昨夕安値から2円を超える反発だが日銀会合通過まで円高基調は変わらずか
〇ドル円、7/25夕刻151.93へ下落、7/3高値161.94からの下げ幅が10円を超える
〇その後153円台を回復し22時台154.18へ上昇、一旦153円台序盤へ下げるも7/26未明154.31へ上昇
〇7/25夕安値から7/26未明高値へ2円超の反発、その後154円挟みの揉み合い、7/26午前153.50割り込む
〇昨日発表の米GDPは予想を上回り、景気の堅調さを示す
〇米10年債・30年債利回りは低下、NYダウは上昇、ナスダックは続落
〇153円を上回る内は上昇余地ありとし、154.31超えからは155円前後への上昇を想定する
〇152.70割れからは戻り一巡後の下落再開と仮定して、7/25夕安値151.93試しとする
【概況】
ドル円は7月25日夕刻に151.93円へ下落して7月3日高値161.94円からの下げ幅が10円を超えたが、25日夜の米GDPと26日の米6月PCE統計を控えて売られ過ぎ警戒感から買い戻されて153円台を回復し、米4‐6月期GDPが予想を上回ったことによるドル高反応で22時台に154.18円へ上昇してから153円台序盤へいったん下げたものの26日未明に154.31円へ高値を伸ばした。25日夕安値から26日未明高値まで2.38円の大幅高となったが、その後は154円を挟んで揉み合いとなり26日午前には153.50円を一時割り込んでいる。
米GDPが予想より上振れしたものの四半期ベースのPCEデフレーターが前期から鈍化したことと、26日夜の月次PCEの鈍化予想によりGDP統計直後のドル高反応は限定的で、ユーロドルは一時下げてから26日未明へ反騰し、米10年債利回りは前日比マイナスで終わったため、ドル円の上昇も26日未明以降は一服している印象だ。
今夜の米6月PCE統計が予想以上に鈍化する場合は米国の9月利下げ期待が固まるとみてドル安へ進みやすいこと、来週7月30-31日開催の日銀金融政策決定会合では追加利上げ議論や国債買い入れ大幅減額等が示されてタカ派的となる可能性があるため、ドル円は戻り一巡で再び安値試しへ向かう可能性もあるところと注意したい。
イエレン米財務長官はG20財務相・中銀総裁会議開催地での会見で「為替レートはファンダメンタルズを反映し市場で決まる」「G7は市場で決定される為替レートを維持すると確約している。市場介入はパートナー国と協議した上で過度の変動があると判断される場合にのみまれに行うべき」と述べて最近の政府・日銀による連続介入をけん制した。
【米GDPは景気堅調さ示す】
7月25日夜に米商務省が発表した4-6月期実質GDP速報値は年率換算前期比2.8%増となり1-3月期の1.4%増及び市場予想の2.0%増を大幅に上回り8四半期連続のプラス成長見通しとなった。個人消費は前期の1.5%増から2.3%増(予想は2.0%増)、設備投資は前期の4.4%増から5.2%増となり景気の強さを示し、インフレ指標である四半期ベースのPCE(個人消費支出)デフレーター前期比年率は全体が2.6%で前期の3.4%から鈍化し、コア指数は前期の3.7%から2.9%へ大幅に鈍化した。
米商務省が発表した6月の耐久財受注は前月比6.6%減となり市場予想の0.3%への改善期待に反して5月の0.1%増から悪化したが、輸送機を除けば前月比0.5%増で5月の0.1%減から改善した。
米労働省による新規失業保険申請件数は7月20日までの週間で前週比1万件減の23万5000件となり市場予想の23万8000件も下回って2週ぶりに改善し、失業保険受給者総数は7月13日までの週間で185万1000人となり前週から9000人減少した。
【米10年債利回りは低下、株価指数はまちまち】
7月25日の米長期債利回りはまちまちに終わった。米GDPが予想を大幅に上回ったことは米国の利下げを急がせないものだが四半期ベースのインフレ指標が鈍化したことと今夜の6月PCE統計待ちで慎重な動きとなったようだ。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.05%低下の4.24%となり米GDP統計を挟んでやや乱高下したものの24日の前日比0.04%上昇を解消し、30年債利回りも0.06%低下の4.48%となり24日の0.05%上昇を解消した。政策金利動向に敏感な2年債利回りは0.01%上昇の4.44%となったが一時4.34%をつけて4月30日に付けた年初来ピークである5.05%以降の最低を更新した。
一方で米国株式市場はまちまちでNYダウは前日比81.20ドル高と上昇したが24日の前日比504.22ドル安の解消には至らず、ナスダック総合指数は160.69ポイント安となり24日の654.94ポイント安から続落した。24日の急落はアルファベットやテスラの決算不調を見てIT関連が大幅下落したためだがこの日も前日の流れを引きずったためにGDP統計の強さを反映しきれなかったようだ。
【60分足、サイクル・一目均衡表分析】
ドル円は7月25日夕安値151.93円から2円超の反騰となったため7月19日午後高値を起点とした下落が一巡して買い戻されたものの、26日未明高値154.31円の後は軟調推移であり、反騰を継続できるか試されている。153円を割り込んでも回復する内は上昇余地ありとし、26日未明高値超えからは26日の日中から30日にかけての間への上昇を想定するが、153円割れから続落する場合は下落再開を疑い、25日夕安値151.93円割れからは新たな下落期入りとして30日午後から8月1日午後にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では7月25日夕安値からの反騰で先行スパンの下限へ戻したが先行スパンへ潜り込めずにいるため、先行スパンへ潜り込むところからは上昇継続といて先行スパン突破を試すとみるが、26本基準線割れから続落する場合は下落再開を疑い、25日夕安値割れからは来週前半にかけての下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は7月26日未明への上昇で60ポイントに迫ったものの届かずに26日午前序盤に50ポイント割れを試しているため、55ポイント超えからは上昇再開とみて60ポイント台への上昇を想定するが、50ポイント以下での推移が続く場合は下向きとし、40ポイント割れからは20ポイント台への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、152.70円を下値支持線、7月26日未明高値154.31円を上値抵抗線とする。
(2)153円を上回るか一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとし、154.31円超えからは155円前後への上昇を想定する。155円前後は反落警戒とするが、154円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)152.70円割れからは戻り一巡後の下落再開と仮定して25日夕安値151.93円試しとし、底割れからは151円前後から150.0円台前半への下落を想定する。151.93円を割り込んだ後も152円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の予定】
7/26(金)
G20財務相・中央銀行総裁会議(最終日)、パリ五輪開幕
14:00 (日) 5月 景気一致指数CI・改定値 (速報 116.5)
14:00 (日) 5月 景気先行指数CI・改定値 (速報 111.1)
21:30 (米) 6月 個人所得 前月比 (5月 0.5%、予想 0.4%)
21:30 (米) 6月 PCE(個人消費支出) 前月比 (5月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 6月 PCEデフレーター 前年同月比 (5月 2.6%、予想 2.5%)
21:30 (米) 6月 コアPCEデフレーター・食品・エネルギー除く 前月比 (5月 0.1%、予想 0.1%)
21:30 (米) 6月 コアPCEデフレーター・食品・エネルギー除く 前年同月比 (5月 2.6%、予想 2.5%)
23:00 (米) 7月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値 (速報 66.0、予想 66.0)
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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