トルコリラ円見通し 一時4.16リラをつけ最安値更新、ドル/トルコリラも連日の史上最安値更新(24/8/27)

トルコリラ円の8月27日は概ね4.26円から4.16円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.25円で先週末終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し 一時4.16リラをつけ最安値更新、ドル/トルコリラも連日の史上最安値更新(24/8/27)

一時4.16リラをつけ最安値更新、ドル/トルコリラも連日の史上最安値更新

〇トルコ円、ドル円一段安・ドル高リラ安も続く中、8/26午前4.16へ急落、取引時間中の史上最安値更新
〇その後急落から持ち直し、8/27早朝に4.26を付ける
〇対ドル、8/26は概ね34.06から33.70の取引レンジ、取引期時間中及び終値ベースの史上最安値更新
〇トルコ製造業信頼感は4か月連続で悪化、トルコ製造業関連の経済指標は総じて弱い
〇4.22を上回るうちは上昇余地ありとし、4.27超えからは4.29前後への上昇を想定する
〇4.22割れからは下落再開とみて、4.20、4.18、4.16を順次試して行く下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の8月27日は概ね4.26円から4.16円の取引レンジ、27日早朝の終値は4.25円で先週末終値と変わらなかった。
8月26日午前にドル円が一段安となりドル高リラ安も続く中で一時4.16円へ急落して取引時間中の史上最安値を更新した。26日午前安値はベンダーによって4.20円や4.18円があるが、いずれも史上最安値更新となっている。
ドル円が8月26日午前に143.45円へ下落して8月16日早朝高値149.38円以降の最安値としたところから27日早朝高値144.65円まで戻したため、トルコリラ円も午前序盤の急落から持ち直して27日早朝に4.26円を付けたが、ドル円は8月16日早朝高値を起点として戻り高値を切り下げてから一段安を繰り返す右肩下がりの展開を続けており、米国の9月利下げ開始見通しと日銀の年内追加利上げ追及姿勢により円買いドル売り圧力は継続しているためにトルコリラ円もドル円の反発時に戻したところからドル円の下落再開時に一段安しやすい状況が続いている。

【ドル/トルコリラは取引期時間中及び終値ベースの史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの8月26日は概ね34.06リラから33.70リラの取引レンジ、27日早朝の終値は33.97リラで先週末終値33.96リラから0.01リラのドル高リラ安だった。
5月14日高値31.89リラを起点としたリラ安基調が続いており7月後半からは徐々に勢いが増している。8月23日に34.01リラを付けて初めて1ドル34リラ台に到達したが週明けの26日も34.06リラへ取引時間中の最安値を更新し、日足終値ベースでも23日終値から続落となり史上最安値を更新した。8月27日午前も34.04リラから33.80リラのレンジで推移して最安値更新を伺っている。

8月26日にNYダウは史上最高値を更新して8月5日にかけての世界連鎖株安による暴落を解消して一段高に入り始めたが、トルコのイスタンブール100株価指数は先の連鎖株安発生での心理的悪影響やトルコ景気の低調さが勝って低迷が続き、8月26日は前日比1.06%安となり23日の2.55%安から続落して8月5日以降の下げ渋り型持ち合いから転落して7月18日の年初来高値以降の最安値を更新している。トルコ株安とリラ安が海外投資家からの買い意欲後退を示唆している印象だ。

【トルコ製造業信頼感は4か月連続で悪化】

トルコ金融政策の正常化と中銀の引き締め政策、増税と緊縮財政、外貨準備高増強、大手格付け機関によるトルコ格付けの引き上げ等の中長期的なトルコ投資へ向けた前向き材料はあるものの、実体経済はまだ弱く、年末にかけてドル高リラ安値が継続してゆくという市場のコンセンサスは変わらない。
8月26日に発表されたトルコ中銀による8月製造業信頼感指数は98.5となり7月の100.3から悪化した。今年4月の106.1をピークとして4か月連続の低下となり、2023年5月の108.3以降の最低とした。8月の設備稼働率も75.4%となり7月の75.9%から悪化したが2023年11月の78.0%以降の最低としている。
最近のトルコ製造業関連の経済指標は総じて弱く、高金利と高インフレに増税も重なって景気拡大へのきっかけをつかめずにいる印象だ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは8月24日早朝への下落で22日午前安値を割り込んだために23日午前時点では22日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしたが、26日午前に4.20円割れへ急落してから4.26円へ反騰したため、26日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は27日の日中から29日夜にかけての間とするが、戻りは短命の可能性もあると注意し、4.22円割れからは弱気サイクル入りとして29日午前から9月2日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月27日早朝への上昇で遅行スパンが好転して先行スパン突破に挑戦しているため遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、遅行スパンが再び悪化するところからは下落再開として安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は8月26日午前に20ポイント台へ低下してから50ポイント超えへ戻したため60ポイント台前半への上昇余地ありとするが、40ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.22円を下値支持線、4.27円を上値抵抗線とする。
(2)4.22円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.27円超えからは4.29円前後への上昇を想定する。4.29円前後は反落警戒とするが、4.24円を上回っての推移なら28日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.22円割れからは下落再開とみて4.20円、4.18円、4.16円を順次試して行く下落を想定する。4.20円前後ではいったん買われやすいと注意するが4.22円以下での推移なら28日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月28日
 16:00 7月 貿易収支確報 (6月 -59.0億ドル)
8月29日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 94.4)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 グロス (8月16日時点 941.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 ネット (8月16日時点 477.8億ドル)
9月2日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 2.4%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 5.7%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 47.2)
9月3日
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 3.23%)
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 61.78%)


注:ポイント要約は編集部

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