トルコリラWeekly 5日の史上最安値を更新、地政学リスクが意識されて一段安か(24/8/26)

先週のトルコリラは、エルドアン大統領リスクの高まりから下落、週末には4.2350円と8月5日につけた対円での史上最安値4.2438円を更新した。

トルコリラWeekly 5日の史上最安値を更新、地政学リスクが意識されて一段安か(24/8/26)

5日の史上最安値を更新、地政学リスクが意識されて一段安か

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、エルドアン大統領リスクの高まりから下落、週末には4.2350円と8月5日につけた対円での史上最安値4.2438円を更新した。

20日、トルコ中央銀行(トルコ中銀)は、主要政策金利を50%に据え置くと決定した。据え置きは5カ月連続。トルコ中銀はインフレのリスクを引き続き警戒していると繰り返し、利下げ開始時期に関する話はほとんど行わなかった。

トルコ中銀は声明で「第3四半期に関する指標では内需が引き続き鈍化し、インフレの影響が弱まっていることを示唆している」と言及。利下げ開始時期のタイミングを示唆するものとしては、「インフレ期待と中銀のディスインフレ予測との整合性に一層注目している」といった内容に留まった。

トルコのインフレ率は6月から低下傾向にあり、トルコ中銀は8月上旬、24年末のインフレ率を38%、25年末のインフレ率を14%に据え置き、26年末には9%まで鈍化するとの予測を示した。

トルコ中銀の政策金利据え置き及び声明内容はほぼ市場予想通りの内容となったが、市場では、エルドアン大統領がパレスチナ支援姿勢を強めていることがトルコリラ安の要因となった。週末にかけてじりじりと下げ足を強め、一時4.2350円と8月5日につけた対円での史上最安値4.2438円を更新した。


トルコリラ・円(東京時間:8月19日―8月23日)
※Investing.comの日足を参照

始値:4.3830円
高値:4.3942円
安値:4.2350円
終値:4.2500円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間

8月20日
20時00分、トルコ中銀政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%、結果:50.00%
8月22日
16時00分、8月消費者信頼感指数、前回:75.90、結果:76.40
8月26日
16時00分、8月設備稼働率、前回:75.9%
8月28日
16時00分、7月貿易収支、前回:−58.7億ドル

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、エルドアン大統領のパレスチナ肩入れという地政学リスクが引き続き重しとなり史上最安値更新の地合いとなりそうだ。市場の混乱が要因となって急落した8月5日の安値を割り込んだとことの影響は大きいと考える。

地政学リスクの高まりは、トルコ経済や金融政策の持ち直しなどを背景にトルコへ投資を検討もしくは実施していた欧米資金の退避につながる。中東情勢の混乱が長期化し、エルドアン大統領の親パレスチナ・親ハマスの色合いが強まれば強まるほど、海外から流入した資金は国外に流出するだろう。

欧米資金の国外流出の実態は不明だが、思惑先行で既にトルコリラは対ドル、対円で史上最安値を更新している。足元のトルコリラ安を受けて、沈黙していたエルドアン大統領による不用意な金融・財政政策に対する発言が出る可能性も意識されよう。仮にトルコ中銀総裁の更迭などの話が出た場合、トルコリラは一段安の地合いとなる公算が大きい。

テクニカルでは、8月5日の安値を割り込んだことで下へのバイアスが強まりやすくなっている。日足の一目均衡表では、転換線、基準線ともに下向きでトレンドは非常に弱い。20日移動平均線を意識した反発も見られないことから一段安の地合いに警戒したい。

5日の史上最安値を更新、地政学リスクが意識されて一段安か

トルコリラ円日足

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