過去の円安大相場
海外勢を中心にクリスマス休暇を控え、FX市場はイースターとともに一年で最も静かな数日を迎えます。例年、クリスマス休暇明け以降は海外では新年入りの雰囲気になりますので、来週以降円安の動きが再開すると見る向きが多いようです。
さて、来週以降の円安相場再開の可能性を探るべくここ数年の円安大相場について見てみましょう。以下の週足チャートをご覧ください。
ドル円週足
最初に思い浮かぶのは2012年12月に第2次安倍内閣が誕生して以降の円安です。円安が加速したのは同年3月の高値84.17を超えてからと考えることが出来ますが(チャート内赤線で表示)、翌2013年5月の高値103.77まで19円60銭をほぼ4ヶ月で上げていることがわかります。この時にはジョージソロス氏が運用したクォンタム・ファンドは55億ドルの利益を計上し、そのうちの2割以上が円安相場による利益と言われています。
次は2014年10月の日銀追加緩和による円安です。この年は年初から秋口までドル円はほとんど動意の無い展開が続き、FX業者が取引高減少のため軒並み悲鳴をあげていた記憶があります。この年は年初の高値105.34を上抜けた時点で既に円安トレンドが始まっていましたが(チャート内青線で表示)、日銀の追加緩和直前の安値がほぼ同水準であったことを考えると、この105.34が気になったレートでした。そして12月上旬高値121.86まで16円50銭程度を2か月弱で上昇しました。
そして今回のトランプ相場です。今回も年初からのドル安・円高トレンドは102〜3円のレジスタンスラインを抜けた時点で流れは変化していましたが、開票直後は事前に言われていたトランプリスクによるリスクオフから101.20の安値を付け、東京午後には反転し引けが前日水準を上回っていたことは記憶に新しいところです。直前までの高値が105.53でしたから、どこを起点にするかは意見がわかれるところではありますが、今回の相場については105.53を基準に考えます(チャート内ピンクの線で表示)。
ざっくりと見て2012年は一波で20円弱、2014年は一波が16円強であったことを考えると、今回のトランプ相場による円安はここまで最円安値が118.69ですから13円強。時間経過もまだ一月半と若い相場である可能性がありそうです。120円の大台はいったん皆が目指すところですが、2014年の値幅をあてはめると122円水準、2012〜3年の値幅をあてはめると125円水準です。
2017年前半の円安のひとつのゴールとして122〜125という水準は、過去の相場に照らし合わせて可能性が高いと考えられます。
オーダー/ポジション状況
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