トルコ円見通し 終値ベースの最安値更新、ドル/トルコリラの終値最安値連日更新と円高再燃(24/8/28)

トルコリラ円の8月27日は概ね4.27円から4.22円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.23円で前日終値の4.25円から0.02円の円高リラ安だった。

トルコ円見通し 終値ベースの最安値更新、ドル/トルコリラの終値最安値連日更新と円高再燃(24/8/28)

終値ベースの最安値更新、ドル/トルコリラの終値最安値連日更新と円高再燃

〇トルコリラ円、ドル円の反落と共に8/27夕刻から失速、8/28午前序盤には4.20つけて続落気配
〇対ドル、8/27は概ね34.04から33.80の取引レンジ、終値ベースの史上最安値を連日更新
〇イスタンブール100株価指数、一時9523.25つけ年初来高値以降の最安値更新
〇世界連鎖株安による下落後の持ち合いから下抜けた状況に留まる
〇8/28、トルコ7月貿易収支確報の発表予定
〇4.23から4.25手前は戻り売り有利とみる
〇4.20割れからは4.18、4.16順次試して行く下落想定

【概況】

トルコリラ円の8月27日は概ね4.27円から4.22円の取引レンジ、28日早朝の終値は4.23円で前日終値の4.25円から0.02円の円高リラ安だった。
8月26日午前にドル円が一段安した局面で一時4.16円(ベンダーによっては4.20円や4.18円等)へ急落して取引時間中の史上最安値を更新し、27日は安値更新を回避したものの終値ベースでは最安値更新となった。

ドル円は8月23日のパウエルFRB議長講演における9月利下げ開始姿勢をきっかけとしたドル全面安で直前高値146.47円から144円台序盤へ急落し、26日午前に143.45円まで下げてからいったん買い戻されて27日夕には145.17円を付けたものの28日早朝に144円を割り込み28日午前も続落している。

日銀の年内追加利上げ姿勢と米国の9月からの利下げ開始の政策姿勢の差が顕著となる中で8月16日早朝高値149.38円からの下落基調を続けている印象であり、トルコリラ円に対しても円高圧力が暫く続きやすい状況と思われる。本日は10時30分から氷見野日銀副総裁が懇談会に出席、14時から会見を行うので注目したい。
トルコリラ円は8月20日終値4.28円で世界連鎖株安と急激な円高でつけた8月6日終値4.29円を割り込んで終値ベースの最安値を更新した後も続落しており、8月5日安値4.24円を26日午前の急落で割り込み取引時間中の史上最安値を更新してからやや戻したもののドル円の反落と共に27日夕刻から失速して28日朝に4.22円へ下落したが、28日午前序盤には4.20円を付けて続落気配としており、円高とドル高リラ安が続く場合には取引時間中の史上最安値更新へ進むことも懸念される。

【ドル/トルコリラは終値ベースの史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの8月27日は概ね34.04リラから33.80リラの取引レンジ、28日早朝の終値は34.00リラで前日終値の33.97リラから0.03リラのドル高リラ安だった。
8月23日に34.01リラを付けて初めて1ドル34リラ台に到達して26日に34.06リラへ取引時間中の最安値を更新したが、27日安値は34.06リラに留まったものの終値としては初めて34リラ台に到達して終値ベースでは連日の史上最安値更新となった。
NYダウが米国の9月利下げ開始見通しで史上最高値を連日更新しており、トルコのイスタンブール100株価指数も27日は前日比1.91%高と上昇したが一時は9523.25を付けて7月18日の年初来高値11252.11以降の最安値を更新しており8月5日にかけての世界連鎖株安による下落後の持ち合いから下抜けた状況に留まっており、世界連鎖株安の後遺症から抜け出せていない印象であり、トルコ株安とリラ安が負の連鎖状態にある印象だ。

【今夕にトルコ貿易収支確報の発表】

8月28日16時にトルコ統計局による7月貿易収支確報の発表がある。貿易省による通関ベースの貿易収支速報は72億ドルの赤字であり、貿易赤字確報に対する市場予想は6月の59億ドルか72億ドルへの悪化が見込まれている。貿易赤字は2023年1月に1430億ドルに拡大して過去最悪としてからやや持ち直したものの赤字解消には遠く、2023年9月に51億ドルまで減った後は再び増大傾向にある。
トルコの貿易赤字を海外観光客収入と海外からの投資で埋め合わせても経常赤字構造から抜け出せずにいるが、欧米が利下げへ向かうのは景気減速とインフレ鈍化であり、中国の景気低迷も続き、イスラエルと断交状態となる中では輸出拡大による勢いを伴った景気回復も難しいところと思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月26日午前に4.20円割れへ急落してから4.25円超えへ反騰したために27日午前時点では26日午前安値を直近のサイクルボトムとし、トップ形成期を27日の日中から29日夜にかけての間としたが、戻りは短命の可能性もあるとして4.22円割れからは弱気サイクル入りとした。
8月28日午前に4.20円まで下げているため、27日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして29日午前から9月2日午前にかけての間への下落を想定する。強気転換には4.25円に迫るような勢いある反騰が必要と思われる。

60分足の一目均衡表では8月28日朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したため遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開として安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は8月27日夕に60ポイント近辺へ上昇したものの28日午前への下落で30ポイント近辺へ下げているため下落再開中とし、40ポイントから45ポイントにかけては戻り売り有利とし、20ポイント以下への低下を警戒する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.20円を下値支持線、4.25円を上値抵抗線とする。
(2)4.23円から4.25円手前は戻り売り有利とみる。
(3)4.20円割れからは4.18円、4.16円を順次試して行く下落を想定する。4.16円前後ではいったん買われやすいと注意するが4.22円以下での推移なら29日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月28日
 16:00 7月 貿易収支確報 (6月 -59.0億ドル、予想 -72億ドル)
8月29日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 94.4)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 グロス (8月16日時点 941.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 ネット (8月16日時点 477.8億ドル)
9月2日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 2.4%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 5.7%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 47.2)
9月3日
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 3.23%)
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 61.78%)



注:ポイント要約は編集部

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