ドル円見通し 144円割れから戻すも8月16日以降は右肩下がりの展開範囲で円高圧力続く(24/8/27)

8月27日早朝に144.65円まで戻したものの145円に届く勢いは示されず27日午前は144円台序盤へ下げている。

ドル円見通し 144円割れから戻すも8月16日以降は右肩下がりの展開範囲で円高圧力続く(24/8/27)

ドル円見通し 144円割れから戻すも8月16日以降は右肩下がりの展開範囲で円高圧力続く

〇ドル円、8/26午前143.45へ下落、その後目先の円買い一服で8/27早朝に144.65まで戻す
〇しかし145円に届く勢いは示されず、8/27午前は144円台序盤へ下げる
〇米長期債利回りは総じてやや上昇、ダウは取引時間中・終値ベースともに史上最高値更新
〇144円を上回るうちは一段高余地ありとし、144.70超えからは145円台序盤を試すとみる
〇144円割れからは、8/26午前安値143.45、143.00、142.75を順次試して行く下落を想定する

【概況】

ドル円は8月5日安値141.69円への大幅下落一巡により8月16日早朝高値149.38円まで戻してこの間の上昇幅は7.69円となったが、その後は戻り一巡による下落再開ムードに入り、8月21日夜の米労働省による雇用統計年次改定での大幅下方修正、8月23日の日銀植田総裁による国会答弁での年内追加利上げ模索姿勢、8月23日夜のジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の9月利下げ開始姿勢と円買いドル売り材料が相次いだために8月26日午前には143.45円へ下落して8月16日早朝からの下げ幅は5.93円に拡大した。目先の円買い一服で8月27日早朝に144.65円まで戻したものの145円に届く勢いは示されず27日午前は144円台序盤へ下げている。

8月26日夜に米商務省が発表した7月耐久財受注は前月比9.9%増と市場予想の4.2%増を大幅に上回り6月の6.9%減から改善したが、設備投資の先行指標である航空機除く非国防資本財受注は前月比0.1%減で6月の0.5%増から悪化したため市場の反応は鈍かった。
市場の関心は今週末の7月個人消費支出デフレーターの伸びが利下げ判断を妥当とするかどうかに向かっている。米金利先物市場においては9月利下げ開始が確実視されているものの利下げ幅については0.25%の通常利下げが多数派であり0.50%の大幅利下げを見込むのは3割程度とされている。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は8月26日に「利下げに動く時が到来している」と述べてパウエルFRB議長の9月利下げ開始姿勢を支持した。

【米長期債利回りは小幅上昇、ダウは史上最高値更新】

8月26日の米長期債利回りは総じてやや上昇した。パウエル議長等による9月利下げ開始姿勢を踏まえて低下傾向にあるものの目先は低下一服でやや様子見の様相だ。
長期金利指標の10年債利回りは先週末比0.02%上昇の3.82%、30年債利回りは同0.02%上昇の4.11%、政策金利動向に敏感な2年債利回りは同0.02%上昇の3.94%だった。

一方で9月利下げ開始期待によりNYダウは先週末比65.44ドル高と上昇して23日の462.30ドル高からの連騰とし、高値で41420.05ドルを付けて取引時間中の史上最高値を更新し、終値41240.52ドルで7月17日終値を超えて終値ベースの最高値も更新した。8月2日の米雇用統計悪化からの世界連鎖株安による大幅下落をV字反騰で解消した。
ナスダック総合指数は先週末比152.02ポイント安と下落した。8月22日に18000ポイント台を付けてから前日比299.64ポイント安と反落したもののその後は22日の高安レンジ内で高止まりしている。S&P500指数も先週末比17.77ポイント安と下落したが一時5651.62を付けて8月5日安値5119.26以降の最高値として7月16日の史上最高値5669.67へ迫ってきている。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は8月26日午前安値143.45円から戻しているものの23日夜からの下落幅に対して半値を戻せずにいるため8月22日夜高値を起点とした下落を継続中とみて144円割れからは下落再開として27日の日中から29日午前にかけての間への下落を想定する。145円超えからはいったん戻しに入るとみて27日夜から29日深夜にかけての間への上昇を想定するが、8月22日夜高値146.52円を超えなければ8月16日早朝高値149.38円を起点とした右肩下がりの展開が続くと考える。

60分足の一目均衡表で8月26日午前安値からの上昇で遅行スパンが好転したが先行スパンからの転落状態も続いている。遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンを突破する場合は上昇がさらに勢い付くとみるが、先行スパンを上抜けないうちは遅行スパンが悪化するところから下落再開とする。

60分足の相対力指数は8月26日午前の20ポイント台から50ポイント超えまで戻した。55ポイント超えからは60ポイント台前半への上昇を想定するが、60ポイントに届かないうちは戻り一巡後の下落再開に注意し、40ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、144.00円を下値支持線、144.70円を上値抵抗線とする。
(2)144円を上回るうちは一段高余地ありとし、144.70円超えからは145円台序盤(145.00円から145.25円)を試すとみるが145円以上は戻り売りにつかまりやすいとみてその後に144.50円を割り込むところからは下落再開と考える。
(3)144.70円以下での推移中は下向きとし、144円割れからは8月26日午前安値143.45円、143.00円、142.75円を順次試して行く下落を想定する。143円割れは買われやすいとみるが、144円以下での推移なら28日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

8/27(火)
15:00 (独) 9月 GFK消費者信頼感 (8月 -18.4、予想 -18.2)
15:00 (独) 4-6月期 GDP・改定値 前期比 (速報 -0.1%、予想 -0.1%)
15:00 (独) 4-6月期 GDP季調済・改定値 前年同期比 (速報 -0.1%、予想 -0.1%)
15:00 (独) 4-6月期 GDP季調前・改定値 前年同期比 (速報 0.3%、予想 0.3%)
22:00 (米) 6月 FHFA住宅価格指数 前月比 (5月 0.0%、予想 0.1%)
22:00 (米) 6月 ケース・シラー住宅価格指数 前年同月比 (5月 6.8%、予想 6.0%)
23:00 (米) 8月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (7月 100.3、予想 100.7)
23:00 (米) 8月 リッチモンド連銀製造業指数 (7月 -17)

8/28(水)
05:30 (米) API(米石油協会)週間石油在庫統計
10:30 (豪) 7月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (6月 3.8%、予想 3.4%)
23:30 (米) エネルギー省EIA週間石油在庫統計


注:ポイント要約は編集部

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