ユーロドルはドル安により上昇トレンド継続
〇先週のユーロドルは引き続き鈍い動き、週間レンジは135pips
〇今週は欧州主要国PMI速報値、ECB理事会議事録、ジャクソンホールでのFRB議長講演等が材料に
〇全体的なドル安の動きからユーロドルが年初来高値を改めて更新する可能性も
〇9/12のECB会合、今後の指標発表(CPI7月確報値・8月速報値)が上振れない限り利下げは確実
〇今週は1.0975レベルをサポートに1.1080レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週はドル円も日本がお盆ということもあったのか大人しめの一週間となりましたが、ユーロドルは週間レンジが135pipsと前週並み、要はドル円が動こうか動くまいがユーロドルの動きは鈍いままという状況が続いていることになります。9月の金融政策ウィークも12日のECB理事会が先陣を切りますが(18日FOMC、20日日銀会合)、それでもまだだいぶ日があり材料としては扱いにくいというところでしょうか。
9月はFRBがいよいよ利下げに動くことが確実視されていますが、ECBも9月には追加利下げが予想されていて、米欧金利差は変わらないと見られます。また前回のユーロ圏CPIは年率で2.5%から2.6%へと上昇しましたが、まずは明日20日の7月改定値、そして30日の8月速報値、これらが上振れするような内容とならなければ追加利下げはほぼ確実というところでしょうか。
今週に関しては木曜の欧州主要国PMI速報値とECB理事会議事録公表、そして金曜はジャクソンホールでのパウエル議長講演と週後半の方が材料視されるイベントが多いようです。引き続きユーロドルの動きは鈍くなりがちではあるものの、全体的なドル安の動きからユーロドルが年初来高値を改めて更新するという動きが出てくると考えています。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。
6月安値からのサポートラインと平行に引いたラインとの上昇チャンネルの中で上限に接近する動きが続いています。今週もこの上昇チャンネルの中での動きを考えてよさそうですが、今週は上限が1.1065水準へと上がっていきます。多少の誤差を考えて1.10台後半がレジスタンスとなりそうです。いっぽうで下値に関しては3月高値を明確に抜けてきたので1.09台後半がサポートとなります。
今週は1.0975レベルをサポートに1.1080レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
今週のコラム
今週はポンドドルです。
ポンドドルは英中銀が8月1日に利下げを行い1.27台前半へと下げ、その後8日に1.2665レベルで安値をつけ、その後はドル安の動きもあって1.29台半ばへと戻してきている動きです。少し長い目で見るとこの1年は上下しながらも底堅い動きとなっていて、ユーロドルに比べると底堅い印象でしょうか。
現状は昨年高値と今年高値を結んだレジスタンスライン(青)が現在1.30台前半に位置していて、同水準を試しやすい流れが続いていると見て良いでしょう。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
8月19日(月)
(特になし)
8月20日(火)
15:00 ドイツ7月PPI
18:00 ユーロ圏7月CPI
18:00 ユーロ圏6月建設支出
8月21日(水)
20:00 パネッタECB理事講演 ☆
8月22日(木)
16:15 フランス8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
16:30 ドイツ8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:00 ユーロ圏8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
17:30 英国8月製造業・サービス業PMI速報値 ☆
20:30 ECB理事会議事要旨公表 ☆
**:** ジャクソンホール(〜24日)☆
8月23日(金)
08:01 英国8月消費者信頼感
15:45 フランス8月企業景況感
23:00 パウエルFRB議長講演 ☆
24:00 英中銀総裁講演
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
8月12日(月)
週明けのユーロドルは相変わらず小動きで終日レンジは29pipsにとどまりましたが、ユーロ円はドル円とともに値幅を伴う上昇後の下げとなり、159円台後半から162円目前の水準まで買われ、引けは160円台後半となりました。
8月13日(火)
ユーロドルは東京後場まではユーロ円がドル円とともに買われたことからやや底堅い動きとなり、その後欧州昼前まではユーロ円とともに下げていました。最終的には米金利低下によるドル売りからユーロドルにも買いが入り1.1000レベルの高値をつけましたが、大台超えにはまだ売りオーダーが残っている様子でした。
8月14日(水)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場序盤に改めて1.10の大台に乗せ底堅い展開に。米国CPIで若干の上下を挟みその後は1.1047レベルまで高値を更新し、引けは1.10台前半となりました。
8月15日(木)
ユーロドルはNY市場までは全く動かず、米国経済指標に反応して1.1010レベルから1.0950レベルまで下げた後に若干戻しての引けとなりました。
8月16日(金)
ユーロドルは終日じり高の流れを続け、寄り安の引け高となりました。米国経済指標が弱かったことから高値は1.1030レベルまで伸びたものの、週間高値を更新する動きにまではなりませんでした。
注:ポイント要約は編集部
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