トルコリラ円見通し 円高で史上最安値更新、6日午前へ反騰したが波乱継続を警戒(24/8/6)

トルコリラ円の8月5日は概ね4.41円から4.24円の取引レンジ、6日早朝の終値は4.32円で先週末終値の4.41円から0.09円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 円高で史上最安値更新、6日午前へ反騰したが波乱継続を警戒(24/8/6)

トルコリラ円見通し 円高で史上最安値更新、6日午前へ反騰したが波乱継続を警戒

〇トルコリラ円、8/5はドル円が大幅下落したことから、4.24まで下げて史上最安値を更新
〇目先はドル円を追いかけて買い戻されやすいとしても、戻り一巡後の下落再開に備えたい
〇対ドル、8/5は概ね33.43から33.07の取引レンジ、2日連続で史上最安値を更新
〇アジア株安から世界連鎖型の株安が進行、為替市場もリスク回避型の動きで新興国通貨が売られる展開
〇昨日発表のトルコ7月CPI、前月比で上振れするも前年比は大幅低下
〇4.33を上回るうちは上昇余地ありとし、4.39から4.40への上昇を想定する
〇4.33割れからは下向きとし、4.30割れからは下落再開とみて8/5夜安値4.24試しとする

【概況】

トルコリラ円の8月5日は概ね4.41円から4.24円の取引レンジ、6日早朝の終値は4.32円で先週末終値の4.41円から0.09円の円高リラ安だった。
8月2日夜の米7月雇用統計が予想よりも悪かったことにより景気後退への懸念でNYダウが大幅下落して米長期債利回りの低下でドル円も急落したため、トルコリラ円は4.40円まで安値を切り下げて7月23日から9営業日続落となり史上最安値を更新したが、週明けの8月5日は日経平均が1987年10月のブラックマンデーでの下落幅を超える過去最大の下げとなりドル円も大幅下落したために4.24円まで史上最安値を更新した。

ドル円は8月5日午後に141.69円へ下落して7月3日高値161.94円からの下げ幅が20円を超えたが、5日夜から買い戻し優勢となり6日9時台には146円台まで切り返して5日午前からの下げ幅をほぼ解消した。日経平均も8月5日に一時4700円安を超える暴落となり前日比4451.28円安となったが、6日9時台は前日比で2600円高を超える反発を見せている。ひとまずパニックが落ち着いた印象もあるが、NYダウは8月1日から5日への3営業日続落で2000ドルを超える下落規模となりこれまでの楽観的な強気論が崩れているため、ドル円もしばらくは株式市場の波乱を警戒しながら乱高下を続けつつ一段安へ進むリスクも拭えない状況と思われる。トルコリラ円も目先はドル円を追いかけて買い戻されやすいとしても戻り一巡後の下落再開に備えたい。

【対ドルで連日の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの8月5日は概ね33.43リラから33.07リラの取引レンジ、6日早朝の終値は33.32リラで先週末終値の33.17リラから0.15リラのドル高リラ安だった。
7月23日高値32.57リラを起点としてドル高リラ安の再開に入り、8月2日に取引時間中の史上最安値を33.33リラへ、終値ベースでも史上最安値を更新したが、8月5日はアジア株安から欧米株安へと世界連鎖型の株安が進行したことにより為替市場もリスク回避型の動きで新興国通貨が売られたためにトルコリラも対ドルで2日連続の最安値更新となった。
NYダウが大幅下落後に下げ幅を削り、8月6日はドル円が反騰して日経平均も戻していることで金融市場全般のパニックがやや落ち着いているものの、先週からの世界規模での株安が先行き不安を助長しており、イスタンブール100株価指数も8月2日の前日比3.01%安から5日も5.54%安と大幅下落に見舞われたため、トルコリラへの売り圧力がしばらく続くと思われる。
8月5日夕刻のトルコCPI前年比は前月から鈍化したものの市場の反応は鈍かった。

【トルコ7月CPIは前月比で上振れするも前年比は大幅低下】

8月5日夕刻に発表されたトルコの7月CPI(消費者物価指数)は全体の前月比が3.23%となり6月の1.64%から再加速したが市場予想の3.45%を下回り、前年同月比は61.78%となり6月の71.60%から大幅に鈍化して市場予想の62.10%も下回った。食料エネルギー等を除くコアCPIの前月比は2.4%で6月の1.64%から上昇したが、前年同月比は60.2%となり6月の71.4%から大幅に鈍化した。
今後のCPIに影響する7月のPPI(生産者物価指数)は前月比1.94%で6月の1.38%を上回ったが、前年同月比は41.37%で6月の50.09%から鈍化した。

トルコ中銀や財務省は6月から7月にかけてインフレのピークとして年末までに40%台へ低下すると見込んでいるが、今のところは見込み通りに鈍化傾向を示している。欧米のインフレ鈍化傾向や中国のデフレ型景気低迷の影響も踏まえればこのまま低下してゆくのではないかと思われるが、リラ安が続く場合には輸入インフレを招きかねない側面もある。またインフレ鈍化傾向がより顕著となる場合に中銀が利下げをちらつかせるようだと時期尚早の利下げとしてリラ売り要因となる可能性もあると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、8月1日午前安値へ一段安してから1日夜へ反騰した後に再び反落したため、8月2日午前時点では8月1日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして6日午前から8日午前にかけての間への下落を予想した。
8月5日夜にかけて大幅下落したものの6日午前にかけて0.10円を大幅に超える反騰となったため、5日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして6日の日中から8日夜にかけての間への上昇を想定する。ただし乱高下が続く可能性もあるので4.30円割れからは弱気サイクル入りの可能性ありとみて8月5日夜安値4.24円試しとし、底割れからは弱気サイクル入りとして8日夜から12日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では8月5日夜からの反騰で遅行スパンが好転を試しているが先行スパンの下限には届いていない。26本基準線を上回るうちは上昇余地ありとして遅行スパン好転からは高値試し優先とするが、先行スパンを超えないうちはその後に基準線を割るところから下げ再開を疑い、遅行スパンが悪化するところから下落期入りと考える。

60分足の相対力指数は8月5日午後に10ポイント近辺へ低下してから6日午前に60ポイントに迫る反騰となったため、45ポイントを上回るうちは上昇余地ありとするが、相場が小反落後に一段高する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、45ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.30円を下値支持線、4.40円を上値抵抗線とする。
(2)4.33円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.39円から4.40円への上昇を想定するが、4.40円前後は反落警戒とする。
(3)4.33円割れからは下向きとし、4.30円割れからは下落再開とみて8月5日夜安値4.24円試しとする。4.25円以下は反騰注意とするが、4.24円を割り込む場合は4.20円以下を目指して行く下落期に入るとみる。

【当面の主な予定】

8月7日
 23:30 7月 財務省現金残 (6月 4309.48億リラ)
8月8日
 16:00 4-6月期インフレ見通し
 20:30 週次 外貨準備高 8月2日時点
8月9日
 16:00 6月 鉱工業生産 前月比 (5月 -0.1%)
 16:00 6月 鉱工業生産 前年同月比 (5月 1.7%)
8月12日
 16:00 6月 失業率 (5月 8.4%)
 16:00 6月 小売売上高 前月比 (5月 -0.2%)
 16:00 6月 小売売上高 前年同月比 (5月 5.8%)
8月13日
 16:00 6月 経常収支 (5月 -12.4億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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