トルコリラ円見通し 対ドルでリラが持ち直すもドル円の一段安で7月3日以降の安値更新(24/7/25)

トルコリラ円の7月24日は概ね4.75円から4.66円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.68円で前日終値の4.73円から0.05円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 対ドルでリラが持ち直すもドル円の一段安で7月3日以降の安値更新(24/7/25)

対ドルでリラが持ち直すもドル円の一段安で7月3日以降の安値更新

〇昨日のトルコ円、深夜のドル円一段安を受け、4.66へ一段安
〇今週の米指標結果によりドル円一段安の場合、トルコ円売り圧力に要警戒か
〇対ドル、7/24は概ね32.88から32.66の取引レンジ、対ドルでのリラ安は一服中
〇33リラ台へ下落の場合はリラ安再開か、今後の方向性を決めるにはもう一つ手掛かり欲しい状況
〇4.70を下回るうちは4.60前後への下落を想定
〇4.70超えからは上昇継続とみて4.71から4.72への上昇を想定

【概況】

トルコリラ円の7月24日は概ね4.75円から4.66円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.68円で前日終値の4.73円から0.05円の円高リラ安だった。
ドル円が7月3日夜高値161.94円と7月11日未明高値161.80円をダブルトップとして7月11日夜の米CPI鈍化と政府・日銀による覆面市場介入をきっかけとして下落に転じた流れでトルコリラ円も7月3日高値4.98円を起点として下落に転じてきたが、24日深夜にドル円が一段安したためにトルコリラ円も4.66円へ一段安した。

ドル円は米国の9月利下げ開始期待が高まっていることに加え、7月30-31日の日銀金融政策決定会合で長期金利抑制のための国債大量買入れ額を大幅に減額することや円安抑制のための追加利上げに踏み込むのではないかとの思惑で下落してきたが、昨年12月28日安値以降の主要な安値を結ぶ上昇トレンドの下値支持線から転落し、7月3日高値から24日深夜安値までの下げ幅が8.84円となり4月29日から5月3日への下落幅8.31円安を超えたことにより、昨年11月13日から12月28日にかけての下落時(下げ幅11.66円安)に近い動きへ発展することも懸念される。今夜の米GDP速報や26日夜の米6月PCEデフレーター次第で一段安へ向かう可能性もあるため、トルコリラ円としては暫く円高による売り圧力の警戒感をぬぐえない状況と思われる。

【対ドルでのリラ安は一服中】

ドル/トルコリラの7月24日は概ね32.88リラから32.66リラの取引レンジ、25日早朝の終値は32.78リラで前日終値の32.85リラからは0.07リラのドル安リラ高だった。
7月3日高値32.30リラからのリラ安再開で7月17日に33.17リラ(ベンダーによっては33.29リラ等)へ取引時間中の史上最安値を更新して17日終値33.05リラで終値ベースの最安値としたが、その後はムーディーズによるトルコ格付けの引き上げ、年後半へのインフレ低下見通し、23日にトルコ中銀が政策金利を据え置いた上で引き締め姿勢継続を強調したことでリラの買い戻し優勢となり23日には32.57リラへ上昇し、24日は終値ベースでドル安リラ高としたものの、リラ買いをさらに助長する勢いに欠けて23日の高安レンジ内に留まって推移した。
7月25日午前序盤も32.91リラから32.68リラのレンジで推移して23日の高安レンジ内での推移を続けている。
7月23日高値を超えればリラの先高感が優勢となるのではないかと思われるが、33リラ台へ下落する場合はリラ安再開となりかねず、今後の方向性を決めるにはもう一つ手掛かりの欲しいところだ。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、7月18日午前安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとして19日午後から23日午後にかけての間への上昇を想定してきたが、23日早朝へ高値を切り上げてから23日夜と24日早朝に4.73円まで下げたため、24日午前時点では23日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして24日の日中から25日午前にかけての間への下落を想定した。
7月24日深夜へ一段安となり25日午前も安値を切り下げているのでサイクルボトム形成期の延長入りで続落する可能性があるが、いったん戻しに入りやすいところのため4.70円超えからは強気サイクル入りとして25日午後から30日未明にかけての間への上昇を想定する。ただし、いったん強気転換した後にこの間の安値を更新するところからは新たな弱気サイクル入りとして30日午前から8月1日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月24日早朝への下落で遅行スパンが悪化して先行スパンからも転落してその後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみるが、先行スパンを上抜き返せないうちはその後に遅行スパンが悪化するところから下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は7月24日深夜の下落時に20ポイントを割り込んでから40ポイント前後へ戻しているため、50ポイント以下での推移中は一段安余地ありとするが、50ポイント超えからは上昇期入りとみて60ポイント台前半への上昇を想定する。ただしいったん50ポイントを超えてから40ポイント割れへ反落する場合は下落再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.64円を下値支持線、4.70円を上値抵抗線とする。
(2)4.70円を下回るうちは4.60円前後への下落を想定する。4.60円以下は反騰注意とするが、4.67円を下回っての推移か直前安値から0.05円を超える反騰がみられない場合は26日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.70円超えからは上昇継続とみて4.71円から4.72円への上昇を想定する。4.72円以上は反落注意とするが4.70円を超えた後も4.67円を上回っての推移なら26日も高値試しへ向かいやすいとみる。ただし4.70円を超えた後に4.67円を割り込むところからは下げ再開から一段安へ向かう可能性があると注意する。

【当面の主な予定】

7月25日
 16:00 7月 製造業信頼感指数 (6月 102.8)
 20:30 週次 外貨準備高 7月19日時点
7月30日
 16:00 7月 経済信頼感指数 (6月 95.8)
7月31日
 16:00 6月 貿易収支確報 (5月 -65億ドル)
 16:00 4‐6月期 海外観光収入 (1-3月 87.8億ドル)
 17:30 6月 海外観光客数 前年同月比 (5月 14.0%)


注:ポイント要約は編集部

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