南アランドWeekly インフレ鈍化で年内複数回の利下げ実施観測浮上、8.1円水準でのもみ合い継続か(8/26)

先週のランドは、20日に8.3134円まで値を戻したが、21日に発表された7月CPIが市場予想を下回ったことで売り優勢となり8.1円水準のもみ合いとなった。

南アランドWeekly インフレ鈍化で年内複数回の利下げ実施観測浮上、8.1円水準でのもみ合い継続か(8/26)

インフレ鈍化で年内複数回の利下げ実施観測浮上、8.1円水準でのもみ合い継続か

【先週の南アフリカ・ランド】

先週のランドは、20日に8.3134円まで値を戻したが、21日に発表された7月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで売り優勢となり8.1円水準のもみ合いとなった。

7月CPIは、前年比で3年ぶりの低水準となる4.6%まで低下し、南アフリカ準備銀行(SARB)が目標としているレンジ3ー6%の中間値4.5%に近づいた。市場ではSARBが9月に利下げを実施するとの見通しがほぼ確実視されていたが、想定以上の7月CPI低下を受けて、9月利下げ実施後の追加利下げ、つまり年内複数回の利下げ実施観測が一気に高まった。

インフレ鈍化に伴う年内複数回の利下げ実施観測の高まりを受けて、ランドは一時8.07円台まで下落する場面が見られた。ただ、利下げ実施に伴う南アフリカ経済への期待感などを背景に、売り一巡後は8.1円水準まで値を戻した。

ランド・円(東京時間:8月19日―8月23日)
※Investing.comの日足を参照

始値:8.2650円
高値:8.3134円
安値:8.0756円
終値:8.1466円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間

8月21日
17時00分、7月消費者物価指数(前月比)、前回:0.1%、市場予想:0.6%、結果:0.4%
17時00分、7月消費者物価指数(前年比)、前回:5.1%、市場予想:4.8%、結果:4.6%
8月29日
18時30分、7月生産者物価指数(前月比)、前回:−0.3%
18時30分、7月生産者物価指数(前年比)、前回:4.6%
8月30日
15時00分、7月マネーサプライM3、前回:4.19%
21時00分、7月貿易収支、前回:242億ランド

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のランドは、年内複数回の利下げ実施観測が浮上したことで、今後の方向感を探るもみ合い推移となりそうだ。

今週発表される7月生産者物価指数(PPI)も前月水準を大きく下回れば、先々のインフレ鈍化が強まり、年内複数回の利下げ実施観測の確度がより高まることとなろう。市場では、原油価格が低位安定していることや、2020年以降の緩やかとしたランド高の影響で、9月の南ア国内のエネルギー基準価格が引き下げられることで、インフレ率が低下する可能性も指摘されている。

不透明な中東情勢次第で原油価格は大きく動く可能性はあるが、インフレ鈍化に伴う年内複数回の利下げ実施の流れはほぼ既定路線となりつつある。もっとも、利下げ実施によって南アフリカ経済はプラスとなることから、ランド安は一時的との見方もできる。

テクニカルでは、8月5日に長い下影(下ヒゲ)を残した後、反発基調を強めていたが、足元反発は一服。7月11日高値8.9846円から8月5日安値7.6020円の下落幅1.3826円の61.8%戻し水準の8.45円をターゲットとした動きはいったん止まったと考える。日足の一目均衡表の基準線が下向きとなっており方向感はつかみにくい。なお、20日移動平均線水準で推移しているが、同線はまだ下向きなので下値支持としては意識しにくい。足元のインフレ鈍化や年内複数回の利下げ実施観測などを整理する意味合いから、今週は8.1円水準でのもみ合い相場となりそうだ。

インフレ鈍化で年内複数回の利下げ実施観測浮上、8.1円水準でのもみ合い継続か

南アフリカランド円日足

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