トルコリラ円見通し ドル円を追いかけ22日早朝から戻す、日銀総裁とFRB議長発言次第で波乱も(24/8/23)

トルコリラ円の8月22日は概ね4.32円から4.26円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.30円で前日終値の4.28円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円を追いかけ22日早朝から戻す、日銀総裁とFRB議長発言次第で波乱も(24/8/23)

ドル円を追いかけ22日早朝から戻す、日銀総裁とFRB議長発言次第で波乱も

〇トルコリラ円、8/22午前安値4.25へ続落して、8/5の史上最安値4.24に迫る
〇その後ドル円の反発をみて8/22早朝安値から戻したが、4.32前後に抵抗感みられる
〇対ドル、8/22は概ね33.95から33.71の取引レンジ、終値ベースの史上最安値を3日連続で更新
〇外貨準備高はグロス・ネットともに前週から増加
〇4.28を上回るうちは上昇余地ありとし、4.33超えからは4.35前後への上昇を想定する
〇4.28割れからは4.25試しとし、4.25割れからは4.23、4.21を順次試してゆく下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の8月22日は概ね4.32円から4.26円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.30円で前日終値の4.28円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル円が大幅下落一巡後の反騰に入ったのを見ながらトルコリラ円は8月5日安値4.24円から8月15日夜高値4.44円へ上昇したが、ドル円が8月16日早朝高値から下落に転じたのを追いかけて20日終値4.28円で8月6日終値4.29円を割り込み終値ベースの史上最安値を更新し、22日午前安値4.25円へ続落して8月5日に付けた取引時間中の史上最安値4.24円に迫った。

ドル円は8月21日夜の米雇用統計年次改定からの乱高下で一時的に146.86円へ上昇してから急落し、22日早朝のFOMC議事要旨公開直後に144.45円を付けて8月16日早朝高値149.38円以降の下げ幅を4.93円としたが、22日夜の米中古住宅販売やサービス業PMIが好調だったことによるドル高と23日の日銀植田総裁国会答弁を控えてのポジション調整で買い戻し優勢となり22日深夜に146.52円まで戻した。
トルコリラ円はドル円の反発をみて22日早朝安値から戻したが4.32円前後に抵抗感がみられる。日銀総裁が年内追加利上げに否定的なら円安反応を招いて20日午後高値4.36円を試す可能性もあるとみるが、利上げの可能性を示唆する場合は円高再開で急落しかねないと注意したい。

【ドル/トルコリラは終値ベースの史上最安値を3日連続で更新】

ドル/トルコリラの8月22日は概ね33.95リラから33.71リラの取引レンジ、23日早朝の終値は33.88リラで前日終値の33.83リラから0.05リラのドル高リラ安だった。
8月20日安値33.95リラから21日安値33.98リラへ2日連続で取引時間中の史上最安値を更新し、22日は安値更新へ進めなかったものの最安値近辺を維持し、日足の終値ベースでは20日から22日まで3営業日連続で最安値を更新した。
7月末までは1ドル33リラを超えるところを繰り返し買い戻されていたものの8月2日から5日にかけての世界連鎖株安によるリスク回避的なリラ売りにより支持線が崩されてからリラ売りの勢いが増している。世界連鎖株安はひとまず落ち着いて米国主要株価指数はV字反騰しているもののトルコリラへの投資意欲は回復できずにいる印象だ。
8月22日に発表された8月のトルコ消費者信頼感指数は76.4となり7月の75.9から改善した。今年4月に80.5へ上昇したところをピークとして7月へ低下してきたが下げ渋りの様相となった。

【外貨準備高は前週から増加】

8月22日夜にトルコ中銀が発表した週次の外貨準備高は8月16日時点のグロスで941.5億ドルとなり8月9日時点の923.3億ドルから増加し、ネットでも477.8億ドルとなり8月9日時点の469.0億ドルから増加した。
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したものの再び増加に転じて7月後半に947億ドルまで回復した後も900億ドル以上を維持している。
ネットでは8月2日時点で514.5億ドルとして2023年6月のマイナス57億ドル以降の最高としてから8月9日時点の469億ドルへ減少したものの16日時点へ再び増加しており拡大基調を維持した。
トルコ中銀は22日に「今後数カ月間のインフレ率低下見通しにより預金総額に占めるトルコリラ建て預金の比率が上昇するとの予想を示した。リラ建て預金の割合は7月の48.4%から8月に51.8%へ拡大しており、インフレ低下と高金利が拡大に寄与しているとした。またリラ建て保護預金制度であるKKM口座は減少傾向にあり、外貨預金も若干の増加にとどまっているとした。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月15日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして20日午後から22日夕にかけての間への下落を想定してきたが、22日午前安値からの反発で21日夜高値に迫ったため、22日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は23日の日中から27日午後にかけての間とするが、日銀総裁の国会答弁次第で波乱注意とし、22日午前安値割れからは弱気サイクル入りとして27日朝から29日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月22日夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパン突破を試しているため遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は下落再開として遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は8月22日夜への上昇時に60ポイントを超えてからも50ポイント台を維持しているのでまだ上昇余地ありとするが70ポイント前後は反落警戒とし、50ポイント割れからは下落再開と仮定して40ポイント、30ポイントを順次試す低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.25円を下値支持線、4.33円を上値抵抗線とする。
(2)4.28円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.33円超えからは4.35円前後への上昇を想定する。4.35円前後は反落警戒とするが、4.30円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.28円割れからは4.25円試しとし、4.25円割れからは4.23円、4.21円を順次試してゆく下落を想定し、4.25円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な予定】

8月23日
 17:00 7月 海外観光客数 前年同月比 (6月 4.95%)
8月26日
 16:00 8月 製造業信頼感指数 (7月 100.3)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 75.9%)
8月28日
 16:00 7月 貿易収支確報 (6月 -59.0億ドル)
8月29日
 16:00 8月 経済信頼感指数 (7月 94.4)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 グロス (8月16日時点 941.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月23日時点 ネット (8月16日時点 477.8億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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