ドル円、急落後に急伸しクライマックス・セリングの兆候。良好な米GDPがドル円下落に歯止め(7/26朝)

25日(木)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、急落後に急伸しクライマックス・セリングの兆候。良好な米GDPがドル円下落に歯止め(7/26朝)

ドル円、急落後に急伸、良好な米GDPがドル円下落に歯止め

〇ドル円、欧州時間に151.94まで急落後、米国時間午後にかけ154.32まで急反発
〇米4-6期GDP、コアPCEの予想を上回る結果、米金利の上昇、米株反発等が背景
〇ユーロドル、欧州株の持ち直し等に1.08台を堅調推移
〇ドル円、5/3安値151.87を死守。200日線もサポートしてテクニカルの短期下落トレンド終焉は近いか
〇ファンダメンタルズも円キャリートレード、トランプトレードの再開期待がドル円をサポート
〇短期的な見通しを、ベアからブルへと変更(※中長期的な見通しは従来通りブルで不変)
〇本日の予想レンジ:153.00ー155.50

海外時間のレビュー

25日(木)のドル円相場は急落後に急反発。(1)日銀による追加利上げ観測に端を発した円キャリートレードの巻き戻し(歴史的高水準に積み上がっていた円ショートの解消)や、(2)日経平均株価の大幅下落(今年最大の下げ幅を記録→リスク回避の円買い圧力)、(3)テクニカル的な地合いの悪化(仕掛け的なドル売り・円買い)、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値151.94まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)5/3に記録した直近安値151.87を背にした押し目買い圧力や、(6)急ピッチな下落に対する反動買い(俄かショートの巻き戻し)、(7)米4ー6月期実質GDP速報値(結果+2.8%、予想+2.0%)の市場予想を上回る結果、

(8)米4ー6月期個人消費(結果+2.3%、予想+2.0%)の市場予想を上回る結果、(9)米4ー6月期コアPCE(結果+2.9%、予想+2.7%)の市場予想を上回る結果、(10)米新規失業保険申請件数(結果23.5万件、予想23.8万件)の良好な結果、(11)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(12)米主要株価指数の堅調推移、(13)日経先物の堅調推移、(14)上記12、13を背景としたリスク回避の円買いの後退が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値154.32まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/26午前6時15分現在)では、153.90前後で推移しております。

25日(木)のユーロドル相場は底堅い動き。(1)欧州株の冴えない動き(リスク回避のユーロ売り圧力)や、(2)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0828まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)株式市場の持ち直し(リスク回避ムード後退→ドル円・ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値1.0870まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/26午前6時15分現在)では、1.0845前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ7月Ifo景気動向指数(結果87.0、予想89.0)は市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。また、昨日はドイツ連銀ナーゲル総裁より「経済データが今の路線通りであるならば利下げが可能なはず」との発言も見られましたが、ユーロ売りでの反応は見られませんでした。

本日の見通し

ドル円は一時151.94まで下げ幅を広げましたが、市場参加者に意識されていた5/3安値151.87が死守されると(ダウ理論の上昇トレンド崩壊が阻止されると)、その後は米経済指標の良好な結果も相俟って一時154円台前半まで反発しました。日足ローソク足で長い下髭を記録したことや、200日移動平均線に確りとサポートされたこと、ダウ理論の上昇トレンドが継続していること(上昇トレンド崩壊が阻止されたこと)等を踏まえると、テクニカル的に見て、短期下落トレンドの終焉は近いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による追加利上げの難しさ(河野太郎デジタル相や茂木敏充自民党幹事長が相次いで追加利上げを求める発言をしたことを受けて、市場では追加利上げ観測が俄かに高まっているが、実質賃金低下の流れが続いていることや、来月より始まる電気・ガス料金の低減措置が物価に下方圧力を加える可能性が高いこと等を踏まえると、物価動向の見極めが可能となる年末・年始のタイミングより前に追加利上げに踏み切ることは難しい)や、(2)米FRBによる早期利下げ観測の難しさ(市場は9月FOMCでの25bp利下げをほぼ完全に織り込んでいるが、昨日発表された米経済指標が力強さを示したことや、米大統領選前に利下げに踏み切りにくいといった政治的要因等を踏まえると、9月FOMCでの利下げの可能性は市場の織り込みほど高くはない)、

(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方からドル買い・円売りが再開する可能性あり)、(4)トランプトレードの再開期待(トランプ氏優勢の状態は変わらないとの見方から財政出動→インフレ残存→米金利高止まり→米ドル買い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。当方は、昨日の急落(安値151.94)をクライマックス・セリングとみなしているため、短期的な見通しを、ベアからブルへと変更いたします(※中長期的な見通しは従来通りブルで不変)。尚、本日は東京区部7月消費者物価指数や、米6月PCEデフレーター、米7月ミシガン大学消費者信頼感指数などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:153.00ー155.50

ドル円、急落後に急伸、良好な米GDPがドル円下落に歯止め

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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