トルコリラ円見通し ドル/トルコリラは34リラ台到達、円高圧力も続き史上最安値更新(24/8/26)

トルコリラ円の8月23日は概ね4.32円から4.24円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.25円で前日終値の4.30円から0.05円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル/トルコリラは34リラ台到達、円高圧力も続き史上最安値更新(24/8/26)

ドル/トルコリラは34リラ台到達、円高圧力も続き史上最安値更新

〇トルコリラ円、円高とリラ安の両面から圧され、8/23終値4.25へと大幅に切り下げ最安値更新
〇対ドル、8/23は概ね34.01から33.70の取引レンジ、5週連続のドル高リラ安
〇トルコ中銀、政策金利5会合連続据え置きインフレ鈍化する見通し示すも、リラ安基調の歯止めにならず
〇ドル円が劇的に反騰期に入るか対ドルでリラ高へ風向き変わる新材料出ないうちは安値試し続けやすい
〇4.27以下での推移中は一段安警戒、4.22割れからは4.20、4.18を順次試してゆく下落想定
〇4.27超えからは4.29前後への上昇を想定するがその後に4.27割り込むところから下落再開とみる

【概況】

トルコリラ円の8月23日は概ね4.32円から4.24円の取引レンジ、24日早朝の終値は4.25円で前日終値の4.30円から0.05円の円高リラ安だった。
ドル高リラ安が収まらずに23日は1ドル34リラ台に到達して史上最安値を更新したが、パウエルFRB議長がジャクソンホール講演で9月利下げ開始を明言したことによりドル円が一段安したため、トルコリラ円は円高とリラ安の両面から圧された。取引時間中の史上最安値は8月5日安値4.2385円だったが23日安値で4.2369円を付けており小数点下四桁では最安値を更新した。終値もそれまでの最安値だった8月6日終値4.29円に対して8月20日終値4.29円を割り込み21日終値4.28円へ続落していたが、23日終値も4.25円へ大幅に切り下げて最安値更新とした。
週間では8月16日終値4.38円から0.13円の円高リラ安、8月23日終値時点の月間は7月31日終値4.53円から0.28円の円高リラ安となっている。

【ドル/トルコリラは取引時間中及び終値ベースの史上最安値更新】

ドル/トルコリラの8月23日は概ね34.01リラから33.70リラの取引レンジ、24日早朝の終値は33.96リラで前日終値の33.88リラから0.08リラのドル高リラ安だった。
5月27日高値31.89リラを起点としてリラ安基調が続いており、8月16日に33.84リラを付けて8月6日安値33.77リラを超え、20日に33.95リラ、21日に33.98リラと安値を切り下げ、23日は34.01リラへ取引時間中の史上最安値を更新して初めて1ドル34リラ台に到達した。日足終値ベースでも23日終値で史上最安値を更新している。
週間では8月16日終値33.66リラから0.30リラのドル高リラ安となり4週連続の史上最安値更新で5週連続のドル高リラ安、8月23日時点の月間では3か月連続のドル高リラ安及び史上最安値更新となった。

【年末にかけてのリラ安継続感と円高警戒感】

トルコ中銀は8月20日の金融政策決定会合で政策金利の週間レポレートを50%として5会合連続の据え置きとし、年末にかけてインフレはさらに鈍化する見通しを示したが、リラ安基調の歯止めにはなっていない。
トルコ金融政策の正常化と中銀の引き締め政策、財務相の増税と緊縮財政導入、外貨準備高増強、大手格付け機関によるトルコ格付けの引き上げ等により海外からの投資意欲は徐々に回復しているところだが、トルコ経済はかつての高成長を取り戻せずに低迷が続いており、8月16日に公開されたトルコ中銀によるエコノミストらに対する市況調査(月次ビジネスサーベイ)では2024年末の為替レート予想中央値が1ドル37.2760リラとされて年初の1ドル40リラ近辺からは低下してきているものの、8月23日時点でついに34リラ台に到達した現状からはさらにリラ安が続くとの見方がコンセンサスとなっている。

ドル高リラ安基調に加えてドル円も8月5日への暴落後の戻り一巡で8月16日早朝高値149.38円から24日早朝安値144.05円へ下落しており、8月5日安値141.69円へ徐々に迫っている。日銀は7月31日に0.25%程度への追加利上げを行ったことが8月5日にかけての急激な円高要因となったが、8月23日に植田総裁が国会答弁で利上げ継続姿勢を示したこと、23日夜にパウエルFRB議長が9月からの利下げ開始を明言したことにより円高基調が続きやすい状況となっている。
トルコリラ円としては対ドルでのリラ安と円高の両面から押し下げられやすい状況のため、ドル円が劇的に反騰期に入るか、対ドルでのリラ高へ風向きが変わる新材料が出てこないうちは安値試しを暫く続けやすい状況と思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月22日午前安値からの反発で21日夜高値に迫ったために23日午前時点では22日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしたが、日銀総裁の国会答弁次第で波乱注意とし、22日午前安値割れからは弱気サイクル入りとした。
8月24日早朝への下落で22日午前安値を割り込んだため、22日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして27日朝から29日午前にかけての間への下落を想定する。目先の上値抵抗線は4.27円までとし、4.47円超えからは強気転換注意とするが4.29円前後で戻り売りにつかまりやすいとみる。

60分足の一目均衡表では8月24日早朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落したため遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンからの転落中は遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開とみる。

60分足の相対力指数は8月2日夜に50ポイント台へ戻したものの24日早朝への下落で30ポイントを一時割り込んだため、40ポイント以下での推移中は10ポイント台への一段安余地ありとし、40ポイントから50ポイント手前にかけては戻り売りにつかまりやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.22円を下値支持線、4.27円を上値抵抗線とする。
(2)4.27円以下での推移中は一段安警戒とし、4.22円割れからは4.20円、4.18円を順次試してゆく下落を想定する。4.20円以下は反騰注意とするが、4.25円を下回っての推移なら27日も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.27円超えからは4.29円前後への上昇を想定するがその後に4.27円を割り込むところから下落再開とみる。

【当面の主な予定】

8月26日
 16:00 8月 製造業信頼感指数 (7月 100.3)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 75.9%)
8月28日
 16:00 7月 貿易収支確報 (6月 -59.0億ドル)
8月29日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 94.4)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 グロス (8月16日時点 941.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 ネット (8月16日時点 477.8億ドル)
9月2日
 16:00 4-6月 GDP 前期比 (1-3月 2.4%)
 16:00 4-6月 GDP 前年同期比 (1-3月 5.7%)
 16:00 8月 イスタンブール製造業PMI (7月 47.2)
9月3日
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (7月 3.23%)
 16:00 8月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (7月 61.78%)



注:ポイント要約は編集部

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