トルコWeekly リスク回避の円買いと地政学リスクが意識されて史上最安値更新、反発は厳しい地合い(8/5)

先週のトルコリラは、円が主要通貨に対して全面高となったことから下落基調を強め、3月13日の史上最安値4.5227円を下回る展開となった。

トルコWeekly リスク回避の円買いと地政学リスクが意識されて史上最安値更新、反発は厳しい地合い(8/5)

リスク回避の円買いと地政学リスクが意識されて史上最安値更新、反発は厳しい地合い

【先週のトルコリラ】

先週のトルコリラは、円が主要通貨に対して全面高となったことから下落基調を強め、3月13日の史上最安値4.5227円を下回る展開となった。

7月31日に日本銀行が開催していた金融政策決定会合にて、国債買い入れ額の減額スケジュールと利上げ実施を発表した。事前に伝わっていた内容だったものの、その後の記者会見で植田日銀総裁からタカ派な発言が出たことで、日米金利差縮小が強く意識されて投機筋による円売りポジションの解消は加速。円は全面高の展開となり、ドル・円は146円台、ユーロ・円は159円台と6月もしくは7月ピーク時よりも1割円高が進んだ。トルコリラもこの流れを受けて、3月13日の史上最安値を更新した。

また、エルドアン大統領が28日、イスラエルに軍事介入すると警告したことに対して、イスラエルのカッツ外相は、トルコの北大西洋条約機構(NATO)からの除名を要求した。カッツ外相は、「トルコはイスラム組織ハマスやイエメンの武装組織フーシ派とともに親イラン枢軸のメンバーとなりつつある」と強く非難したことで、地政学リスクの高まりもトルコリラの売り材料となった。

トルコリラ・円(東京時間:7月29日―8月2日)
※Investing.comの日足を参照

始値:4.6685円
高値:4.7041円
安値:4.3957円
終値:4.4135円 

【先週と今週の重要指標】

※時間は東京時間

7月31日
16時00分、6月貿易収支、前回:−64.9億ドル、結果:−58.7億ドル
8月1日
16時00分、7月製造業PMI、前回:47.9、結果:47.2
8月5日
16時00分、7月消費者物価指数(前月比)、前回:1.64%、市場予想:3.50%
16時00分、7月消費者物価指数(前年比)、前回:71.60%、市場予想:62.00%
16時00分、7月生産者物価指数(前月比)、前回:1.38%
16時00分、7月生産者物価指数(前年比)、前回:50.09%
8月9日
16時00分、6月鉱工業生産指数(前月比)、前回:1.7%
16時00分、6月鉱工業生産指数(前年比)、前回:−0.1%

※予定は変更することがございます。

【今週の見通し】

今週のトルコリラは、重要な国内経済発表が予定されているなか、世界的なリスク回避の円買いの流れに翻弄されそうだ。格付け会社による格上げなどトルコ経済へのポジティブな材料はあるが、需給優勢の地合いとなっている。

米景気減速懸念の高まりから米国金利が低下しており、ドル売り圧力が強まっているほか、日本株の急落で投機筋の円売りポジション解消のほか、リスク回避の円買いなども入るなど、為替市場、株式市場は波乱が続いている。トルコリラなど新興国通貨は、市場の落着きを確認する必要があり動きにくい。5日に予定されている消費者物価指数や生産者物価指数など重要経済指標の発表は、本来重要な売買材料だが、今週は世界的なリスク回避の流れが落ち着くまで評価しにくい状況となろう。

テクニカルでは、売り圧力が強く「落ちるナイフ」と化しており、棒下げとなっている。リバウンドを狙いたいところだが、史上最安値更新できっかけが掴めない状況だ。日足チャートで長い下影を確認したいところだが、需給面悪化を考慮すると、5日のトルコ経済指標でトルコリラ反発は期待しにくい。市場の落着きを確認したいところだ。

リスク回避の円買いと地政学リスクが意識されて史上最安値更新、反発は厳しい地合い

トルコリラ円日足

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