トルコリラ円見通し ドル円の急反発で上昇するもドル高リラ安で前日比マイナスに終わる(24/7/26)

トルコリラ円の7月25日は概ね4.69円から4.58円の取引レンジ、26日早朝の終値は4.67円で前日終値の4.68円から0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の急反発で上昇するもドル高リラ安で前日比マイナスに終わる(24/7/26)

ドル円の急反発で上昇するもドル高リラ安で前日比マイナスに終わる

〇トルコリラ円、ドル円の動きを見て、7/25は4.58へ一段安してから7/26早朝に4.67まで戻す
〇7/3以降の下落基調の範囲にとどまり、ドル円の動向を追いかけつつ一段安への警戒感も
〇対ドル、7/25は概ね33.13から32.68の取引レンジ、取引時間中の史上最安値33.17に迫る
〇7/23高値までリラ高優勢での推移だったが、7/25の下落で最安値へ再び迫り一段安へ進みかねない動き
〇4.61を上回るうちは上昇余地ありとし、4.68超えからは4.70前後への上昇を想定する
〇4.61割れからは下落再開とみて、7/25安値4.58試しとする

【概況】

トルコリラ円の7月25日は概ね4.69円から4.58円の取引レンジ、26日早朝の終値は4.67円で前日終値の4.68円から0.01円の円高リラ安だった。
ドル円が7月25日夕刻に151.93円へ大幅続落してから154円台到達へ反騰したため、トルコリラ円は4.58円へ一段安してから26日早朝に4.67円まで戻したものの、対ドルでのリラ安に圧迫されて前日比プラス圏には届かなかった。

ドル円は7月11日と12日の市場介入を挟んで大幅下落となり、政府要人による日銀への追加利上げ要請発言が相次いだために7月30-31日の日銀金融政策決定会合で国債買い入れの大幅減額が決定して追加利上げも議論されるタカ派的なものになるとの見方を背景に続落してきた。7月3日高値161.94円からの下げ幅が10円を超えたことで152円割れに対する売られ過ぎ警戒感で買い戻され、米4-6月期GDPが予想を大幅に上回ったことで26日未明に154.31円まで反騰した。しかし今夜の米6月PCEデフレーターが鈍化見通しであり日銀会合を通過するまでは円高基調で推移しかねないとして26日午前に一時153.50円を割り込むなど上値の重さも見せている。

トルコリラ円はドル円の大幅下落を見ながら7月3日高値4.98円を起点として下落を続けてきた。今年3月以降の主要な安値を結んだ上昇トレンドの支持線から転落しており、25日に4.58円まで下げてから戻したものの7月3日以降の下落基調の範囲にとどまっている。今夜の米PCE統計や来週の日銀金融政策決定会合をきっかけとしてドル円が一段安しかねないため、トルコリラ円も引き続きドル円の動向を追いかけつつ一段安への警戒感も持っておきたい。

【対ドルでリラ安再開、最安値に迫る】

ドル/トルコリラの7月25日は概ね33.13リラから32.68リラの取引レンジ、26日早朝の終値は32.95リラで前日終値の32.78リラから0.17リラのドル高リラ安だった。一時33.13リラへ下げて7月17日に付けた取引時間中の史上最安値33.17リラに迫ったところからいったん上昇したものの26日午前は33.14リラから32.91リラのレンジで推移して最安値へ迫っている。
7月19日に大手格付け機関のムーディーズがトルコ格付けを「B3」から「B1」に2段階引き上げたこと、23日にトルコ中銀が政策金利を50%に据え置いてインフレ抑制のための引き締め政策継続を強調したことで23日高値32.57リラまでリラ高優勢の流れで推移していたが、25日の下落で最安値へ再び迫ったことで一段安へ進みかねない動きに入っている。

7月24日に米ナスダック総合指数が前日比654.94ポイント安の大幅下落となり25日も160.69ポイント安と続落して7月11日の史上最高値から下落に転じているが、中国の上海総合株価指数も4営業日続落して年初来高値である5月20日以降の最安値を更新したことでトルコの製造業・輸出への影響が懸念されてイスタンブール100株価指数も7月18日高値をピークとして23日から25日へ3営業日続落した。米大統領選の混迷等による先行き不透明感が新興国通貨に対してリスク回避的な売り圧力を強めている印象もある。
トルコ中銀は先に金及び外貨とリラのスワップ取引を実施する方針を示したが、25日には外貨とトルコリラのスワップ取引を停止させる意向を示したとされる。これらのリラ防衛政策は裏返せばリラ安進行に対して当局が危機感を持っていることを示していると思われる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月23日早朝へ高値を切り上げてから23日夜と24日早朝に4.73円まで下げたために24日午前時点では23日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして24日の日中から25日午前にかけての間への下落を想定し、25日朝時点ではボトム形成期の延長入りで続落する可能性があるもののいったん戻しに入りやすいところとした。
7月25日夕へ一段安してから反騰したため、25日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、底割れ回避のうちは26日の日中から30日早朝にかけての間への上昇余地ありとするが、4.61円割れからは弱気サイクル入りを疑い7月25日安値4.58円試しとし、底割れからは弱気サイクル入りとして30日夕から8月1日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月26日早朝への反発では遅行スパンが好転できず先行スパンの下限に届いていないため、先行スパンを上抜く場合は反騰継続とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンを上抜けずに26本基準線を下回るうちは一段安警戒とし、25日安値割れからは遅行スパン悪化中の安値試しがしばらく続きやすくなるとみる。

60分足の相対力指数は7月24日深夜から25日夕への下落時に指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せて反発したものの60ポイントに届かなかったため、次に55ポイントを超えるところからら上昇継続とみて60ポイント台への上昇を想定するが、次の40ポイント割れからは下落再開として20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.61円を下値支持線、4.68円を上値抵抗線とする。
(2)4.61円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.68円超えからは4.70円前後への上昇を想定する。4.70円前後は反落警戒とするが、4.65円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.61円割れからは下落再開とみて25日安値4.58円試しとし、底割れからは4.55円前後への下落を想定する。4.55円前後は買われやすいとみるが、4.61円を下回っての推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月30日
 16:00 7月 経済信頼感指数 (6月 95.8)
7月31日
 16:00 6月 貿易収支確報 (5月 -65億ドル)
 16:00 4‐6月期 海外観光収入 (1-3月 8780億ドル)
 17:30 6月 海外観光客数 前年同月比 (5月 14.0%)
8月1日
 16:00 7月 イスタンブール製造業PMI (6月 47.9)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 7月26日時点 (7月19日時点 947.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 7月26日時点 (7月19日時点 48.19億ドル)



注:ポイント要約は編集部

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