反発基調は継続へ、61.8%戻しの8.45円をターゲット
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、リスクオフに伴う主要通貨に対する円全面高が一服したことや、強い6月小売売上高の結果などを受けて反発優勢となった。
7月上旬から続いた投機筋による円売りポジションの巻き戻しは一巡したとの見方から、主要通貨に対する円全面高はようやく一服した。日米ともに株は持ち直し、米VIX、日経平均VIはともに低下したことから、先行き不透明感は大幅に和らいだ。
また、13日の第2四半期失業率は市場予想、前月比ともに悪化した一方、14日の7月SACCI景況感指数、6月小売売上高が強い数字となったことから経済復調期待が先行。主要株価指数のヨハネスブルク40が史上最高値を更新したことも投資家心理を刺激し、ランドは7月31日以来の8.31円水準まで値を戻した。
ランド・円(東京時間:8月12日―8月16日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.0089円
高値:8.3108円
安値:8.0084円
終値:8.2624円
【先週と今週の重要指標】
※時間は東京時間
8月13日
18時30分、第2四半期失業率、前回:32.9%、市場予想:31.9%、結果:33.5%
8月14日
18時30分:7月SACCI景況感指数、前回:107.8、結果:109.1
20時00分、6月小売売上高、前回:1.1%、市場予想:0.9%、結果:4.1%
8月21日
17時00分、7月消費者物価指数(前月比)、前回:0.1%
17時00分、7月消費者物価指数(前年比)、前回:5.1%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、引き続き経済復調期待などを背景に反発基調を強めると想定する。7月消費者物価指数(CPI)に関心が向かいそうだが、市場は既に南アフリカ準備銀行(SARB)が9月利下げを実施すると見込んでいることから、7月CPIはインフレ鈍化を示すとの想定。
2月CPIは前年比5.6%上昇、3月は同5.3%上昇、4月は同5.2%、5月は同5.2%上昇、6月は同5.1%と10カ月連続で5%台を維持しており、SARBが目標としている3−6%のレンジ内で落ち着いている。欧州中央銀行、英中央銀行が既に一回利下げし、カナダ中央銀行は既に2会合連続で利下げを実施、米連邦準備制度理事会は9月会合での利下げ実施の公算が大きい。こうした世界情勢も影響して、SARBも9月会合での利下げを実施するだろう。
市場では、ほぼ想定線の状況となっていることから利下げに関する影響は限定的となり、足元のランド反発基調は続くと考える。
テクニカルでは、5日に長い下影(下ヒゲ)を残した後、反発基調を強めている。日足の一目均衡表では、転換線が上向きに転じており、横ばいの基準線を上回った。20日移動平均線、200日移動平均線もクリアしたことから、じりじりとした反発は継続と考える。
目先のターゲットは、7月11日高値8.9846円から8月5日安値7.6020円の下落幅1.3826円の50%戻し水準8.29円を既に達成していることから、61.8%戻し水準の8.45円が意識されよう。
南アフリカランド円日足
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