南アランド円週報:『外国人投資家による資金流入期待が南アランドを下支え』(8/24朝)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、8/5に記録した約7カ月ぶり安値7.60円をボトムに反発に転じると、今週前半にかけて一時8.31円まで急伸しました

南アランド円週報:『外国人投資家による資金流入期待が南アランドを下支え』(8/24朝)

『外国人投資家による資金流入期待が南アランドを下支え』

〇今週の南ア円、週初南ア株の上昇、対ドル相場年初来高値更新等に8.31まで上昇
〇買い一巡後は、南ア指標の悪化、早期利下げ観測再燃に8.07まで反落、8.17レベルで越週
〇テクニカルには日足が200日移動平均線を上抜け、転換線と基準線のゴールデンクロスも実現
〇ファンダメンタルズも南ア政治安定化期待、経済復調期待、円キャリー再開期待等がサポート
〇引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.05ー8.40

今週のレビュー(8/19−8/23)

今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.26円で寄り付いた後、(1)対ドル相場の年初来高値更新(南アランドの対ドル相場が昨年7月以来、約1年1カ月ぶり高値更新→南アランド円連れ高)や、(2)南ア株の史上最高値更新(外国人投資家による資金流入期待)、(3)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の堅調推移が支援材料となり、翌8/20にかけて、週間高値8.31円まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)南ア6月景気先行指数(結果111.4、前回111.9)の前月比悪化や、(5)南ア7月消費者物価指数(結果+4.6%、予想+4.8%)および、(6)南ア7月コアCPI(結果+4.3%、予想+4.5%)の市場予想を下回る結果、(7)上記5、6を背景とした南ア中銀による早期利下げ観測再燃(CPIが3.0%ー6.0%のインフレターゲットレンジの中央値に近づいたことで南ア中銀による利下げサイクルの開始が濃厚に→次回9月会合に加えて、11月会合でも追加利下げに踏み切るのではないかとの見方が台頭)が重石となり、週末にかけて、週間安値8.07円まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)パウエルFRB議長によるハト派的な発言(米金利低下→南アランド買い)が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間8/24午前1時50分現在)では、8.17円前後まで持ち直す動きとなっております。

来週の見通し(8/26−8/30)

南アランドの対円相場(ZARJPY)は、8/5に記録した約7カ月ぶり安値7.60円をボトムに反発に転じると、今週前半にかけて一時8.31円まで急伸しました(対ドル相場は昨年7/31以来となる約1年ぶり高値を更新)。この間、日足ローソク足が200日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルの予兆となり得る転換線と基準線のゴールデンクロスも実現するなど、テクニカル的に見て、地合いの回復を印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカの政治基盤の安定化期待(国民統一政府の中に中道右派の親ビジネス路線の最大野党・民主同盟が含まれたことで、外国人投資家による資金流入期待が増加)や、(2)南ア経済の復調期待(南アフリカのインフレ鈍化は、南ア中銀による利下げ再開を通じて、南ア経済を下支えする公算大→従って、南ア中銀による利下げ開始が南アランド売りに繋がる可能性は乏しく、むしろ、南ア経済の復調期待を背景に株高→南アランド買いに繋がる可能性大)、(3)円キャリートレードの再開期待(8月前半に見られたパニック的な相場が一服したため、南アランドと日本円の金利差に着目した円キャリートレードが再開する可能性あり)、(4)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)、(5)南ア主要株価指数の史上最高値更新(リスクオンの南アランド買い)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/29に予定されている南ア7月生産者物価指数と、8/30の南ア7月貿易収支に注目が集まります。

来週の予想レンジ(ZARJPY):8.05ー8.40

注:ポイント要約は編集部

『外国人投資家による資金流入期待が南アランドを下支え』

南アランド円日足

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