トルコリラ円見通し ドル円の一段安で終値ベースの最安値をわずかに更新(24/8/22)

トルコリラ円の8月21日は概ね4.32円から4.26円の取引レンジ、22日早朝の終値は4.28円

トルコリラ円見通し ドル円の一段安で終値ベースの最安値をわずかに更新(24/8/22)

ドル円の一段安で終値ベースの最安値をわずかに更新

〇トルコ円、昨夜のドル円の波乱時に4.32へ上昇、本日早朝は4.26へ一段安
〇対ドルでのリラ安基調とドル円下落再開により、戻り売り有利の展開で最安値更新を試しに行くか
〇対ドル、8/21は概ね33.98から33.70の取引レンジ、取引時間中の史上最安値を連日更新
〇トルコの景気低迷、地政学的リスクの増大、金融市場の不安定な状況がリラ安を助長
〇4.30超えから続伸する場合は4.32試しとするが、その後の反落に注意
〇4.25割れからは4.23、4.21を順次試す下落を想定

【概況】

トルコリラ円の8月21日は概ね4.32円から4.26円の取引レンジ、22日早朝の終値は4.28円で21日の終値ベースでの最安値と変わらなかったが、小数点下四桁では20日終値4.2836円から21日終値4.2826円へ最安値をわずかに更新しており、8月5日の急落時に付けた取引時間中の史上最安値4.24円へ徐々に迫っている。

ドル円は7月30日高値155.21円から日銀利上げや世界連鎖株安により8月5日安値141.69円まで13.52円の下落幅となり、世界連鎖株安が落ち着いて日銀の内田副総裁が追加利上げに否定姿勢を示したことや米経済指標が良好だったことで8月16日早朝高値149.38円まで上昇幅7.69円の反発となったが、その後は戻り一巡で下落再開に入っており、8月19日安値145.18円を21日午前安値144.94円で割り込み、21日夜の米労働省による雇用統計年次改定発表を挟んで乱高下したものの22日早朝のFOMC議事要旨公開後に144.45円まで安値を切り下げた。

トルコリラ円もドル高リラ安に圧迫されながらドル円を追いかけており、8月5日安値4.24円からの上昇が8月15日夜高値4.44円で一巡して下落に転じており、21日夜はドル円の波乱時に4.32円へ上昇してから22日早朝に4.26円へ一段安している。
ドル/トルコリラが2日連続で史上最安値を更新してリラ安基調が続いていること、ドル円も8月5日からの戻り幅に対してすでに3分の2近くを解消していることと、米国の9月利下げ開始を見込んだドル安により下落再開から8月5日安値を試し、あるいは底割れしてゆくことも危惧されるため、トルコリラ円も戻り売り有利の展開で最安値更新を試して行くのではないかと懸念される。

【ドル/トルコリラは取引時間中の史上最安値を連日更新】

ドル/トルコリラの8月21日は概ね33.98リラから33.70リラの取引レンジ、22日早朝の終値は33.83リラで前日終値の33.86リラから0.03リラのドル安リラ高だったが、8月20日高値33.95リラから2日連続で取引時間中の史上最安値を更新した。ベンダーによっては21日終値を33.93リラとして終値ベースの史上最安値も更新し、22日午前序盤も33.92リラ近辺に付けて最安値更新を伺っている。
トルコ中銀によるインフレ対策の金融引き締めや外貨準備高増強と財務省の緊縮財政への取り組み等が評価されてトルコ政府及び大都市自治体の格付けが引き上げられる等、海外投資家のトルコへの投資意欲は徐々に改善しているものの、景気低迷感から脱却できないこと、インフレがピークを付けて年末にかけて低下に転じたとしてもまだ暫くは高インフレ高金利が続くこと、パレスチナとイスラエルの紛争悪化でトルコとイスラエルの関係も悪化するなど地政学的リスクが増大していること、世界連鎖株安はひとまず落ち着いたものの金融市場全般が不測の事態に陥りやすい状況のために新興国投資に慎重となっていることがリラ安を助長している。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月17日早朝への下落で4.38円まで下げたために19日午前時点では15日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして20日午後から22日夕にかけての間への下落を想定した。
19日午後へ続落してから戻したものの21日午前へ一段安し、21日夜へ再び戻してから反落しているためまだ下落途中とするが、21日午前安値を直近のサイクルボトムとしてすでに底割れから新たな弱気サイクル入りしている可能性もあり、その場合はボトム形成期が26日午前から28日午前にかけての間へ延長されると思われる。

60分足の一目均衡表では8月21日夜の反発時に先行スパンの下限に届かず遅行スパンの悪化と先行スパンからの転落状態が続いているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンからの転落状態が続くうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところから下落再開とし、強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとする。

60分足の相対力指数は8月21日朝に20ポイント台へ低下してから21日夕に50ポイント台へ戻したものの50ポイント以上を維持できずにいるため次の30ポイント割れからは20ポイント以下を試す下落を想定し、次の50ポイント超えからは60ポイント前後への上昇を想定するがその後の反落注意とする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.25円を下値支持線、4.30円を上値抵抗線とする。
(2)4.30円前後は戻り売りにつかまりやすいところとし、4.30円超えから続伸する場合は4.32円試しとするがその後の反落注意とする。
(3)4.25円割れからは4.23円、4.21円を順次試す下落を想定するが、下げ足が速まる場合は4.20円前後試しへ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

8月22日
 16:00 8月 消費者信頼感指数 (7月 75.9)
 20:30 週次 外貨準備高 8月16日時点 グロス (8月9日時点 923.3億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 8月16日時点 ネット (8月9日時点 469.0億ドル)
8月23日
 17:00 7月 海外観光客数 前年同月比 (6月 4.95%)
8月26日
 16:00 8月 製造業信頼感指数 (7月 100.3)
 16:00 8月 設備稼働率 (7月 75.9%)
8月28日
 16:00 7月 貿易収支確報 (6月 -59.0億ドル)


注:ポイント要約は編集部

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