可能性も警戒される。
トルコリラ円はドル/トルコリラにおけるリラ安が一服しているものの8月28日に史上最安値を更新したばかりであり、年末にかけてリラ安基調が続くとのコンセンサスにも変わりがないため、ドル円の一段安とドル/トルコリラの史上最安値更新が重なるケースも想定しつつ8月28日の史上最安値4.16円割れを試してゆく流れと警戒したい。

【ドル/トルコリラはリラ安一服続き終値は34リラ以下での推移】

ドル/トルコリラの9月5日は概ね34.06リラから33.75リラの取引レンジ、6日早朝の終値は33.92リラで前日終値の33.99リラからは0.07リラのドル安リラ高だった。
8月28日に34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新した後は最安値更新を回避し、終値ベースでは8月27日から30日まで1ドル34リラ台で推移して8月30日終値34.07リラを終値としての最安値としたが、今週はリラ売り一服感で終値では1ドル34リラを下回っての推移を続けている。しかし33.60リラ台から33.70リラ台の高値は繰り返し売られて日足は上ヒゲが目立っており、歴史的なリラ安トレンドはまだ継続している印象だ。

ドルストレートでは米国の9月FOMCにおける大幅利下げの可能性が取り沙汰されてドル安基調にあり、ドル/トルコリラにおいてのドル高リラ安が一服している要因となっているものの、米雇用統計の悪化傾向が顕著になる場合はドルストレートの動きよりも欧米や中国の株価指数動向からの影響が大きくなることも警戒したい。
9月5日のイスタンブール100株価指数は前日比0.48%安と下落して9月3日から3営業日続落している。8月27日から戻してきたものの8月5日の世界連鎖株安による急落時に8月2日終値から開けたギャップを埋められずに一段安状態が続いており、最近のトルコ経済指標の低調さも重なり海外投資家からの投資意欲向上に寄与できずにいる。

【週次の外貨準備高は減少】

9月5日に発表された週次の外貨準備高は8月30日時点のグロスで893.3億ドルとなり8月23日時点の907.2億ドルから減少し、ネットでは408.9億ドルとなり8月23日時点の436.9億ドルから減少した。
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したが、再び増加に転じて7月後半に947億ドルまで回復したもののその後は伸び悩んでいる。ネットでは8月2日時点で514.5億ドルとして2023年6月のマイナス57億ドル以降の最高としたが、その後は400億ドル台を維持しているものの減少気味で推移している。
トルコ中銀の金融政策正常化継続とインフレ抑制のための適切な金融引き締め姿勢の維持、外貨準備高増強が海外からの信用度向上のために重要であり、外貨準備高の減少が顕著になる場合は海外投資家心理にはマイナスに影響しかねない。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月3日午前へ続伸してからの反落で4.30円を割り込んだため、4日午前時点では3日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして5日の日中から9日昼にかけての間への下落を想定した。
9月5日午前時点では米経済指標の内容次第で波乱となる可能性もあるため4.23円超えからは強気サイクル入りとしたが、5日夜に4.25円までいったん戻したため、5日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は5日夜高値を含んで10日午前にかけての間とするが、すでに弱気転換注意期とし、5日午前安値割れからは弱気サイクル入りとして10日午前から12日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月5日夜の上昇時には遅行スパンが好転しきれず先行スパンの下限に届かなかった。5日午前安値割れを回避する内はち遅行スパン好転から高値試しとし、先行スパンへ潜り込むところからは先行スパン突破を試す上昇を想定するが、5日午前安値割れからは下落が長期化する可能性も踏まえて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月5日夜に50ポイント台後半へ上昇したもののその後の反落で40ポイント近辺へ下げている。55ポイント超えからは上昇再開として60ポイント台へ向かうとみるが、40ポイント以下での推移中は下向きとし、35ポイント割れからは20ポイント台前半への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.19円を下値支持線、4.25円を上値抵抗線とする。
(2)4.23円から4.25円手前は戻り売り有利とみるが、4.25円超えからは4.27円前後への上昇を想定し、4.23円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.19円割れからは4.17円、4.15円を順次試して行く下落を想定する。4.17円以下は買い戻しも入りやすいとみるが、週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月10日
 16:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 -2.1%)
 16:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 -4.7%)
 16:00 7月 失業率 (6月 9.2%)
9月11日
 16:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 1.7%)
 16:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 8.6%)
9月12日
 16:00 7月 経常収支 (6月 +4.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点 グロス (8月30日時点 893.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点 ネット (8月30日時点 408.9億ドル)
9月13日
 16:00 9月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ予想集計)


注:ポイント要約は編集部

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