『良好なファンダメンタルズが相場を下支え。対ドル相場は年初来高値更新』
〇今週の南ア円、対ドル相場の年初来高値更新、南ア主要株価指数の堅調等に週末にかけ8.25まで上昇
〇テクニカルには日足が主要テクニカルポイント上抜け、転換線と基準線もゴールデンクロス地合い強い
〇ファンダメンタルズも南ア経済復調期待、政治安定化期待、円キャリー再開期待等がサポート
〇引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.10ー8.40
今週のレビュー(8/26−8/30)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.13円で寄り付いた後、(1)中東情勢緊迫化に端を発した地政学的リスクの高まりを背景に、週明け早々に週間安値8.06円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)対ドル相場の年初来高値更新(南アランドの対ドル相場が約1年1カ月ぶり高値圏へ上昇→南アランド円連れ高)や、(2)南ア主要株価指数の堅調推移(外国人投資家による資金流入継続期待)、(3)南アフリカの主要産品である金価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(4)南ア7月生産者物価指数(結果+4.2%、予想+4.5%)の市場予想を下回る結果(インフレ鈍化に伴う南ア中銀による早期利下げ観測再浮上→南ア経済が一段と下支えされるとの見方から南アランドに上昇圧力)、(5)南ア7月財政収支(結果799億ZAR赤字、予想1557億ZAR赤字)の良好な結果(予想比で赤字幅縮小)が支援材料となり、週末にかけて、週間高値8.25円まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/31午前3時20分現在)では、8.19円前後で推移しております。
来週の見通し(9/2−9/6)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、8/5に記録した安値7.60円をボトムに切り返すと、その後は8.10円ー8.30円をコアレンジとした底堅い動きが続いています(※対ドル相場は約1年1カ月ぶり高値圏へと急上昇)。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、200日線、一目均衡表基準線、転換線、ボリンジャーミッドバンド)を上抜けしていることや、一目均衡表転換線と基準線のゴールデンクロスが実現していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の復調期待(先週の南アCPIに続いて、今週は南アPPIも大幅鈍化→南ア中銀による早期利下げ観測台頭→利下げを通じて南ア経済が下支えされるとの期待感から南ア株・南アランドに上昇圧力)や、(2)南ア政治の安定化期待(中道右派で親ビジネス路線の最大野党・民主同盟が国民統一政府に加わったことで、外国人投資家による資金流入が増加)、(3)円キャリートレードの再開期待(7月末から8月前半に見られたパニック的なリスクオフが一服したため、南アランドと日本円の金利差に着目した円キャリートレードが再開)、(4)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(5)株式市場の世界的な持ち直し(米長期金利急低下→世界的な株高再開→リスクオンの新興国通貨買い)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
来週予定されている南ア第2四半期GDPや、南ア第3四半期BER企業信頼感指数が市場予想を上回る場合には、上記1の南ア経済の復調期待を材料に、もう一段南アランドに上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.10ー8.40
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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